藤田家住宅表門とは
藤田家住宅表門は、島根県江津市江津町328にある江戸末期の木造の門で、平成21年(2009年)1月8日に国の登録有形文化財に登録された。形式は間口1.7メートルの一間棟門で、読みは「ふじたけじゅうたくおもてもん」。文化庁データベースの西暦欄は1830〜1867年とする。
藤田家住宅表門は、主屋の座敷部の前庭の前に立ち、本町通りに面している。通りから座敷へ通る客を迎える入口にあたり、左右に続く塀と一体になって屋敷の正面を形づくる。
棟門の組み立て
棟門は2本の柱の上に切妻の屋根を架けた門である。藤田家住宅表門は、土台の上に角柱を立て、柱の上端を冠木で結ぶ。その上に女梁と男梁の2段の横材を重ね、束を立てて棟木を支える。
軒は垂木を上下2段に重ねた二軒で、垂木の間隔を詰めて並べる繁垂木とする。屋根は切妻造の桟瓦葺。間口1.7メートルという小さな門に、格式の高い軒の形式が用いられている。
雲と絵様の細部
藤田家住宅表門の見どころは、横材と妻の彫刻にある。下段の女梁は、雲をかたどった肘木に似せた雲肘木風の輪郭をもつ。上段の男梁には絵様、すなわち線彫りで表した装飾の文様が刻まれている。
屋根の妻側にも手が入る。棟の端の下に垂れる降懸魚と、その両脇に付く鰭(ひれ)に、雲の文様を彫っている。正面の女梁と男梁、妻の懸魚と鰭と、門の大きさに比べて装飾の密度が高い。
藤田家住宅表門が登録された理由
藤田家住宅表門は、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」という基準で登録された。本町通りに直接面し、総延長26メートルの塀と連なって屋敷の表を構える。座敷前庭の前という位置から見て、通りに向けた屋敷の構えのうち、客を迎える側の顔をこの門が受け持っていると読める。
藤田家住宅の8件のうち、年代を江戸末期とするのは表門と塀の2件である。屋根の記載も、主屋や蔵、塀が石州赤瓦葺とされるなかで、藤田家住宅表門だけが桟瓦葺と書かれている。
藤田家住宅表門の見学
藤田家住宅表門は本町通りに面しており、通りから正面を見ることができる。ただし個人の住宅の門であり、門をくぐって前庭に入ることはできない。
雲肘木風の女梁と絵様の男梁は、門の正面に立って見上げると確かめやすい。妻の懸魚と鰭は、通りを少し移動して斜め横から見るとよい。写真は公道上から撮り、通行の妨げにならないよう気をつけたい。
Q&A
- 藤田家住宅表門はいつ頃のものですか?
- 江戸末期です。文化庁データベースの西暦欄は1830〜1867年で、平成21年(2009年)1月8日に国の登録有形文化財に登録されました。
- 藤田家住宅表門はどんな形式の門ですか?
- 間口1.7メートルの一間棟門です。角柱の上を冠木で結び、女梁・男梁と束で棟木を支え、切妻造桟瓦葺の屋根を架けています。
- 藤田家住宅表門で注目すべき装飾はどこですか?
- 雲肘木風の女梁、絵様を彫った男梁、妻の雲文様の鰭と降懸魚です。
- 藤田家住宅表門は見学できますか?
- 本町通りから正面を見ることができます。個人の住宅の門なので、門の内側には入れません。
- 藤田家住宅表門は屋敷のどこにありますか?
- 主屋の座敷部の前庭の前で、本町通りに面して立っています。左右には塀が続いています。
基本情報
| 名称 | 藤田家住宅表門(ふじたけじゅうたくおもてもん) |
|---|---|
| 所在地 | 島根県江津市江津町328 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) |
| 指定年 | 2009年登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 間口1.7メートル |
| 所有者 | 個人(文化庁データベースに所有者名の記載なし) |
| 公開状況 | 非公開(外観は本町通りから見学可) |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)藤田家住宅表門
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00007542
- 国指定文化財等データベース(文化庁)藤田家住宅塀
- https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00007543
- 天領江津本町甍街道(江津市)
- https://www.city.gotsu.lg.jp/soshiki/4/4657.html
最終更新日: 2026.09.29