土蔵の顔
北から7番目の創作工房棟は、列の中で最も意図的に伝統的な外観をもつ。壁は土蔵造風に仕上げられている。
屋根は保温のため野小屋を設けており、建物の上に別の屋根を置いたような、置屋根形式風の姿となる。
古い顔を保つ改変
大学施設への転用には、実際の手が加えられた。妻壁や側壁面に明かり窓を設け、各所の越屋根を一連に繋いでいる。
それでも当初の面影はよく保たれる。平成12年の登録は、指定ではなく登録の区分のもと、この歴史的性格が景観の中に残ることを評価している。
古い皮膜の下の工房
現在は創作工房として使われ、この棟は土蔵風の外観と、内部の制作空間とを併せもつ。かつて米の温度を安定させた保温の屋根が、今は働く人のために室内環境を保つ。
南の端から近づくと、8棟のうち最も古い米蔵らしい姿を見せるのがこの棟であり、短大が取り込んだ7棟の最後にあたる。
Q&A
- 創作工房棟の外観はなぜ他と違うのですか。
- 壁を土蔵造風に仕上げ、保温用の野小屋によって置屋根形式風の姿となっているためです。
- 「野小屋」とは何ですか。
- 屋根の下に設けた内側の小屋組で、ここでは保温のために加えられ、貯蔵の温度を安定させる役割を担いました。
- 大学利用のために改変されたのですか。
- 明かり窓を設け、越屋根を一連に繋ぐなどの改築がありますが、当初の面影はよく保たれています。
- 指定区分は何ですか。
- 登録有形文化財です。重要文化財の指定ではなく、歴史的景観への寄与を評価した登録の区分です。
基本データ
| 名称 | 秋田公立美術工芸短期大学創作工房棟 |
|---|---|
| 所在地 | 秋田県秋田市新屋大川町12-3 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 登録年月日 | 2000年(平成12)9月26日(登録第25回) |
| 登録番号 | 05-0063 |
| 員数 | 1棟 |
| 年代 | 昭和9年(1934) |
| 構造 | 木造平屋建、鉄板葺、建築面積660㎡ |
| 登録基準 | 国土の歴史的景観に寄与しているもの |
| 所有者 | 公立大学法人秋田公立美術大学 |
| 公開状況 | 大学キャンパス施設として使用(見学は大学へ要確認) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース — 秋田公立美術工芸短期大学創作工房棟
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00001830
- 文化遺産オンライン — 秋田公立美術工芸短期大学創作工房棟
- https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/186560
- 秋田公立美術大学 公式サイト
- https://www.akibi.ac.jp/
最終更新日: 2026.07.08