總持寺鐘楼とは
總持寺鐘楼は、神奈川県横浜市鶴見区の曹洞宗大本山總持寺にある大正4年(1915年)建築の鐘楼で、平成17年(2005年)に国の登録有形文化財に登録された。読みは「しょうろう」。
伽藍の南方、基壇の上に建つ。切妻造・本瓦葺の屋根をかけた吹放しの鐘楼で、壁を設けず柱だけで屋根と鐘を支える。建築面積は30平方メートル。
總持寺では、登録された18件のうち總持寺鐘楼だけが「再現することが容易でないもの」という基準で登録されている。ほかの建物が景観への寄与や造形の規範として評価されたのに対し、この鐘楼は、同じものを今つくり直すことが難しい技術の産物として認められた。
總持寺鐘楼が登録有形文化財となった理由
文化庁の解説によれば、平面は正方形で、各辺の柱は中央の柱間を広く、両脇を狭くとって、その比を2対1とする。柱はすべて円柱である。さらに四隅では、外側に角柱を斜めに立てている。
軸部の組み方にも特徴がある。柱に差し込んだ挿肘木(さしひじき)と、柱どうしを貫く貫を巧みに使い分け、壁のない吹放しの構造に必要な強さを得ている。要所には木鼻や蟇股の装飾を配する。
文化庁はこれを「卓越した造形感覚が発揮されている」と評している。重い梵鐘を吊りながら、四方を開け放ち、なお端正な姿を保つには、架構と意匠の両面で高い技量が要る。總持寺鐘楼が再現の難しさを理由に登録されたのは、この一体の完成度による。
總持寺鐘楼の見どころ
まず、四隅の外側に斜めに立つ角柱を探したい。一般的な鐘楼にはあまり見られない部材で、建物の足元に踏ん張るような力強さを与えている。
次に、一辺の柱の並びを数えてみる。中央の柱間が両脇の2倍の幅をもつため、正面から見ると中央が大きく開き、鐘がその奥に収まって見える。
見上げれば、挿肘木が柱から段々に持ち出されて梁を受ける様子がわかる。木鼻と蟇股の彫刻は、構造部材のあいだに控えめに置かれ、總持寺鐘楼の骨組みの美しさを引き立てている。
總持寺鐘楼の見学方法
總持寺鐘楼は伽藍の南方にあり、吹放しなので、外から架構の細部まで見通せる。周囲を一回りして、四隅の角柱と各辺の柱割りを確かめるとよい。
一般の参拝者が鐘を撞けるという案内はなく、基壇にも上がらないようにしたい。行事で鐘を撞く際は周囲に近づかないよう係の案内に従う。境内の南側は坂や石段を伴うので、足元に注意したい。境内への行き方は總持寺のページにまとめてある。
Q&A
- 總持寺鐘楼はどこにありますか?
- 伽藍の南方、基壇の上に建っています。
- 總持寺鐘楼が「再現することが容易でないもの」とされたのはなぜですか?
- 挿肘木や貫を巧みに使った吹放しの架構、2対1の柱割り、四隅に斜めに立てた角柱など、構造と意匠の両面で高い技量が発揮されているためです。總持寺の登録18件のうち、この基準は總持寺鐘楼だけです。
- 總持寺鐘楼の屋根の形は?
- 切妻造・本瓦葺です。壁のない吹放しの鐘楼です。
- 總持寺鐘楼はいつ建てられ、いつ登録されましたか?
- 大正4年(1915年)の建築で、平成17年(2005年)7月12日に登録有形文化財に登録されました。
- 總持寺鐘楼の鐘を撞くことはできますか?
- 一般の参拝者が撞けるという案内はありません。外観は自由に見学できます。
基本情報
| 名称 | 總持寺鐘楼(そうじじしょうろう) |
|---|---|
| 所在地 | 神奈川県横浜市鶴見区鶴見2-1-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 2005年(平成17年) |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造、瓦葺、建築面積30平方メートル |
| 所有者 | 宗教法人大本山總持寺 |
| 公開状況 | 外観は境内から自由に見学可 |
参考文献
- 總持寺鐘楼|国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00004725
- 境内マップ|曹洞宗大本山總持寺
- https://www.sojiji.jp/map/
- 参拝のご案内|曹洞宗大本山總持寺
- https://www.sojiji.jp/visit/
最終更新日: 2026.09.16