無量寺鐘楼堂とは

無量寺鐘楼堂(むりょうじしょうろうどう)は、長野県松本市会田にある曹洞宗寺院の鐘楼で、棟札から文化12年(1815年)の建築とされ、平成17年(2005年)11月10日に登録有形文化財となった。

本堂の南正面に立つ方一間の小さな建物で、建築面積は7.4平方メートル。低い切石積の基壇の上に建ち、下部に袴腰を付けている。

建築年は資料によって異なる。文化庁のデータベースは棟札をもとに文化12年(1815年)とし、松本市の案内は文化5年(1808年)の火災のあと、本堂・庫裏と同じ文化7年から9年(1810年から1812年)に再建されたとしている。

登録の理由:大工の名が分かる鐘楼

無量寺鐘楼堂は登録番号20-0196、「造形の規範となっているもの」として登録された。棟札からは、手がけた大工が出雲崎の宮下治郎七であることも分かっている。建てた年と職人の名が同じ一枚の札で押さえられるのは、小さな鐘楼としては貴重な記録である。

屋根は南北に棟を通す切妻造の桟瓦葺。柱は八角形に削り、壁を張らない吹放ちとして、四周に高欄をめぐらせる。

妻を飾る笈形と四方転びの柱

近づいて見たいのは妻の部分である。野物風の粗い梁の上に棟束を立て、その両脇に彫刻を施した笈形を付けている。構造材は飾らずに見せ、装飾は笈形に集めるという割り切りがある。

棟が南北に通るので、妻は南と北を向く。本堂へ向かって歩いてくると、まず南の妻と笈形が正面に来る。

松本市の資料によれば平面は9尺四方で、柱を内側へ傾けて立てる四方転びの形式をとる。八角柱が上へ向かってわずかにすぼまる様子は、真横より斜めから見たほうがとらえやすい。

無量寺鐘楼堂の見学

無量寺鐘楼堂は壁のない吹放ちの建物なので、外から全体を見られる。本堂の南正面にあり、本堂へ向かえば自然にその前を通ることになる。

梵鐘を撞けるかどうか、除夜の鐘などの行事があるかについて、公表された案内は見当たらない。鐘は寺の許しなく撞かないこと。境内への行き方と問い合わせ先は無量寺のページにまとめてある。

Q&A

Q無量寺鐘楼堂はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースは棟札にもとづき文化12年(1815年)としています。松本市の案内は、文化5年(1808年)の火災後、文化7年から9年(1810年から1812年)に本堂・庫裏と同時期に再建されたとしています。
Q無量寺鐘楼堂を建てた大工は分かっていますか?
A棟札から、出雲崎の大工・宮下治郎七が手がけたことが分かっています。
Q無量寺鐘楼堂はなぜ登録有形文化財になったのですか?
A平成17年(2005年)11月10日に「造形の規範となっているもの」として登録されました。八角柱の吹放ち、四周の高欄、彫刻を施した笈形などの造形が評価されています。
Q無量寺鐘楼堂の形の特徴は何ですか?
A方一間の袴腰付の鐘楼で、低い切石積の基壇に建ちます。屋根は南北棟の切妻造・桟瓦葺で、柱は八角形、四方転びの形式です。
Q無量寺鐘楼堂の鐘は撞けますか?
A撞鐘や鐘にかかわる行事について公表された案内は見当たりません。寺の許しなく撞かないでください。

基本情報

名称無量寺鐘楼堂(むりょうじしょうろうどう)
所在地長野県松本市会田岩井堂3111
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号20-0196
指定年平成17年(2005年)11月10日登録
員数1棟
寸法木造、瓦葺、建築面積7.4平方メートル
所有者宗教法人無量寺
公開状況吹放ちのため外観を見学できる(撞鐘の案内なし)

参考文献

国指定文化財等データベース 無量寺鐘楼堂(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00004960
無量寺〔6棟〕(松本市)
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/soshiki/134/3794.html

最終更新日: 2026.09.27