霊山寺本堂とは:弘安6年の棟札をもつ鎌倉の密教本堂

霊山寺本堂(りょうせんじほんどう)は、奈良県奈良市中町の霊山寺にある弘安6年(1283年)建立の本堂で、明治37年(1904年)2月18日に当時の制度で指定を受け、昭和28年(1953年)11月14日に国宝に指定された。

文化庁の解説によると、建立年代は弘安6年(1283年)11月4日に棟上げしたと記す棟札によって知られる。形式は桁行五間、梁間六間、一重、入母屋造、向拝一間、本瓦葺で、内部を内陣と外陣に分ける。

寺の案内によると、昭和17年(1942年)に解体修理が行われている。

霊山寺本堂が国宝である理由

文化庁は、霊山寺本堂の規模と構成が、建立年代も近く所在地も近い長弓寺本堂(国宝)とよく似た密教本堂であると指摘する。そのうえで、意匠にはかなりの違いがあるとして、その細部を挙げている。

組物は尾垂木付きの二手先で、柱間の中備は間斗束だけとするが、軒裏全体はにぎやかに構成されている。とくに向拝の複雑な組物と、菱と輪違の文様をもつ支輪に華やかさがある。開口部には板扉のほかに蔀戸を多く用い、内陣・外陣とも天井を折上小組格天井とする点も、長弓寺との違いである。

文化庁は霊山寺本堂を、長弓寺本堂と並ぶ鎌倉時代の和様仏堂の優作と評価している。

霊山寺本堂の見どころ:向拝の組物と薬壺の蟇股

正面の向拝に立ったら、組物を見上げたい。寺の案内によると、向拝の左右の柱の上と、柱間に架けた虹梁中央の蟇股の上の3か所に出組の組物を置く。蟇股の内側には薬壺が彫られており、本尊薬師如来にちなむ細工である。

外陣は室内に柱のない空間で、天井は折上小組格天井である。正面三間は、上を吹寄せの菱格子の欄間、下を引違いの格子戸として、内外陣を区切る。内陣の連子窓には古材が残っていると寺は記している。

本尊の薬師如来と脇侍の日光・月光菩薩は、厨子の中に祀られる秘仏である。十二神将や二天王、大日如来、阿弥陀如来、行基菩薩、菩提僊那の像も堂内に祀られている。

霊山寺本堂の見学方法

寺の案内によると、本堂の拝観時間は午前10時から午後4時まで。本尊は秘仏のため、ふだんは厨子の扉を閉じている。境内への行き方と拝観料は霊山寺のページにまとめてある。

Q&A

Q霊山寺本堂はいつ建てられたのですか?
A棟札により、弘安6年(1283年)11月4日に棟上げされたことが分かっています。
Q霊山寺本堂はなぜ国宝なのですか?
A長弓寺本堂と並ぶ鎌倉時代の和様仏堂の優作とされ、向拝の組物や菱・輪違文の支輪など華やかな意匠をもつためです。昭和28年(1953年)に国宝に指定されました。
Q霊山寺本堂の本尊は見られますか?
A本尊の薬師如来と日光・月光菩薩は厨子の中の秘仏です。
Q霊山寺本堂の拝観時間は?
A午前10時から午後4時までです。
Q霊山寺本堂の読み方は?
A「りょうせんじほんどう」と読みます。

基本情報

名称霊山寺本堂(りょうせんじほんどう)
所在地奈良県奈良市中町
指定区分国宝(建造物)
指定年昭和28年(1953年)11月14日国宝指定(明治37年(1904年)2月18日指定)
員数1棟
寸法桁行五間、梁間六間、一重、入母屋造、向拝一間、本瓦葺
所有者霊山寺
公開状況拝観可。本堂は午前10時から午後4時

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース「霊山寺本堂」
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/102/2487
文化遺産オンライン「霊山寺本堂」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/123294
霊山寺「入山のご案内」
https://www.ryosenji.jp/guidance.html

最終更新日: 2026.09.27