石孫本店4号蔵とは

石孫本店4号蔵は、秋田県湯沢市岩崎にある明治33年(1900年)建築の土蔵造2階建の醸造蔵で、平成10年(1998年)12月11日に登録有形文化財となった。味噌・醤油醸造元の石孫本店で道路に面して並ぶ4棟のうち北から3番目、3号蔵の南隣に建つ。建築面積は165平方メートル、屋根は鉄板葺。読みは「いしまごほんてんよんごうぐら」。

棟札から建築年が分かり、大工棟梁は斎藤彦右衛門、施主は二代石川孫左ェ門である。3号蔵の3年後に建てられ、文化庁の解説は意匠や工法が3号蔵とよく似ていると記している。

石孫本店4号蔵の特徴は内部の構成にある。文化庁によれば、中は速造室、仕込場、石造の麹室の三つの部分に分かれている。外から見ると隣の蔵と同じ1棟の土蔵だが、内側では工程ごとに部屋が仕切られている。

石孫本店4号蔵の構成と登録の理由

三つの部屋のうち、とくに目を引くのが石造の麹室である。麹は、蒸した米や大豆、炒った小麦に麹菌を繁殖させてつくる味噌と醤油のもとで、育てるあいだは温度と湿度を安定させ続けなければならない。土蔵の中に石で囲った室を設けるのは、外気の変化から麹を守るための工夫と考えられる。

石孫本店は現在も麹蓋という木の盆で麹をつくり、蔵見学でも麹室を案内している。明治33年(1900年)の蔵に麹づくりのための専用の室が組み込まれていることは、この店の造りが建物の設計にまで入り込んでいたことを示している。

登録基準は「造形の規範となっているもの」。小屋組は和小屋で、湯沢市は3号蔵とともに和小屋の蔵に数えている。同じ棟梁は明治37年(1904年)の1号蔵から洋小屋に切り替えており、石孫本店4号蔵は、彦右衛門が石孫本店で和小屋を用いて建てた醸造蔵として最後のものにあたる。

石孫本店4号蔵の見どころ

外から見る石孫本店4号蔵は、北隣の3号蔵と見分けがつきにくい。規模は同じ165平方メートル、意匠と工法も似ている。二つの蔵を分けているのは中身で、3号蔵が搾りの工程、4号蔵が麹づくりと仕込みを受け持つ。並びの中ほどに工程の異なる蔵が隣り合っていることを知ってから眺めると、揃った外観の見え方が変わる。

内部に入る機会があれば、土蔵の中にもう一重、石の壁で囲われた部屋があることに注意したい。速造室と仕込場を合わせた三つの区画の割り方が、この蔵の設計の要点である。

石孫本店4号蔵の見学方法

石孫本店4号蔵の外観は、店の前の道から見られる。道路沿いに並ぶ4棟の、北から3番目の蔵である。

内部は予約制の蔵見学で案内される場合がある。見学は味噌と醤油の仕込みの工程に沿って麹室や熟成蔵を回る内容だが、どの建物の麹室に入るかは公表されておらず、石孫本店4号蔵が含まれるかは予約時に確認したい(2026年9月24日確認)。麹室は菌の環境に敏感な場所で、店は見学当日に納豆を食べないよう求めている。

蔵の中での撮影の可否は明示されていない。行き方と見学の料金・予約方法は、石孫本店のページにまとめてある。

Q&A

Q石孫本店4号蔵はいつ建てられましたか。
A棟札から明治33年(1900年)の建築と分かっています。大工棟梁は斎藤彦右衛門です。
Q石孫本店4号蔵の内部はどうなっていますか。
A文化庁によれば、速造室、仕込場、石造の麹室の三つの部分に分かれています。
Q石孫本店4号蔵の麹室はなぜ石造なのですか。
A理由を記した資料はありませんが、麹は温度と湿度を安定させて育てる必要があり、石で囲うのは外気の変化から守る工夫と考えられます。
Q石孫本店4号蔵の小屋組は何ですか。
A和小屋です。棟梁は明治37年(1904年)の1号蔵から洋小屋に切り替えており、石孫本店で和小屋を用いた醸造蔵としては最後のものです。
Q石孫本店4号蔵の内部は見学できますか。
A内部に入れるのは予約制の蔵見学だけで、どの蔵に入るかは公表されていません。予約時に確認してください(2026年9月24日確認)。

基本データ

名称石孫本店4号蔵(いしまごほんてんよんごうぐら)
所在地秋田県湯沢市岩崎字岩崎162
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号 05-0039
指定年1998年12月11日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、鉄板葺、建築面積165平方メートル
所有者有限会社石孫本店
公開状況外観は道路から見学可。内部は予約制の蔵見学(対象の蔵は要確認)

参考文献

国指定文化財等データベース 石孫本店4号蔵(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000937
石孫本店4号蔵(文化遺産オンライン)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/114017
石孫本店内蔵ほか4棟(湯沢市の文化財)
https://www.city-yuzawa.jp/site/bunkazai/2215.html
蔵の歴史と製法(石孫本店)
https://ishimago.jp/history/
蔵見学(石孫本店)
https://ishimago.jp/tour/

最終更新日: 2026.09.24