敷地の南東隅に立つ土蔵

森田家住宅前の蔵は、東京都あきる野市小川にある嘉永5年(1852年)頃建築の土蔵で、昭和58年(1983年)に移築され、平成25年(2013年)12月24日に国の登録有形文化財となった。登録番号は13-0315である。

森田家住宅前の蔵は、屋敷の南東の隅、小川交差点に近い角に建つ。土蔵造2階建、切妻造で、桁行7.3メートル、梁間5.4メートル、建築面積は40平方メートル。屋根は置屋根式の鉄板葺で、西の妻側に戸口を開く。

文化庁のデータベースは、建築年代を嘉永5年頃、昭和58年に移築と記録している。どこから移されたのかは公開資料では確かめられなかったが、少なくとも現在の位置での姿は40年余りのものであり、それでも屋敷の表構えの一部として登録された。

登録の理由 ― 見世蔵と並ぶ表構え

文化庁の解説は、森田家住宅前の蔵を「見世蔵とともに風格ある屋敷構えを構成する」建物と位置づけている。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。単体の造形よりも、通りから見たときの屋敷の顔をつくっている点が評価の軸にある。

名前のとおり、屋敷の「前」、つまり道路側に置かれた蔵である。交差点の角に土蔵が建ち、そこから西へ見世蔵、門、板塀と続く並びは、この蔵が角を押さえることで締まって見える。

見どころ ― 南面の鳥居枠の窓

森田家住宅前の蔵でいちばん目を引くのは、道路側の南面に上下2段で並ぶ窓である。窓のまわりを鳥居の形に似た枠で囲み、それぞれに土の扉を備える。火事のときに窓を閉じれば、壁と同じ厚みで開口をふさげる仕組みである。

外壁はモルタルの吹付けで仕上げ、腰は洗い出しにしている。同じく腰を洗い出しとする見世蔵と並べて見ると、近代の材料で塗り直された前の蔵と、漆喰の伝統的な壁が混在する屋敷全体の時間の重なりが読み取れる。

見学方法

森田家住宅前の蔵は屋敷の角にあり、外観は睦橋通りの歩道からよく見える。鳥居枠の窓が並ぶ南面は、通りの向かい側まで下がると上下2段の配置がつかみやすい。内部は公開されていない。

撮影についての決まった案内はないが、通りからの撮影に支障はない。車の往来が多い交差点なので、歩道から離れずに見学したい。屋敷への行き方は森田家住宅のページにまとめてある。

Q&A

Q森田家住宅前の蔵の中は見学できますか?
A内部は公開されていません。外観は屋敷の南東の角にあたる睦橋通りの歩道から見ることができます。
Q森田家住宅前の蔵はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースでは嘉永5年(1852年)頃の建築で、昭和58年(1983年)に移築されたと記録されています。
Q森田家住宅前の蔵の窓にはどんな特徴がありますか?
A道路側の南面に、鳥居の形に似た枠をめぐらせた窓が上下2段で並び、それぞれに土の扉が付いています。
Q森田家住宅前の蔵の大きさは?
A桁行7.3メートル、梁間5.4メートルの土蔵造2階建で、建築面積は40平方メートルです。
Q森田家住宅前の蔵はいつ登録有形文化財になりましたか?
A平成25年(2013年)12月24日に登録されました。登録番号は13-0315です。

基本情報

名称森田家住宅前の蔵(もりたけじゅうたくまえのくら)
所在地東京都あきる野市小川字小仲633-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成25年(2013年)12月24日登録(登録番号13-0315)
員数1棟
寸法土蔵造2階建、桁行7.3メートル・梁間5.4メートル、建築面積40平方メートル
所有者非公表(文化庁データベースに記載なし)
公開状況内部非公開。外観は通りから見学可

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)― 森田家住宅前の蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00009730
甘味茶房 見世蔵久森 ― 文化財
https://www.hisamori.biz/pages/10/
あきる野市 ― あきる野市内の指定文化財・登録有形文化財一覧
https://www.city.akiruno.tokyo.jp/kanko/0000001910.html

最終更新日: 2026.09.25