敷地の北西隅で列を閉じる蔵

小見家住宅(水村園)前蔵は、群馬県高崎市本町の茶舗・水村園の敷地に明治中期に建てられた土蔵造2階建の蔵で、平成12年(2000年)12月4日に国の登録有形文化財に登録された。建築面積は17平方メートル。敷地の北西の隅にあり、新蔵の北側の妻壁に接して建つ。

規模は桁行2間半、梁行は新蔵と同じ2間。棟を南北に通した切妻造桟瓦葺平入である。棟は新蔵よりも低く、東面の入口は引戸として、より簡素なつくりにしている。

敷地の西側に並ぶ5棟の土蔵のうち、もっとも北にあたる。南端の新座敷から続いてきた蔵の列は、この前蔵で終わる。

登録の理由と、防火帯の北の端

小見家住宅(水村園)前蔵の登録番号は10-0048、登録基準は「再現することが容易でないもの」である。文化庁は種別を商いの建物に分類しており、南隣の新蔵とともに、茶舗の商いを支えた側の蔵にあたる。

文化庁の解説は、前蔵の役割を、防火帯としての土蔵群の北端を押さえることと説明している。南端を新座敷、北端を前蔵が受け持つことで、西側の隣地との境が端から端まで土の壁で閉じられる。

「前蔵」という名の由来は、文化庁の解説には書かれていない。ほかの蔵が用途(着物・味噌)や建てた順(新)で呼ばれているのに対し、この蔵は位置を思わせる名で呼ばれている。

小見家住宅(水村園)前蔵の見どころ

小見家住宅(水村園)前蔵の見どころは、南隣の新蔵との比較にある。梁行は同じ2間で、並べると同じ幅の2棟が妻を接して続く。しかし棟の高さは前蔵のほうが低く、入口も新蔵の観音扉に対して引戸である。

同じ商いの蔵でありながら、新蔵には重い構えが、前蔵には控えめな構えが与えられている。どちらの蔵に何を納めたのかは記録に見えないが、2棟の差は、蔵のあいだにも格の違いがあったことを示す材料になっている。

北西の隅に建つため、前蔵の北と西の壁は隣地との境に面している。列の端にあって、2方向の境を同時に守る位置にある。

見学方法

小見家住宅(水村園)前蔵は、営業中の茶舗の奥にある私有の蔵で、内部は公開されていない。見学や撮影を希望するときは店に申し出て相談したい。

敷地に入ることができた場合、前蔵は路地の北の端、西側に建っている。手前の新蔵の観音扉と、前蔵の引戸を続けて見ると、2棟の違いが分かりやすい。

Q&A

Q小見家住宅(水村園)前蔵とはどんな蔵ですか。
A明治中期に建てられた土蔵造2階建の蔵です。桁行2間半、梁行2間の切妻造・桟瓦葺・平入で、東面の入口は引戸になっています。
Q小見家住宅(水村園)前蔵はいつ登録有形文化財になりましたか。
A平成12年(2000年)12月4日に登録されました。登録番号は10-0048、登録基準は「再現することが容易でないもの」です。
Q小見家住宅(水村園)前蔵は敷地のどこにありますか。
A敷地の北西の隅で、新蔵の北側の妻壁に接して建っています。西側に並ぶ土蔵の列のいちばん北にあたり、防火帯の北端を押さえています。
Q小見家住宅(水村園)前蔵と新蔵はどう違いますか。
A梁行はどちらも2間ですが、前蔵のほうが棟が低く、入口も新蔵の観音扉に対して引戸という簡素なつくりです。
Q小見家住宅(水村園)前蔵の内部は見学できますか。
A一般公開はされていません。茶舗の奥にある私有の建物のため、見学や撮影を希望する場合は店に相談してください。

基本データ

名称小見家住宅(水村園)前蔵(こみけじゅうたく(みずむらえん)まえぐら)
所在地群馬県高崎市本町123-1
指定区分国登録有形文化財(建造物) 登録番号10-0048
指定年平成12年(2000年)12月4日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積17平方メートル、桁行2間半・梁行2間
所有者個人
公開状況内部非公開(表の茶舗は営業中)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):小見家住宅(水村園)前蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002006
安政四年創業 茶舗 水村園 公式サイト:水村園の歴史
https://mizumuraen.jp/wp/

最終更新日: 2026.09.24