旧平林家住宅(一星亭)南土蔵とは

旧平林家住宅(一星亭)南土蔵(きゅうひらばやしけじゅうたく いちぼしてい みなみどぞう)は、長野県東筑摩郡生坂村の平林家の屋敷に建つ安政6年(1859年)の土蔵造2階建の蔵で、令和元年(2019年)12月5日に登録有形文化財となった。建築面積は20平方メートルで、塀が付属する。

主屋の南西の側に、棟を南北に通して建つ。主屋の北の背面に並ぶ東土蔵・西土蔵とは離れ、1棟だけ屋敷の表側に置かれている。屋根は切妻造の桟瓦葺である。

建築面積は屋敷の3棟の土蔵のなかで最も小さい。文化庁のデータベースは、平成20年代(2008年から2017年)に改修されたことも記している。

主屋とともに屋敷構えを伝える幕末の蔵

旧平林家住宅(一星亭)南土蔵は登録番号20-0557、「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録された。文化庁の解説は、主屋とともに往時の屋敷構えを伝える幕末の土蔵と位置づけている。

安政6年は、前年に結ばれた通商条約にもとづいて横浜などが開港した年にあたる。屋敷の土蔵は天保11年(1840年)の東土蔵、安政3年(1856年)の西土蔵、安政6年の南土蔵と、およそ20年のあいだに相次いで建てられており、この南土蔵がその最後の1棟になる。

黒漆喰の腰と鳥居形の扉枠

旧平林家住宅(一星亭)南土蔵の外壁で目を引くのは腰まわりである。木瓜の形の縁取りを描き、その内側を黒い漆喰で塗っている。白い壁の下部に黒い面が木瓜形に抜ける意匠で、東土蔵や西土蔵には見られない。腰より上は漆喰を軒の裏まで塗り込めている。

戸口は東の面に開く。扉のまわりには、鳥居のように上の横木が左右の柱より張り出した形の扉枠を設ける。文化庁の解説によれば、戸口に向き合う面は海鼠壁にして傷みから守っている。

小さな蔵だが、黒漆喰の腰、鳥居形の扉枠、海鼠壁と、3棟の土蔵のなかで最も意匠の手数が多い。

見学方法

旧平林家住宅(一星亭)南土蔵の内部は公開されていない。村の教育委員会が屋敷の見学会を開くことがあり、蔵の中まで入れるかどうかはそのつどの案内による。

旧平林家住宅(一星亭)南土蔵は主屋の南西、屋敷の表側にあるので、見学会で敷地に入れば最初に目に入りやすい蔵である。戸口のある東の面と、黒漆喰の腰の木瓜形を確かめたい。見学会の日以外は敷地に立ち入らず、道から眺めるにとどめてほしい。

Q&A

Q旧平林家住宅(一星亭)南土蔵はいつ建てられましたか。
A安政6年(1859年)です。屋敷の3棟の土蔵のうち最後に建てられた蔵で、平成20年代(2008年から2017年)に改修されています。
Q旧平林家住宅(一星亭)南土蔵が登録有形文化財になった理由は何ですか。
A主屋とともに往時の屋敷構えを伝える幕末の土蔵であることが評価されました。令和元年(2019年)12月5日の登録で、登録番号は20-0557です。
Q旧平林家住宅(一星亭)南土蔵の外観の特徴は何ですか。
A腰まわりに木瓜形の縁取りを描き、その内側を黒漆喰で塗っていることです。東の面の戸口には鳥居形の扉枠を設けています。
Q旧平林家住宅(一星亭)南土蔵はどこに建っていますか。
A主屋の南西の側に、棟を南北に通して建っています。他の2棟の土蔵が主屋の北側に並ぶのに対し、この蔵だけが屋敷の表側にあります。
Q旧平林家住宅(一星亭)南土蔵の中は見学できますか。
A内部は非公開です。村教育委員会が見学会を開くことがあるので、広報いくさかなどで予定を確かめてください。

基本データ

名称旧平林家住宅(一星亭)南土蔵(きゅうひらばやしけじゅうたく いちぼしてい みなみどぞう)
所在地長野県東筑摩郡生坂村5497
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号 20-0557
指定年令和元年(2019年)12月5日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積20平方メートル、塀付
所有者生坂村
公開状況通常は非公開(村教育委員会の見学会で公開されることがある)

参考文献

国指定文化財等データベース 旧平林家住宅(一星亭)南土蔵(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00013112
文化遺産オンライン 旧平林家住宅(一星亭)南土蔵(文化庁)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/452010
広報いくさか 2025年2月号(一星亭見学会の案内、PDF)
https://www.village.ikusaka.nagano.jp/gyousei/kouhou/pdf/2025.02.pdf

最終更新日: 2026.09.28