今宮信仰の源、疫神を祀る社殿

今宮神社疫神社本殿は、京都市北区紫野の今宮神社で本殿の西側に並ぶ明治41年(1908年)頃の社殿で、平成30年(2018年)3月27日に国の登録有形文化財に登録された。疫社とも呼ばれる摂社で、素盞嗚尊を祀る。

疫神社は今宮神社の成り立ちの根にある社である。神社の由緒では、平安京ができる前からこの地に疫神を祀る社があり、その疫神を鎮める御霊会から今宮社が生まれた。1月19日の疫神祭のほか、4月のやすらい祭で花傘に集められた疫神も、この社に鎮まるとされる。

亀岡末吉の設計

文化庁の答申資料によれば、今宮神社疫神社本殿と前面の渡廊・門・廻廊は亀岡末吉の設計である。亀岡は古社寺の修理に携わった建築家で、中世の社寺の細部を手本にしながら独自の繊細な装飾にまとめる作風で知られる。文化庁データベースの解説が「亀岡の特質を示す」と書くのは、この設計者のことを指している。

建物は桁行三間、梁間二間の入母屋造で、正面に一間の向拝を付け、屋根は銅板葺。正面と両側面に刎高欄付きの切目縁を廻らし、脇障子を立てる。外陣の正面には板唐戸と蔀を構える。建築面積は32平方メートルで、隣の本殿より一回り小さい。

見どころは蟇股などの細部である。中世の社寺に見られる形を近代的な表現でまとめ直しており、線が細く優美だ。登録基準は「造形の規範となっているもの」で、明治後期の京都の社殿設計の水準を示す一棟とされる。

見どころと見学

今宮神社疫神社本殿は本殿と同じく築地塀の内側にあり、立ち入ることはできない。参拝は前面の渡廊の先に開く平唐門の前から行う。門越しに本殿の向拝と入母屋の屋根が見える。

隣の本殿の切妻屋根と見比べると、入母屋造の重なった屋根面がよく分かる。蟇股の細部は距離があって見えにくいので、双眼鏡があると役に立つ。境内への行き方と参拝の条件は今宮神社のページにまとめてある。

Q&A

Q今宮神社疫神社本殿には何が祀られていますか。
A素盞嗚尊です。今宮神社の起こりとなった疫神を鎮める社で、疫社とも呼ばれます。
Q今宮神社疫神社本殿はいつ建てられましたか。
A明治41年(1908年)頃とされています。
Q今宮神社疫神社本殿を設計したのは誰ですか。
A文化庁の答申資料によれば亀岡末吉の設計です。前面の渡廊・門・廻廊も同じです。
Q今宮神社疫神社本殿の中に入れますか。
A入れません。参拝は前面の平唐門の前から行います。
Q今宮神社疫神社本殿の祭はいつですか。
A例祭にあたる疫神祭が1月19日に行われます。4月第2日曜日のやすらい祭とも関わりの深い社です。

基本データ

名称今宮神社疫神社本殿(いまみやじんじゃえきじんじゃほんでん)
所在地京都府京都市北区紫野今宮町21
指定区分国登録有形文化財(建造物) 登録番号26-532
指定年平成30年(2018年)3月27日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、入母屋造銅板葺、向拝一間、建築面積32平方メートル
所有者宗教法人今宮神社
公開状況外観は境内から自由に見学可(拝観無料)。内部は非公開

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)— 今宮神社疫神社本殿
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012184
文化庁 — 平成29年11月17日 登録有形文化財(建造物)の登録について(答申資料)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/r1392281_21.pdf
京都観光Navi(京都市公式)— 今宮神社
https://ja.kyoto.travel/tourism/single01.php?category_id=7&tourism_id=496

最終更新日: 2026.10.01