山梨県の登録有形文化財
山梨県 · 登録有形文化財
身延山久遠寺思親閣仁王門は標高1,153メートルの身延山頂、奥之院思親閣に建つ昭和10年の三間一戸八脚門。切妻造瓦棒銅板葺で、両端の間の後方に壇を設けて仁王像を安置し、出組に蟇股と支輪、妻に二重虹梁を飾る。
身延山久遠寺常唱殿は西谷の祖廟域の入口に南面して建つ昭和33年の殿堂。入母屋造檜皮葺で向唐破風の式台玄関を構え、45畳の広間は祖廟塔に正対する西面を全面ガラス窓とする。祖廟域を守る御廟法務所の事務所が置かれる。
身延山久遠寺新書院は大客殿東側の人工地盤上に建つ昭和6年の書院。東西棟の入母屋造桟瓦葺で、妻飾は木連格子、側廻りは舟肘木とする。内部は24畳間を3室並べて四周に畳縁と縁を廻し、東西の室に座敷飾を備え、各室に高い格天井を張る。
身延山久遠寺水行堂は西谷の三昧堂の南西に建つ昭和27年の堂で、苦修練行の一つである水行の場。桁行5.7メートルの切妻造桟瓦葺の吹放ちで水盤を据え、几帳面取の角柱や出組の詰組、軒支輪など丁寧なつくりを見せる。
身延山久遠寺瑞門は西谷の高台で三昧堂の南東方を区切る昭和28年の門。1間1戸の薬医門で、切妻造桟瓦葺の屋根の左右に袖塀を延ばす。台輪上の大斗と舟肘木で軒桁を受け、柱から組物まで木太くつくり、三昧堂の表構えを重厚に固める。
身延山久遠寺総門茶屋は総門の内側の参道に西面して建つ明治27年の茶屋。入母屋造桟瓦葺で正面に下屋を設け、入口回りの土間を吹放し、内部は和室を二列に並べる。広大な境内の入口で参詣者を接待した施設で、日蓮宗寺院の茶所として希少。
身延山久遠寺祖師堂及び御供所は、本堂の東に南面する明治14年の祖師堂と御供所からなる。日蓮聖人の神霊をまつる棲神閣で、撞木造の平面に二手先組物と軒唐破風を備える。毎月13日の法要や、大宮殿の扉を開くお開帳が営まれる。
身延山久遠寺祖師堂前香炉屋は祖師堂の正面に建つ明治12年の香炉の覆屋。方1間の宝形造銅板葺で、禅宗様の二手先組物と二軒扇垂木を備える。花頭枠風に湾曲させた貫、獅子鼻、中備の龍、鏡天井の躍動的な龍彫刻など、小舎ながら細部が緻密である。
身延山久遠寺祖廟域水屋は祖廟拝殿の手前に建つ昭和19年の水屋。1間四方の切妻造檜皮葺で、柱から垂木まで太い丸太で組み、自然石をくり抜いた水盤に身延川の清水を引く。意匠を拝殿とそろえ、祖廟前の景観を一体につくる。
身延山久遠寺祖廟塔は西谷に建つ日蓮聖人の墓の塔で、昭和17年の建築。八角形平面の塔身を大理石張りとし頂に相輪を戴く高さ12メートルの廟塔で、内部に創建当初の五輪塔を納める。構造は文化庁記録で石造と鉄筋コンクリート造の両記載がある。
身延山久遠寺祖廟拝殿は日蓮聖人の墓である祖廟塔の正面に建つ昭和17年の拝殿。切妻造檜皮葺に千鳥破風を飾り、軸部から軒まで丸太で組む。床は平石敷の立礼式で、頭上には昭和天皇から賜った「立正」の勅額を掲げる。
身延山久遠寺大客殿は仏殿納牌堂の東に西面する明治19年の長大な客殿。入母屋造平入で、正面中央に向唐破風の式台付大玄関、東端に入母屋の小玄関を構える。内部は20畳の上段を含む畳敷の広間5室で、総本山の接客にふさわしい格式を備える。
身延山久遠寺太子堂は三門の北西方に東面して建つ大正元年の堂。方三間宝形造の土蔵造で、三段の布石と腰石の上を漆喰で軒先まで塗り籠め、正面に起り屋根の向拝を付ける。内陣に仏壇、外陣に格天井を備え、太子信仰の様相を伝える。
身延山久遠寺大鐘楼は祖師堂の前方に建つ明治15年の鐘楼で、昭和14年に改修された。方三間の吹放ちで、切石積基壇に太い円柱を立て、入母屋造本瓦葺の屋根を三手先詰組で支える。中央間の虹梁と大瓶束、丸彫や籠彫の彫刻が見どころ。
身延山久遠寺仏殿納牌堂は昭和6年の仏堂。南面する桁行7間の入母屋造の仏殿の東西に、宝形造二重屋根の納牌堂が連なる。内部は建登せ柱や虹梁を多用する。仏殿では正午と午後3時にお勤めが営まれ、誰でも参列できる。
身延山久遠寺法喜堂は大客殿の南方に西面する明治16年の堂。桁行10間梁間9間の入母屋造妻入で、正面側の土間に大黒柱や巨木の梁を用いた重厚な架構を見せる。出入口両側に連続する花頭窓や、妻飾の二重虹梁間に並ぶ大瓶束に近代の意匠がうかがえる。
身延山久遠寺発軫閣は総門の内側、参道に直交する石段の上に建つ元文4年の堂で、登録27棟のうち最も古い。入母屋造妻入で向拝と左右の張出しを持つ。内陣の鏡天井に飛天を描き、外陣の格天井の格間に龍を陽刻するなど装飾が豊かである。
身延山久遠寺本地堂は本坊域の背後に南面して建つ嘉永5年の堂で、平成24年に改修された。方形の楼造で、擬宝珠高欄付の縁を三手先で受け、上層は尾垂木付三手先と二軒繁垂木で深い軒をつくる。宝形造の屋根の頂に宝珠を載せる。
村松家住宅厠は山梨県南アルプス市桃園にある明治時代初期の木造平屋の外便所で、登録有形文化財。屋敷の西にあった酒造場の蔵人や店の客のためのものとされ、切妻造桟瓦葺で腰を簓子下見とする丁寧な造作を見せる。
村松家住宅主屋は山梨県南アルプス市桃園にある慶応元年(1865年)の旧家の主屋で、登録有形文化財。棟札に棟梁の名が残り、3列9室の間取りと、商家蔵の建設に伴う曳家の際の改装とされる2階のアーチ形の枠取りが見どころ。