本善寺玄関とは

本善寺玄関(ほんぜんじげんかん)は、奈良県吉野郡吉野町飯貝の本善寺で客殿の北正面に構える式台玄関で、文化庁のデータベースでは安政7年(1860年)の建築とされ、平成22年(2010年)1月15日に登録有形文化財となった。

寺では大玄関と呼ぶ。本堂の西側に連なる客殿・御成御殿・庫裏の一群への正式な入口で、建築面積は86平方メートルある。

唐破風の正面と彫刻

本善寺玄関は桁行6.6メートル、梁間4.5メートル。切妻造の屋根の正面を唐破風造とし、檜皮葺とする(現在は銅板で仮に葺いている)。東側には下屋を張り出す。

正面の内法には、波に麒麟、飛龍を透かし彫りにした欄間を入れ、虹梁の上には力士像を置く。間口の広い正面いっぱいに彫刻を配した構えである。

文化庁は本善寺玄関を「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録有形文化財とした。登録番号は29-0155。解説文は、特異な屋根の形と彫刻を挙げ、華やかな正面構えをもつ式台玄関だと評している。

年代と形式をめぐる2つの記録

寺の境内案内は本善寺玄関について、客殿とともに本堂の建立からまもない明和9年(1772年)に建て、安政6年(1859年)に修理したと記す。寸法は桁行6.61メートル、梁間7.69メートルで、北の妻を入母屋造として軒唐破風を付け、南を切妻造とする檜皮葺、北の妻以外は銅板で包むとしている。

文化庁のデータベースは安政7年(1860年)の建築とし、梁間も4.5メートルと異なる。安政の年代は寺の記す修理とほぼ重なるため、どちらが建てた年でどちらが手を入れた年なのかは、記録の上では決めきれない。ここでは文化庁の年代と寸法を基準とした。

本善寺玄関の見学

本善寺玄関は本堂の西側、客殿の北にある。唐破風の曲線と、欄間の麒麟や飛龍、虹梁の上の力士像は、正面に立って見上げると細部がわかる。仮葺きの銅板の屋根も、側面から見ると檜皮葺の厚みを残した形をしている。

玄関から客殿へ上がれるかどうかは、寺の行事や来客の予定による。内部の見学を望む場合は、事前に本善寺へ問い合わせたい。境内への行き方は本善寺のページにまとめた。

Q&A

Q本善寺玄関はいつ建てられましたか。
A文化庁のデータベースでは安政7年(1860年)です。寺の境内案内は明和9年(1772年)の建立、安政6年(1859年)の修理としています。
Q本善寺玄関の屋根の形は何ですか。
A切妻造で正面を唐破風造とした檜皮葺です。現在は銅板で仮に葺いています。
Q本善寺玄関にはどんな彫刻がありますか。
A正面の欄間に波に麒麟と飛龍の透かし彫りがあり、虹梁の上に力士像が置かれています。
Q本善寺玄関はどの建物の入口ですか。
A客殿の北正面に構える玄関で、客殿・御成御殿・庫裏の一群への正式な入口です。
Q本善寺玄関から中に入れますか。
A内部の常時公開の案内はありません。見学を望む場合は本善寺に問い合わせてください。

基本データ

名称本善寺玄関(ほんぜんじげんかん)
所在地奈良県吉野郡吉野町大字飯貝567
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号 29-0155
指定年平成22年(2010年)1月15日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、檜皮葺(銅板仮葺)、建築面積86平方メートル(桁行6.6メートル、梁間4.5メートル)
所有者本善寺
公開状況外観は境内から見学可。内部の常時公開の案内なし

参考文献

国指定文化財等データベース 本善寺玄関(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00008021
文化遺産オンライン 本善寺玄関
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/193172

最終更新日: 2026.09.27