上善寺鐘楼とはどんな建物か
上善寺鐘楼は、大阪府泉佐野市栄町の上善寺にある寛政9年(1797年)建立の鐘楼で、平成20年(2008年)7月8日に登録有形文化財(建造物)となった。登録番号は27-0504である。
鐘楼は、梵鐘を吊るして撞くための建物である。上善寺鐘楼は本堂の南方に建ち、棟を南北方向に通す。四方に壁を設けない吹放ちの造りで、柱と屋根だけで鐘を支える。
規模は桁行3.9メートル、梁間3.6メートル、面積は16平方メートルで、上善寺の登録建造物のなかで面積が記録された棟としては最も小さい。屋根は切妻造の本瓦葺である。泉佐野市の公式観光サイトによると、毎年大晦日から元日にかけて、ここで除夜の鐘が撞かれる。
四方転びの柱と彫物
上善寺鐘楼の登録基準は「造形の規範となっているもの」である。
土台は切石を積んだ基壇で、その上に円柱を四方転びに立てる。四方転びは、柱の上端を内側へわずかに傾けて立てる技法で、鐘の重さと揺れに対して踏ん張りが利く。柱どうしは貫と台輪で固め、柱の上には三斗組の組物をのせる。
妻は虹梁の上に大瓶束を立てる形式で、軒は垂木を二段に重ねた二軒の垂木とする。小さな建物ながら、社寺建築の正式な部材構成を省かずに備えている。
評価のもう一つの柱が彫物である。大瓶束の左右に付く笈形、柱から突き出した木鼻、組物のあいだの中備に、貘や獅子などの彫刻が配されている。文化庁の解説は、これらを良質な彫物と評している。
上善寺鐘楼の見どころ
少し離れた位置から、柱の傾きを確かめたい。4本の柱が上に向かってわずかにすぼまり、建物全体が台形の輪郭になっているのが分かる。
次に木鼻を見る。柱の頭から横へ突き出した部材の先端が、貘や獅子の頭部として彫り出されている。貘は長い鼻と小さな目を持つ霊獣で、獅子とは顔つきがはっきり違うので、見比べると面白い。
妻側にまわると、虹梁の弓なりの曲線と、その上の大瓶束、左右に広がる笈形の彫刻が一つの面をつくっている。寛政9年から200年以上を経た彫りの輪郭が、どこまで鮮明に残っているかにも目を向けたい。
上善寺鐘楼の見学方法
上善寺鐘楼は壁のない建物なので、上善寺の参拝時間内に境内から、四方どこからでも構造と彫刻を見ることができる。梵鐘を撞いてよいかどうかの案内は見当たらないため、勝手に撞かないようにしたい。
除夜の鐘の時間帯や参加の方法は年によって異なる可能性があるため、大晦日に訪れる場合は事前に寺に確かめたい。撮影の可否についても公式な案内は見当たらない。
境内への行き方と参拝時間は、上善寺のページにまとめてある。
Q&A
- 上善寺鐘楼はいつ建てられましたか?
- 寛政9年(1797年)に建てられました。平成20年(2008年)7月8日に登録有形文化財に登録されています。
- 上善寺鐘楼の彫刻には何が彫られていますか?
- 笈形や木鼻、組物のあいだの中備に、貘や獅子などの彫刻が配されています。文化庁の解説は良質な彫物と評しています。
- 上善寺鐘楼で除夜の鐘は撞かれますか?
- 泉佐野市の公式観光サイトによると、毎年大晦日から元日にかけて除夜の鐘が撞かれます。時間や参加の方法は事前に寺に確かめてください。
- 上善寺鐘楼の構造の特徴は何ですか?
- 切石積の基壇の上に円柱を四方転びに立てた吹放ちの鐘楼で、屋根は切妻造の本瓦葺です。貫と台輪で柱を固め、三斗組の組物をのせています。
- 上善寺鐘楼の大きさはどのくらいですか?
- 桁行3.9メートル、梁間3.6メートルで、面積は16平方メートルです。
基本情報
| 名称 | 上善寺鐘楼 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府泉佐野市栄町4695-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 平成20年(2008年)7月8日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 桁行3.9メートル、梁間3.6メートル、面積16平方メートル(木造、瓦葺) |
| 所有者 | 宗教法人上善寺 |
| 公開状況 | 参拝時間内に境内から見学可(吹放ちのため四方から見られる) |
参考文献
- 文化庁 国指定文化財等データベース 上善寺鐘楼
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007275
- 文化遺産オンライン 上善寺鐘楼
- https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/120347
- 泉佐野市公式観光サイト ここ旅泉佐野 白道山 上善寺
- https://visitizumisanojpn.com/jozenji/
最終更新日: 2026.09.26