中村家住宅旧郷蔵とは

中村家住宅旧郷蔵は、島根県江津市桜江町大貫にある弘化4年(1847年)建築の土蔵造2階建の蔵で、平成21年(2009年)1月8日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「なかむらけじゅうたくきゅうごうぐら」。昭和中期に改修されており、建築面積は27平方メートルである。

中村家住宅旧郷蔵は、もともと中村家の蔵ではない。文化庁の解説によれば、飢饉などに備えて籾を蓄えておく旧大貫村の郷蔵だった。村の共同の備蓄庫が、庄屋の屋敷の一角に置かれていたことになる。

屋敷の東南隅に建つ蔵

中村家住宅旧郷蔵は屋敷地の東南の隅に位置する。主屋の東南には納戸蔵・米雑蔵と蔵が続き、その並びのいちばん奥にあたる。

規模は桁行6.9メートル、梁間3.9メートルで、中村家住宅の4棟の蔵のなかで最も小さい。屋根は棟を東西に通した切妻造で、石州瓦の赤瓦で葺き、北の面に庇を設けている。

村の郷蔵が庄屋の屋敷にある理由

郷蔵は、村が共同で管理した蔵である。凶作や飢饉に備えて、ふだんから籾を蓄えておく役目を担った。籾は殻のついた状態の米で、玄米や白米よりも長く保存できる。

その郷蔵が庄屋の屋敷内にあるのは、村の運営を任された庄屋が備蓄の管理にも責任を負っていたためと考えられる。ただし、中村家住宅旧郷蔵がいつから屋敷の一角にあったのか、建てられた当初からこの場所だったのかは、公開されている資料からは分からない。

いずれにしても、中村家住宅旧郷蔵は一つの家の財産を超えて、大貫村という共同体の暮らしを支えた建物である。文化庁の解説も、地域の歴史を伝える遺構と位置づけている。

中村家住宅旧郷蔵の年代と価値

中村家住宅旧郷蔵の弘化4年(1847年)という年は、中村家住宅の7件のなかで建築の年まで分かっている最も古いものである。天保年間(1830〜1844年)に各地を襲った大飢饉から、およそ10年のちに建てられた蔵ということになる。

中村家住宅旧郷蔵は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」という基準で登録有形文化財となった。昭和中期に改修を受けながら、明治15年(1882年)に建て直された主屋よりも古い姿を屋敷のなかに残している。

中村家住宅旧郷蔵の見学

中村家住宅旧郷蔵は個人の住宅の敷地内、屋敷地の東南隅にあり、2026年9月の時点で公開の公式な案内は確認できなかった。内部は公開の機会がない限り見ることはできない。

屋敷の南側は石垣が高くなる側で、蔵は石垣の内側に建つ。敷地に立ち入らず、外からのぞき込まないよう配慮したい。屋敷への行き方は中村家住宅(江津市)のページにまとめてある。

Q&A

Q中村家住宅旧郷蔵はいつ建てられましたか?
A弘化4年(1847年)の建築で、昭和中期に改修されています。中村家住宅の7件のなかで建築年まで分かっている最も古い建物です。
Q中村家住宅旧郷蔵の「郷蔵」とは何ですか?
A村が共同で管理した蔵です。中村家住宅旧郷蔵は、飢饉などに備えて籾を蓄えた旧大貫村の郷蔵でした。
Qなぜ中村家住宅旧郷蔵は庄屋の屋敷にあるのですか?
A村の運営を担った庄屋が備蓄の管理にも関わっていたためと考えられますが、いつからこの場所にあったのかは公開資料からは分かりません。
Q中村家住宅旧郷蔵の大きさはどれくらいですか?
A桁行6.9メートル、梁間3.9メートル、建築面積27平方メートルの土蔵造2階建で、中村家住宅の蔵のなかで最も小さい蔵です。
Q中村家住宅旧郷蔵は見学できますか?
A個人の住宅の敷地内、屋敷の東南隅にあり、公開の公式な案内は確認できませんでした。敷地には立ち入らないでください。

基本情報

名称中村家住宅旧郷蔵(なかむらけじゅうたくきゅうごうぐら)
所在地島根県江津市桜江町大貫378-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成21年(2009年)登録
員数1棟
寸法桁行6.9m・梁間3.9m、建築面積27㎡(土蔵造2階建、瓦葺)
所有者非公表
公開状況公開情報なし(個人住宅の敷地内)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)中村家住宅旧郷蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007550
文化遺産オンライン 中村家住宅旧郷蔵
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/172852
島根県 登録有形文化財(建造物)一覧
https://www.pref.shimane.lg.jp/life/bunka/bunkazai/shimane/tourokubunkazai2.html

最終更新日: 2026.09.29