加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)とは

加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)は、岡山県加賀郡吉備中央町下加茂にある明治30年(1897年)建設の葉たばこ取扱所の建物で、平成18年(2006年)3月27日に国の登録有形文化財に登録された。

読みは「かもがわれきしみんぞくしりょうかん(きゅうかもはたばことりあつかいしょ)」。登録名は資料館としての現在の名前と、建てられたときの名前を並べたもので、建物は1棟である。

明治29年(1896年)に葉煙草専売法が公布され、農家が育てた葉たばこは国が買い取る仕組みになった。その集荷の拠点として翌年に設けられたのが旧加茂葉たばこ取扱所である。文化庁の解説は、この一帯が全国でも有数の葉たばこの産地だったことを記している。吉備高原の山あいで収穫され、乾燥された葉はこの建物に運び込まれた。

加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)が登録された理由

加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)の登録番号は33-0113、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。

文化庁が最初に挙げるのは長さで、桁行は29メートルある。木造平屋建の細長い建物に、和小屋組で支えた寄棟造の屋根を架けて桟瓦葺とし、外壁は押縁で板を押さえた下見板張とする。建築面積は476平方メートル。建てられた当初は、この建物の後ろにさらに別の建物が続いていたという。いま残るのは一連の施設のうちの1棟だが、専売制度のもとで建てられた明治の葉たばこ集荷施設として、地域の産業の歴史を具体的に示す建物と評価されている。岡山県は貴重な産業遺産とも位置づけている。

加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)の見どころ

29メートルの長い外観

正面に立つと、まず横幅に驚く。29メートルの壁面に下見板が水平に重なり、等間隔の押縁が縦の線を刻む。一見すると古い木造校舎のようだが、窓の少ない壁と低く長く伸びる寄棟の瓦屋根は、学校とも民家とも違う倉庫らしい落ち着きを見せる。

天井を張らない小屋組

館内に入ったら天井を見上げたい。町の文化財保護委員の解説によると、内部は天井を張らずに梁がむき出しになっており、建設当時の様子がそのまま残っている。和小屋の梁と束が頭上に並ぶ高い空間は、乾燥させた葉たばこを受け入れ、保管するために確保された容積と見ることができる。

山の暮らしの道具

展示されているのは、町民の協力で集めた生活用具や農具、年中行事に使う道具など800点余りである(吉備中央町による)。旧加茂葉たばこ取扱所は、昭和30年代の高度経済成長期を境に姿を消していった吉備高原の暮らしの道具を収める器になった。展示物と建物が同じ地域の農業の歴史につながっている点が、加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)の面白さである。

加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)の見学方法

加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)が開くのは土曜日・日曜日・祝日で、時間は午前10時から午後4時まで。12月28日から1月4日までは休館する。入館は無料である。平日は通常閉まっており、岡山観光WEBによれば団体に限って予約制で開館できる。平日の見学を希望する場合は、事前に吉備中央町へ問い合わせたい。撮影の可否について町の案内に記載はないので、館内で撮影したい場合はその場で確認するとよい。

資料館として使われ始めた年は資料によって異なる。岡山県と岡山観光WEBは平成6年(1994年)からとし、吉備中央町観光協会のサイトは平成2年(1990年)にこの建物へ移転したと記している。

車で訪れる場合、岡山自動車道の賀陽インターチェンジから約40分かかる。駐車場は普通車20台分と大型車3台分がある。公共交通では、岡山観光WEBの案内に従うと、JR岡山駅からバスで約55分の「きびプラザ」で円城・豊岡方面(右回り)のバスに乗り換え、「加茂川庁舎」で降りてすぐ。JR津山線の福渡駅からタクシーで約25分という方法もある。バスの経路や本数は変わることがあるので、出発前に確かめておきたい。所在地は文化庁の登録では下加茂1103-8、町の案内では下加茂1103-3と書かれている。

Q&A

Q加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)はいつ開いていますか?入館料はかかりますか?
A土曜日・日曜日・祝日の午前10時から午後4時までで、12月28日から1月4日は休館です。入館は無料です。平日は団体のみ予約制で開館できるとされています。
Q加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)はもともと何の建物ですか?
A明治29年(1896年)の葉煙草専売法の公布を受けて、翌明治30年(1897年)に建てられた葉たばこの取扱所です。周辺で収穫・乾燥された葉たばこがここに集められました。
Q加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)ではどんなものが展示されていますか?
A吉備中央町の人々から寄せられた生活用具、農具、年中行事の道具など800点余りです。建物の内部は天井を張らず、明治の小屋組をそのまま見ることができます。
Q加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)へはどう行けばよいですか?
A車なら岡山自動車道の賀陽インターチェンジから約40分で、駐車場があります。公共交通ではJR岡山駅からバスで「きびプラザ」へ行き、乗り換えて「加茂川庁舎」で下車します。JR福渡駅からタクシーで約25分の方法もあります。
Q加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成18年(2006年)3月27日に国の登録有形文化財に登録されました。登録番号は33-0113で、員数は1棟です。

基本情報

名称加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)
所在地岡山県加賀郡吉備中央町下加茂1103-8
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成18年(2006年)3月27日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積476平方メートル、桁行29メートル
所有者吉備中央町
公開状況公開(土曜日・日曜日・祝日の午前10時から午後4時まで、無料)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005505
文化遺産オンライン(文化庁):加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/185413
岡山県:加茂川歴史民俗資料館(旧加茂葉たばこ取扱所)(PDF)
https://www.pref.okayama.jp/uploaded/attachment/260987.pdf
吉備中央町:加茂川歴史民俗資料館(登録有形文化財)
https://www.town.kibichuo.lg.jp/site/kanko/37.html
吉備中央町観光ガイド:加茂川歴史民俗資料館
https://kibichuo-kanko.jp/spot/6373/
岡山観光WEB:吉備中央町加茂川歴史民俗資料館
https://www.okayama-kanko.jp/spot/detail_11931.html

最終更新日: 2026.10.02