祭神が遷る御旅所の社殿

今宮神社御旅所権殿社は、京都市上京区の今宮神社御旅所で敷地の北東寄りに南を向いて建つ寛政7年(1795年)の社殿で、平成30年(2018年)3月27日に国の登録有形文化財に登録された。今宮祭の神幸祭で神輿に乗って本社を出た祭神は、御旅所に着くと神輿からこの権殿社へ遷る。

京都市の資料によれば、御旅所は元禄年間に祭礼が再興された際、近世の洛中の最北端にあたる西陣のこの地へ移された。天明8年(1788年)の大火で建物を失い、今宮神社御旅所権殿社は能舞台とともに寛政7年に再建された。文化庁の解説も、旧洛中の最北に位置し、祭礼で重要な役割を担う社殿と位置づけている。

三間社入母屋造の整った細部

形式は三間社入母屋造で、正面に一間の向拝を付け、屋根は金属板葺。正面と両側面に切目縁を廻らす。建築面積は8.9平方メートル。

組物は三斗で、柱間の中備に蟇股を置く。文化庁の解説は、細部の意匠がよく整っていると評価する。前面には昭和20年(1945年)の神輿奉安殿が建ち、権殿社はその奥に控える配置になっている。

本社の境内から南東へ約1キロ離れた御旅所に、祭のときだけ神々が滞在する。今宮神社御旅所権殿社は、その滞在のための社殿である。

見どころと見学

今宮神社御旅所権殿社は神輿奉安殿の奥に建ち、内部は公開されていない。向拝の蟇股と三斗は、奉安殿の脇から見ると確かめやすい。

御旅所が神々を迎えるのは今宮祭の期間で、このときは神輿が奉安され、参拝者が訪れる。平時に敷地へ入れるかについては公式の案内が見当たらないので、祭礼期間以外に訪れるなら今宮神社(075-491-0082)に確かめたい。行き方は今宮神社のページにまとめてある。

Q&A

Q今宮神社御旅所権殿社はいつ建てられましたか。
A寛政7年(1795年)です。天明8年(1788年)の大火の後に再建されました。
Q今宮神社御旅所権殿社はどんな役割の社殿ですか。
A今宮祭の際、神輿で御旅所に着いた祭神が遷座する社殿です。
Q今宮神社御旅所権殿社はどこにありますか。
A京都市上京区の今宮神社御旅所で、敷地の北東寄り、神輿奉安殿の奥に南を向いて建っています。
Q今宮神社御旅所権殿社の形式は何ですか。
A三間社入母屋造の一間向拝付きで、三斗と蟇股を備えています。
Q今宮神社御旅所権殿社は見学できますか。
A今宮祭の期間は参拝できます。平時の公開については今宮神社に確認するのが確実です。

基本データ

名称今宮神社御旅所権殿社(いまみやじんじゃおたびしょごんでんしゃ)
所在地京都府京都市上京区大宮頭今宮御旅所前西入若宮横町136
指定区分国登録有形文化財(建造物) 登録番号26-558
指定年平成30年(2018年)3月27日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、三間社入母屋造金属板葺、一間向拝付、建築面積8.9平方メートル
所有者宗教法人今宮神社
公開状況今宮祭の期間は参拝可。平時の敷地の公開状況は今宮神社に要確認。内部は非公開

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)— 今宮神社御旅所権殿社
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00012210
文化庁 — 平成29年11月17日 登録有形文化財(建造物)の登録について(答申資料)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/r1392281_21.pdf
京都市 — 今宮神社御旅所(歴史的風致の紹介)
https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000305/305675/a24otabisho.pdf

最終更新日: 2026.10.01