両面を間知石の谷積で仕上げた支川の堰堤

塩の川第一堰堤は、福島県福島市土湯温泉町の荒川の左支川・塩の川で、塩の川第四堰堤の約1キロメートル上流に昭和29年(1954年)に築かれた重力式コンクリート造の砂防堰堤で、平成20年(2008年)7月8日に登録有形文化財に登録された。

文化庁の記録では堤長47メートル、堤高15メートル。番号は「第一」だが、下流の第四堰堤より2年早く完成しており、塩の川の砂防はこの地点から始まったことになる。登録番号は07-0104。

塩の川第一堰堤が登録された理由

塩の川第一堰堤の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、川筋の歴史的景観に寄与していると評価する。

上流の法勾配を4.5分、下流を2分とし、表面は上流側も下流側も間知石の谷積とする。内部には粗石コンクリートを詰めている。外は加工した石で整え、中は大きな石を混ぜたコンクリートで重さを稼ぐという、重力式の石積堰堤の典型的な組み立てである。

塩の川第一堰堤の見どころ

間知石の面に注目したい。間知石は、表面を四角く整え、奥へ向かって細くした積み石で、谷積に組むと目地が斜めに走って菱形の格子が現れる。文化庁の記録にあるとおり、この堰堤は上流側と下流側の両面を同じ谷積で仕上げている。

堤長47メートルに対して堤高15メートルと、幅に比べて背が高い。支川の谷の狭さが、堤体の比率に表れている。

塩の川第一堰堤の見学

塩の川第一堰堤は現役の砂防施設である。見学料はなく、周辺から外観を眺める形になる。堤体に登ったり河床に降りたりすることはできない。雨の後は水かさが急に増すので、川岸に近づかないこと。堰堤群への行き方は荒川砂防堰堤群のページにまとめてある。

下流の塩の川第四堰堤とあわせて見ると、同じ支川の2基で造りの違いを比べられる。

Q&A

Q塩の川第一堰堤はいつ築かれ、いつ登録されましたか?
A昭和29年(1954年)に築かれ、平成20年(2008年)7月8日に登録有形文化財に登録されました。登録番号は07-0104です。
Q塩の川第一堰堤は塩の川第四堰堤より古いのですか?
Aはい。番号は「第一」ですが、昭和31年(1956年)完成の第四堰堤より2年早い昭和29年(1954年)の完成です。
Q塩の川第一堰堤の表面はどのような石積ですか?
A上流側も下流側も、間知石を斜めに組む谷積で仕上げています。内部には粗石コンクリートを詰めています。
Q塩の川第一堰堤の大きさは?
A堤長47メートル、堤高15メートルの重力式コンクリート造の堰堤です。
Q塩の川第一堰堤は見学できますか?
A現役の砂防施設で、周辺から外観を見学できます。見学料はなく、堤体には登れません。

基本情報

名称塩の川第一堰堤(しおのかわだいいちえんてい)
所在地福島県福島市土湯温泉町字日向
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成20年(2008年)登録
員数1基
寸法重力式コンクリート造堰堤、堤長47m、堤高15m
所有者国(国土交通省)
公開状況屋外の砂防施設。周辺から外観を見学できる(見学料なし)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)塩の川第一堰堤
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007173
国土交通省東北地方整備局福島河川国道事務所 荒川流域の砂防事業
https://www.thr.mlit.go.jp/fukushima/sabo/100/110.html
ふくしまインフラツーリズム(福島県)荒川砂防堰堤群(土木遺産)
https://www.pref.fukushima.lg.jp/site/infra/arakawa.html

最終更新日: 2026.10.06