大正13年の移転遷座で新築された門

長田神社中門は、鳥取県鳥取市東町一丁目の長田神社で本殿を囲む透塀の正面中央に建つ門で、大正13年(1924年)の移転遷座に合わせて新築され、平成30年(2018年)11月2日に国の登録有形文化財に登録された。切妻造・銅板葺で、妻側を正面にした妻入の門である。間口は2.4メートルある。

位置は幣拝殿のすぐ背後にあたる。鳥取県は、本殿の正面に幣拝殿を置き、両者を中門で結んだ構成を長田神社の社殿配置の要点に挙げている。中門は、本殿と幣拝殿のあいだをつなぐ継ぎ目の役を担っている。

「制限図式」の影響をとどめる神社建築

長田神社中門の登録番号は31-0248で、登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、この門に明治時代の「制限図式」の影響が見られると指摘している。制限図式は、明治時代に国が官国幣社などの社殿について示した標準的な形式で、以後、各地の神社の造営に広く影響を与えた。

大正の移転事業では、奈良県で社寺建築を担当していた技師の坂谷良之進が設計と監理を任されたと神社は伝える。近世の本殿と幣拝殿を移すと同時に、その間をつなぐ中門は当時の標準に沿った形で新しく設計された。江戸の社殿と近代の規範が、この小さな門で接している。

構造は、礎盤の上に立てた4本の丸柱を貫と長押で固め、柱間の中央に蟇股を据え、舟肘木で梁と桁を受ける。内部の天井は格天井。妻飾は豕叉首で、軒は一軒とし、屋根にはゆるやかな起りをつけている。

長田神社中門の見どころ

長田神社中門で最初に見たいのは屋根の曲線である。起り屋根は棟から軒へ向かってわずかにふくらむ形で、反り返る唐破風とは逆の表情になる。側面から見ると、そのふくらみがはっきり分かる。

妻側では、豕叉首の三角形の組み方が見える。叉首を合掌に組んで棟木を支える簡素な妻飾で、装飾を抑えた門の性格とよく合う。柱間中央の蟇股は数少ない彫刻的な部材なので、見逃さないようにしたい。

神社の説明では、門には両開きの格子板戸が入り、透塀と一体になっている。透塀の連子と門の格子が同じ面に並ぶことで、本殿の前面が1枚の格子の帯として閉じられる。

長田神社中門の見学方法

長田神社中門は幣拝殿の背後にあり、幣拝殿の正面からは建物にさえぎられて見えにくい。透塀の外を回り込むと、側面から門の屋根と柱を確かめられる。門を通って透塀の内側へ入ることはできず、鳥取県の案内でも内部は非公開である。

撮影は一般的な参拝の記念撮影の範囲で認められている。祈祷や挙式の最中は神職の指示に従う必要がある。境内への行き方と参拝の条件は長田神社のページにまとめてある。

Q&A

Q長田神社中門はどこにありますか?
A本殿を囲む透塀の正面中央、幣拝殿のすぐ後ろにあります。本殿と幣拝殿をつなぐ位置です。
Q長田神社中門はいつ建てられましたか?
A大正13年(1924年)、神社が現在地へ移転したときに新築されました。本殿や幣拝殿のような移築ではありません。
Q長田神社中門の「制限図式の影響」とは何ですか?
A明治時代に国が神社の社殿について示した標準的な形式の影響を受けている、という文化庁の評価です。丸柱を貫と長押で固め、蟇股と舟肘木で梁桁を受ける簡明な構成にそれが表れています。
Q長田神社中門をくぐって本殿に近づけますか?
Aできません。中門の内側は透塀で囲まれた本殿の区域で、非公開です。
Q長田神社中門はどこから見ると分かりやすいですか?
A幣拝殿の正面からは見えにくいので、透塀の外を回り込んで側面から見るのがよいでしょう。起り屋根のふくらみも側面からよく分かります。

基本情報

名称長田神社中門(ながたじんじゃちゅうもん)
所在地鳥取県鳥取市東町1丁目101
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号31-0248
指定年平成30年(2018年)11月2日登録
員数1棟
寸法木造、銅板葺、間口2.4メートル
所有者宗教法人長田神社
公開状況透塀の外から外観のみ見学可(内側は非公開)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):長田神社中門
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012614
とっとり文化財ナビ(鳥取県):長田神社 本殿、幣拝殿、中門、透塀、神饌所(仮殿)、神門、祈祷殿、手水舎
https://db.pref.tottori.jp/bunkazainavi.nsf/bunkazai_web_view/F53F5C5816EFF4684925837F00276C48?OpenDocument
長田神社:由緒書き
https://nagatajinja.com/history
長田神社:よくある質問
https://nagatajinja.com/faq

最終更新日: 2026.09.29