勅使門の左右に折れ曲がる塀

善通寺誕生院太鼓塀は、香川県善通寺市善通寺町にある木造瓦葺の塀で、昭和11年(1936年)に築かれ、平成22年(2010年)に登録有形文化財に登録された。

勅使門の南北に延びる。北へ向かえば番所に、南へ向かえば通用口に至り、途中で向きを変えながら総延長61メートルを測る。

基礎の据え方が場所によって違う。極楽堀に接する部分は堀の護岸石積の上にそのまま立ち、それ以外は切石の基礎を築いてその上に載る。高さも一様ではなく、勅使門の袖にあたる部分が2.7メートル、それ以外は2.3メートルである。門に近いほど高くなる構成が、善通寺誕生院太鼓塀の性格を示している。

五線の定規筋

善通寺誕生院太鼓塀の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」、登録番号は37-0353である。

屋根は本瓦葺。壁面には水平の線を五本引く定規筋が入る。文化庁の解説はこの五線から格式が窺われると述べており、装飾というより格を示す記号として扱われていることが分かる。塀という付属的な構造物に対して、寺がどの程度の扱いを与えていたかがここに表れている。

誕生院の19件には門・堂だけでなく塀・橋・石積が含まれる。この塀は勅使門、番所、勅使橋、極楽堀石積と一続きの構えをつくる部材であり、単体で見るより、堀端から門までの一帯をひとまとまりとして眺めたときに意味が分かる。

高さの変わる位置を探す

堀端の歩道を南北に歩きながら、塀の天端を目で追ってみたい。勅使門の袖の部分で一段高くなり、そこから離れると低くなる。数字にすれば40センチメートルの差だが、瓦の列がずれるため意外にはっきり見える。

足元も見どころである。極楽堀に沿う区間では、塀の下端がそのまま護岸の石積に連なる。石と漆喰と瓦が縦に積み重なる断面が、善通寺誕生院太鼓塀のもっとも分かりやすい表情になる。定規筋の五本は、光の角度が浅い朝夕に影が出て読み取りやすい。

見学の条件

善通寺誕生院太鼓塀は境内の東側、公道に面して立つ。門が閉まっていても外側から全長を見通せるため、時間を選ばずに見学できる。

塀そのものに内部はなく、拝観の受付も料金も関係しない。総本山善通寺で有料になるのは戒壇めぐりと宝物館だけである。撮影について個別の掲示はないので、公道側からの撮影であれば問題は生じにくい。塀に手をかけたり、瓦に触れたりすることは避けたい。

Q&A

Q善通寺誕生院太鼓塀の長さはどれくらいですか?
A折れ曲がりを含めた総延長で61メートルです。勅使門の南北に延び、北は番所、南は通用口に至ります。
Q善通寺誕生院太鼓塀の高さは一定ですか?
A一定ではありません。勅使門の袖の部分が2.7メートル、それ以外は2.3メートルです。
Q善通寺誕生院太鼓塀の定規筋とは何ですか?
A壁面に引かれた水平の線です。この塀では五本引かれ、文化庁の解説はそこに格式が窺われるとしています。
Q善通寺誕生院太鼓塀はどこから見られますか?
A境内東側の公道側から全長を見通せます。拝観の受付を通る必要はありません。
Q善通寺誕生院太鼓塀はいつ築かれましたか?
A昭和11年(1936年)です。勅使門や勅使橋、番所と同じ年にあたります。

基本情報

名称善通寺誕生院太鼓塀
所在地香川県善通寺市善通寺町3-615他
指定区分登録有形文化財
指定年平成22年(2010年)登録
員数1棟
寸法木造、瓦葺、延長61メートル
所有者宗教法人善通寺
公開状況公道側から常時見学可

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース 善通寺誕生院太鼓塀
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008185
文化庁 国指定文化財等データベース 善通寺誕生院勅使門
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00008184
総本山善通寺 境内の見どころ
https://zentsuji.com/keidai/

最終更新日: 2026.09.14