三宅家住宅主屋とは

三宅家住宅主屋(みやけけじゅうたくしゅおく)は、広島県安芸郡海田町稲荷町にある江戸時代後期(1751年から1830年)の商家の主屋で、平成29年(2017年)5月2日に登録有形文化財となった。明治中期(1883年から1897年)に改修を受けており、建築面積は125平方メートルある。

旧山陽道(西国街道)の南側に建ち、北の街道へ妻を向ける。屋根は切妻造の桟瓦葺で、妻側に出入口を設ける妻入の形をとる。2階は天井の低いつし二階である。広島県の歴史・文化ポータルは、街道に面して店を設けた商家建築として三宅家住宅主屋を紹介している。

海田町の文化財紹介によれば、建築年代は形式や手法から江戸時代後期と推定されたものである。棟札などの記録によって年が確定しているわけではない。

登録の理由と価値

三宅家住宅主屋の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、正面の構えを具体的に挙げたうえで、街道沿いの歴史的な景観をつくる建物として評価している。

海田は近世、西国街道の宿場町として栄え、街道の両側には商家が並んだ。海田町は三宅家住宅を、旧千葉家住宅とともに海田に残る数少ない近世の町家遺構としている。当時の町家が数えるほどしか残らないなかで、三宅家住宅主屋は街道に向けた商家の顔を保っている。

評価は主屋単独で下されたものではない。広島県の紹介は、裏長屋門や土蔵群とともに当時の商家の屋敷構えをよく残している点を登録の理由に挙げる。街道側の店と、背後に続く蔵や門がそろっていることに意味がある。

見どころ

柱と梁の線を残した塗籠の正面

三宅家住宅主屋でまず目を向けたいのは、つし二階の正面である。壁を土で厚く塗り込めた塗籠(塗屋造)でありながら、塗りの表面に柱と梁の形を浮かび上がらせている。広島県はこれを柱や梁の形を造り出した仕上げと説明し、特徴の一つに挙げている。

塗籠の壁は平らに仕上げてしまうことも多い。あえて軸組の線を見せた正面からは、街道を行く人の目を意識した店構えが読み取れる。

奥行1間の下屋庇

正面には奥行1間の大きな下屋庇が張り出す。1階の店先を深く覆う庇で、通りから軒下へ人を迎え入れるつくりになっている。上の塗籠の壁と、その下に張り出す庇とで、三宅家住宅主屋の正面は上下2段に分かれて見える。

通り土間と一列四室の間取り

内部は非公開だが、間取りは文化庁の解説から分かる。東側に表から奥まで抜ける通り土間があり、その西に表側からミセ・ゲンカン・ナカノマ・ザシキの4室が一列に並ぶ。街道に近いほど商いの場、奥へ進むほど家族と客のための場になる、町家の基本的な並びである。

表の間を「ミセ」と呼ぶことからも、この家が街道に店を開いていたことが分かる。

見学

三宅家住宅主屋は個人の住宅で、内部は公開されていない(2026年9月27日確認)。一方で正面は旧西国街道に面しており、つし二階の塗籠と下屋庇は道から見ることができる。6棟のうち、外から全体の構えをもっとも読み取りやすい建物である。

2階の柱と梁の線は、建物に近づくより、道の反対側から少し離れて見上げたほうが分かりやすい。撮影についての案内は見当たらないが、店先や窓の内側に向けてカメラを構えることは控えたい。東隣には分家の建物が接しており、その一部は江戸時代末期に本家の店舗棟として建てられたと海田町は説明している。三宅家住宅主屋と並べて眺めると、街道沿いの店の連なりがつかみやすい。

Q&A

Q三宅家住宅主屋はいつ建てられましたか。
A形式や手法から江戸時代後期(1751年から1830年)の建築と推定されています。明治中期(1883年から1897年)に改修を受けています。
Q三宅家住宅主屋の正面にはどんな特徴がありますか。
Aつし二階の正面を塗籠とし、塗りの表面に柱と梁の形を浮かび上がらせています。1階の前には奥行1間の大きな下屋庇が付きます。
Q三宅家住宅主屋の間取りはどうなっていますか。
A東側に通り土間を通し、その西に表側からミセ・ゲンカン・ナカノマ・ザシキの4室が一列に並びます。
Q三宅家住宅主屋の三宅家の屋号は何ですか。
A屋号は「新宅屋」です。広島県の紹介では、農業を基盤としながら金融業などを営んだ家とされています。
Q三宅家住宅主屋は見学できますか。
A内部は非公開です。正面は旧西国街道に面しているため、道から外観を見ることができます。

基本データ

名称三宅家住宅主屋(みやけけじゅうたくしゅおく)
所在地広島県安芸郡海田町稲荷町184
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号 34-0207
指定年平成29年(2017年)5月2日登録
員数1棟
寸法木造2階建、瓦葺、建築面積125平方メートル
所有者個人
公開状況非公開(外観は旧西国街道から)

参考文献

国指定文化財等データベース 三宅家住宅主屋(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00011557
文化遺産オンライン 三宅家住宅主屋
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/274812
三宅家住宅主屋(江戸の世のひろしま探訪、広島県)
https://hiroshima-history.com/spot/miyakeke/
文化財(近世)(海田町)
https://www.town.kaita.lg.jp/site/kaita-info/698.html
三宅家住宅が国登録有形文化財(建造物)へ(広報かいた 2017年1月号、海田町)
https://www.town.kaita.lg.jp/img/koenokouhou/201701/02.html

最終更新日: 2026.09.26