波多腰家住宅中門とは
波多腰家住宅中門は、長野県松本市波田にある大正期(1912年〜1926年)の木造の棟門で、平成12年(2000年)4月28日に国の登録有形文化財に登録された。登録番号は20-0045である。
主屋の正面で、式台と上手の座敷との境から前へ延びる塀に開く門である。この塀が、主屋の正面の前庭と、座敷に面した庭とを分けている。屋根は切妻造、桟瓦葺で、両開きの板戸を構える。間口は2メートルで、板塀が付く。
左右には瓦屋根をいただく袖塀が延び、門と一体になって庭の境をつくっている。
表の前庭と座敷の庭
波多腰家住宅中門の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、瓦屋根の両袖塀とともに庭の景観を構成する重要な要素だとしている。
塀が延び出す位置に意味がある。式台は客を迎える正式な入口で、その上手には格の高い座敷が続く。中門の塀はちょうどその境から前へ出ており、式台の前は訪れる人を迎える前庭に、座敷の前は座敷から眺めるための庭に分けられている。
扉が板戸であるのも、この庭の性格にかなう。閉めれば向こう側が見えず、座敷の庭の静けさが前庭の出入りから守られる。
見どころ
同じ屋敷の門と比べてみたい。前庭と倉庫群を分ける門も大正期の棟門で、間口も2メートルと同じだが、扉は格子戸である。見通せる格子戸と見通せない板戸の違いは、それぞれの門の向こうにある空間の違いに対応している。
主屋との関係も見ておきたい。中門の塀は主屋の正面から前へ延びるので、主屋の正面は塀を境に、式台の側と座敷の側とに分かれる。庭の区切りが、主屋の間取りと結びついている。
波多腰家住宅中門の見学
波多腰家住宅中門は屋敷の内側、主屋の正面にあり、個人の住まいの一部である。座敷の庭も含め公開されておらず、敷地に入って見ることはできない。
屋敷への行き方と見学の注意は、波多腰家住宅のページにまとめてある。
Q&A
- 波多腰家住宅中門はどこにありますか?
- 主屋の正面、式台と上手の座敷との境から前へ延びる塀に開いており、前庭と座敷の庭を分けています。
- 波多腰家住宅中門はどんな形式の門ですか?
- 切妻造、桟瓦葺の棟門で、両開きの板戸を構えています。間口は2メートルで、左右に瓦屋根の袖塀が付きます。
- 波多腰家住宅中門はいつ建てられましたか?
- 文化庁の登録では大正期(1912年〜1926年)とされています。
- 波多腰家住宅中門はなぜ登録有形文化財なのですか?
- 瓦屋根の両袖塀とともに庭の景観を構成する重要な要素として、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。
- 波多腰家住宅中門は見学できますか?
- 屋敷の内側にある個人の住まいの一部のため、敷地に入って見学することはできません。
基本データ
| 名称 | 波多腰家住宅中門 |
|---|---|
| 所在地 | 長野県松本市波田6492 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成12年(2000年)4月28日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 木造、棟門、瓦葺、間口2メートル、板塀付 |
| 所有者 | 個人 |
| 公開状況 | 非公開(個人住宅)。敷地外から外観のみ |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)波多腰家住宅中門
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001707
- 松本市 波多腰家住宅〔11棟〕
- https://www.city.matsumoto.nagano.jp/soshiki/134/3784.html
- 八十二文化財団 信州の文化財 波多腰家住宅中門
- https://www.82bunka.or.jp/bunkazai/detail.php?no=4711
最終更新日: 2026.09.24