倉庫の寸法
北から4番目に立つのが、大学開放センターの工芸体験棟である。その素っ気なさこそが見どころだ。列の各棟と同じく桁行約45メートル、梁間約15メートル。木造平屋建でモルタルを塗り、切妻造の妻入りとする。
棟の上には換気のための越屋根が通り、この越屋根はどの棟にも共通する。
米のため、そして鉄道のために
形は用途に忠実である。西面には入口を覆う庇が付き、東面には通し庇が延びて、かつて鉄道引込線のプラットフォームを成した。ここから米が貨車で運び出された。
8棟を合わせた収容力は、秋田県の年間消費量の約3割に達したとされる。文化庁は平成12年、この倉庫群を歴史的景観への寄与として登録した。区分は重要文化財の指定ではなく登録である。
積込場から体験の場へ
現在この棟は、開放センターの工芸体験プログラムの場となり、来訪者が手仕事を試みる。かつて米の貨車を受けた東側の長い通し庇は、いまや建物の公共に開かれた表側を示す。
この建物は、姿を変えずに仕事だけを変えた。旧来の物流の痕跡が建築に読み取れることが、長い側面を歩く楽しさの多くを占める。
Q&A
- 倉庫の寸法はどれくらいですか。
- 各棟は桁行約45メートル、梁間約15メートルの木造平屋建で、建築面積は約660平方メートルです。
- 東側の庇は何のためのものですか。
- かつて鉄道引込線のプラットフォームで、米を貨車で搬出する積込みの縁を覆っていました。
- 「越屋根」とは何ですか。
- 棟の上に一段高く設けた小屋根で、採光と換気を担います。ここでは米倉庫の換気に用いられました。
- 現在この棟では何が行われていますか。
- 大学開放センターが市民向けに開く、手仕事の工芸体験プログラムの場となっています。
基本データ
| 名称 | 秋田公立美術工芸短期大学大学開放センター工芸体験棟 |
|---|---|
| 所在地 | 秋田県秋田市新屋大川町12-3 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 登録年月日 | 2000年(平成12)9月26日(登録第25回) |
| 登録番号 | 05-0060 |
| 員数 | 1棟 |
| 年代 | 昭和9年(1934) |
| 構造 | 木造平屋建、鉄板葺、建築面積660㎡ |
| 登録基準 | 国土の歴史的景観に寄与しているもの |
| 所有者 | 公立大学法人秋田公立美術大学 |
| 公開状況 | 大学キャンパス施設として使用(見学は大学へ要確認) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース — 秋田公立美術工芸短期大学大学開放センター工芸体験棟
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001827
- 秋田公立美術大学 公式サイト
- https://www.akibi.ac.jp/
最終更新日: 2026.07.08