波多腰家住宅蔵とは

波多腰家住宅蔵は、長野県松本市波田にある昭和8年(1933年)上棟の土蔵で、平成12年(2000年)4月28日に国の登録有形文化財に登録された。登録番号は20-0041である。

主屋の東北、納屋の東に接して建ち、倉庫群の東の端を占める。土蔵造の2階建で、棟を東西に通して南に正面を向ける。間口は3間半、建築面積は23平方メートル。

屋根は置屋根形式の切妻造、桟瓦葺とし、正面に下屋庇を設ける。登録された11棟のうち、建築年が明らかな建物のなかでは最も新しい。

父が起こし、子が建て終えた蔵

波多腰家住宅蔵の年代は、地棟木の墨書で確かめられる。松本市によれば、昭和8年8月の日付とともに、先代の波多腰周次郎が起工し、弥六の代に建てた旨が記されている。

同じ周次郎と弥六の名は、主屋の背後に建つ文庫蔵の墨書にも現れる。二つの蔵は、代替わりをまたいで続けられた一連の普請だったと考えられる。明治の米蔵から数えて半世紀余り、倉庫群はこの蔵で東の端まで埋まった。

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。単独の意匠よりも、倉庫群の一列を完結させる位置と規模が評価されている。

見どころ

南の正面では、下屋庇の張り出しに目を留めたい。蔵の出入口の前に小さな屋根を差し掛け、雨の日の出し入れを助けている。

倉庫群を西から東へたどると、2階建の米蔵、平屋の長い納屋、そして再び2階建のこの蔵と、高さが上下する。東の端に2階建が立つことで、列の終わりがはっきりする。

昭和の蔵でありながら、置屋根の切妻に下屋庇という、明治の米蔵と同じ語彙で建てられている点も見ておきたい。

波多腰家住宅蔵の見学

波多腰家住宅蔵は個人の住まいの一部で、内部は公開されていない。主屋の東北、倉庫群の東の端にある。敷地には立ち入らず、外から見られる範囲で眺めたい。

屋敷への行き方と見学の注意は、波多腰家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q波多腰家住宅蔵はいつ建てられましたか?
A地棟木の墨書から、昭和8年(1933年)8月の上棟と分かっています。建築年が明らかな登録建物のなかでは最も新しい棟です。
Q波多腰家住宅蔵を建てたのは誰ですか?
A墨書には、先代の波多腰周次郎が起工し、弥六の代に建てたと記されています。
Q波多腰家住宅蔵はどんなつくりですか?
A間口3間半の土蔵造2階建で、置屋根形式の切妻造、桟瓦葺です。正面に下屋庇を設けています。
Q波多腰家住宅蔵はなぜ登録有形文化財なのですか?
A倉庫群の東の端を占めて一列を完結させる建物として、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。
Q波多腰家住宅蔵の内部は見学できますか?
A個人の住まいの一部のため、内部は公開されていません。

基本データ

名称波多腰家住宅蔵
所在地長野県松本市波田6492
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成12年(2000年)4月28日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積23平方メートル、間口3間半
所有者個人
公開状況非公開(個人住宅)。敷地外から外観のみ

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)波多腰家住宅蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001703
松本市 波多腰家住宅〔11棟〕
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/soshiki/134/3784.html
八十二文化財団 信州の文化財 波多腰家住宅蔵
https://www.82bunka.or.jp/bunkazai/detail.php?no=4707

最終更新日: 2026.09.24