屋敷の中央に建つ最大の蔵

南北に細長い敷地のほぼ中央に、登録7棟のうち最も大きな建物が建つ。仕込蔵は酒を仕込む蔵で、桁行約47.5メートル、梁間20メートル、建築面積はおよそ950平方メートルに及ぶ土蔵造2階建である。

小屋組は和小屋とし、南側を切妻造、北側を入母屋造として妻面を押縁下見板張とし、両妻に窓を開く。

登録の理由

平成17年(2005年)11月、国土の歴史的景観に寄与する建造物として登録された(登録番号08-0198)。屋敷の中央に位置する規模の大きな酒造工場施設であり、厚い土壁が蔵の中の温度を一定に保つ。発酵に適した環境を生む構えである。

安政元年(1854年)の創業から間もなく、隣の釜場とともに整えられたと伝わる。

醸造の現場

寒い時期、ここで醪(もろみ)が大きなタンクのなかで発酵する。蔵では今も和釜・甑(こしき)・麹蓋といった昔ながらの道具を用い、代々受け継いだ技で「渡舟」「太平海」を醸す。

社寺の堂よりも長いその規模からは、地方の蔵がかつてどれほどの量を造っていたかがうかがえる。

よくある質問

Q仕込蔵の大きさは。
A桁行約47.5メートル、梁間20メートル、建築面積は約950平方メートルで、登録7棟のうち最大です。
Qいつ建てられましたか。
A明治初期で、安政元年(1854年)の創業から間もなくと伝わります。
Q中では何が行われますか。
A醪(もろみ)が大きなタンクのなかで冬を通じて発酵する、仕込みの現場です。
Q見学できますか。
A事前問い合わせで見学を受け付けています。稼働中の作業場で、資料館ではありません。
Q壁が厚いのはなぜですか。
A土蔵の厚い壁が蔵内の温度を一定に保ち、発酵に適した環境をつくるためです。

基本情報

名称府中誉仕込蔵(ふちゅうほまれしこみぐら)
指定区分登録有形文化財(建造物)
登録番号08-0198
登録年月日平成17年(2005年)11月10日(告示12月5日)
時代・年代明治初期
構造及び形式土蔵造2階建、瓦葺
建築面積約950平方メートル
員数1棟
所有者府中誉株式会社
所在地茨城県石岡市国府5-9-32
公開状況稼働中の酒蔵。見学は事前問い合わせ

参考文献

Agency for Cultural Affairs, National Database of Designated Cultural Properties
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004910
Fuchu Homare Co., Ltd. (official site)
https://www.huchuhomare.com/

最終更新日: 2026.06.25