常陸国府の地に開く店構え

府中誉の主屋は、南北に細長い敷地の北寄りに建つ。ここ石岡市国府は、古代に常陸国の国府が置かれた一帯にあたる。明治2年(1869年)の建築で、木造一部土蔵造の2階建、瓦葺、建築面積は約208平方メートル。

1階は桁行7間、梁行7間半の規模をもち、東に面してミセ(売り場)と帳場を配し、西側に座敷などを並べる。商家の間取りがそのまま残る一棟である。

街路に向き、火に備える

平成16年(2004年)7月、国土の歴史的景観に寄与する建造物として登録有形文化財に登録された(登録番号08-0136)。特徴は防火への配慮にある。街路に面した北面は、1階・2階とも外回りを塗込めとし、隣家からの延焼に備えた。

屋根は北を切妻、南を寄棟とした桟瓦葺。商いの場と住まい、そして火への構えが、一棟のなかに同居している。

蔵を巡る出発点

敷地に建つ7棟の登録建造物のうち、主屋は街路にもっとも近く、見学の起点に向く。安政元年(1854年)創業の蔵は、今も自社で酒を醸している。

山田錦の親品種にあたる「渡船」をわずかな種もみから復活させて仕込む「渡舟」も、この蔵で生まれる。見学は事前の問い合わせで受け付けているため、訪ねる前に時間を調整しておくとよい。

よくある質問

Q主屋はいつ建てられましたか。
A明治2年(1869年)、明治初期の建築です。
Q内部は公開されていますか。
A敷地は資料館ではなく稼働中の酒蔵です。見学は事前に蔵元へ問い合わせると調整できます。
Qどのような構造ですか。
A木造一部土蔵造の2階建で瓦葺、建築面積は約208平方メートルです。
Q北面が塗込めなのはなぜですか。
A街路に面する北側を1階・2階とも塗込めとし、隣家からの延焼に備えたためです。
Qここではどんな酒が造られていますか。
A「渡舟」「太平海」「府中誉」の各銘柄で、復活させた渡船米による酒も含みます。

基本情報

名称府中誉主屋(ふちゅうほまれしゅおく)
指定区分登録有形文化財(建造物)
登録番号08-0136
登録年月日平成16年(2004年)7月23日(告示8月17日)
時代・年代明治2年(1869年)
構造及び形式木造一部土蔵造2階建、瓦葺
建築面積約208平方メートル
員数1棟
所有者府中誉株式会社
所在地茨城県石岡市国府5-9-32
公開状況稼働中の酒蔵。見学は事前問い合わせ

参考文献

Agency for Cultural Affairs, National Database of Designated Cultural Properties
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004203
Fuchu Homare Co., Ltd. (official site)
https://www.huchuhomare.com/

最終更新日: 2026.06.25