桁行38メートルの仕込蔵

末廣酒造嘉永蔵壱号蔵は、福島県会津若松市日新町にある造り酒屋の仕込蔵で、大正11年(1922年)に建てられ、平成30年(2018年)11月2日に登録有形文化財となった。土蔵造2階建、瓦葺、建築面積365平方メートルで、桁行は38メートルに及ぶ。

敷地の南側面の過半を占めて東西に延びる。棟の向きも東西で、屋根は切妻造。北面の中央に扉口を開き、東面には樽の入れ替えに使う戸口を設ける。

内部は間仕切りのない一室である。2階には麹室を置く。米を蒸し、麹をつくり、仕込み、貯えるという工程のうち、この蔵が受け持ったのは仕込みの場だった。

なぜ登録されたのか

末廣酒造嘉永蔵壱号蔵は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」という基準で登録された。登録番号は07-0187である。

この蔵の価値は規模と造りの両方にある。桁行38メートルという長さは、大正期の地方の造り酒屋としては大きい。それを土蔵造でつくり、開口を絞り、内部を一室のまま通したところに、仕込蔵という用途がそのまま形になっている。

主屋事務所と新蔵に続いて、この蔵も風格のある表構えの一部をなしていると文化庁の解説は記す。街路に面する表側だけでなく、敷地の内側にも同じ質の構えが続いている。

一室のまま通した内部と、2階の麹室

末廣酒造嘉永蔵壱号蔵の内部に入ると、38メートルの奥行きが一息に見通せる。柱で仕切られてはいるものの部屋は分かれておらず、仕込み桶を並べるための空間がそのまま残っている。

2階の麹室は、蒸した米に麹菌を繁殖させる部屋である。温度と湿度を保つ必要から、厚い壁で囲い、外気の影響を受けにくい場所に置く。土蔵造の2階という位置はその条件に合っている。

外観では東面の戸口を探したい。樽を出し入れするために設けられた開口で、北面中央の扉口とは寸法も高さも違う。何をどこから出し入れしていたかが、開口の位置と大きさから読める。

見学方法

末廣酒造嘉永蔵壱号蔵は敷地の奥にあり、街路からは屋根の一部しか見えない。外観を見るには敷地内に入る必要がある。

内部は稼働中の醸造施設であり、係員の案内による酒蔵見学のときだけ入ることができる。案内の所要はおよそ30分。仕込みの時期は作業の都合で見られる範囲が変わる。撮影は係員の指示に従う。

敷地全体の見学時間・定休日・行き方は、末廣酒造嘉永蔵のページにまとめてある。

Q&A

Q末廣酒造嘉永蔵壱号蔵の内部は見学できますか。
A係員の案内による酒蔵見学のときに入れます。稼働中の醸造施設のため、自由な立ち入りはできません。案内の所要はおよそ30分です。
Q末廣酒造嘉永蔵壱号蔵の大きさはどれくらいですか。
A桁行38メートル、建築面積365平方メートルです。土蔵造の2階建で、敷地の南側面の過半を占めています。
Q末廣酒造嘉永蔵壱号蔵は何に使われた建物ですか。
A仕込蔵です。内部は間仕切りのない一室で、2階には麹をつくる麹室が設けられています。
Q末廣酒造嘉永蔵壱号蔵はいつ建てられましたか。
A大正11年(1922年)です。同じ年に主屋の増築も行われています。
Q末廣酒造嘉永蔵壱号蔵は重要文化財ですか。
A違います。平成30年(2018年)11月2日に登録有形文化財として登録されました。登録番号は07-0187です。

基本データ

名称末廣酒造嘉永蔵壱号蔵
所在地福島県会津若松市日新町159他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成30年(2018年)登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積365平方メートル、桁行38メートル
所有者末廣酒造株式会社
公開状況外観は敷地内から見学可。内部は係員の案内による酒蔵見学時のみ

参考文献

国指定文化財等データベース 末廣酒造嘉永蔵壱号蔵(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012472
嘉永蔵見学(末廣酒造株式会社)
https://sake-suehiro.co.jp/museum
末廣の歴史(末廣酒造株式会社)
https://sake-suehiro.co.jp/history

最終更新日: 2026.09.17