道路に妻を見せる屋敷最大の蔵

溝手家住宅屏風蔵(みぞてけじゅうたくびょうぶぐら)は、岡山県都窪郡早島町の豪農溝手家の屋敷にある慶応2年(1866年)建築の土蔵で、令和3年(2021年)に登録有形文化財に登録された。

敷地の東側に東西棟で建つ土蔵造二階建の瓦葺で、建築面積は111平方メートル。溝手家住宅の土蔵のなかでもっとも大きい。東の妻壁を道路に向けており、現在は納屋として使われている。名称は屏風を納める蔵を意味するが、建てられた当初に何を納めていたかを記した資料は、今回確認できなかった。

登録の理由

溝手家住宅屏風蔵は、登録番号33-0343として「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録された。文化庁の解説は、屋敷の表構えを形づくる主要な景観要素と評価している。

長屋門と並んで東の道路に面する溝手家住宅屏風蔵は、通りから見た屋敷の印象を大きく左右する。幕末に建てられた大型の蔵が、江戸中期の門とともに屋敷の顔を担ってきた。

見どころ:海鼠壁で縁取った東の妻

外壁は白漆喰塗で、南の正面は腰を海鼠壁とする。二か所の戸口には本瓦葺の庇が付く。

道路に向いた東の妻壁は、腰を竪板張とし、その上の漆喰の壁面を海鼠壁で縁取っている。海鼠壁を腰や隅に帯として回すのではなく、妻の輪郭をなぞる額縁として使う扱いで、溝手家住宅屏風蔵を見る際にいちばん注目したい部分である。

内部は東西の二室に分かれ、西の室は二階床を張らない吹抜としている。

見学方法

溝手家住宅屏風蔵は個人の住宅の蔵で、内部は公開されていない。ただし東の妻壁は道路に面しているので、竪板張の腰と海鼠壁の縁取りは道路から見ることができる。

長屋門とあわせて、東側の道路から屋敷の表構えを眺めるのが溝手家住宅屏風蔵の見方になる。敷地には入らず、撮影も道路からにとどめたい。

Q&A

Q溝手家住宅屏風蔵は道路から見られますか?
A見られます。東の妻壁を道路に向けて建っており、竪板張の腰と海鼠壁の縁取りを道路から確認できます。内部は非公開で、敷地にも入れません。
Q溝手家住宅屏風蔵はいつ建てられたのですか?
A慶応2年(1866年)の建築です。令和3年(2021年)に登録有形文化財に登録されました。
Q溝手家住宅屏風蔵は今は何に使われていますか?
A文化庁の資料によれば、現在は納屋として使われています。建築当初の用途を記した資料は確認できていません。
Q溝手家住宅屏風蔵はなぜ登録有形文化財に登録されたのですか?
A登録番号33-0343として「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。文化庁は屋敷の表構えを形づくる主要な景観要素と評価しています。
Q溝手家住宅屏風蔵を写真に撮ってもよいですか?
A撮影を制限する掲示は確認できていません。道路に向いた東の妻壁を道路から撮るのにとどめ、敷地の内側や住まいの方にはレンズを向けないようにしてください。

基本情報

名称溝手家住宅屏風蔵
所在地岡山県都窪郡早島町早島字頓行1489
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和3年(2021年)2月4日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積111平方メートル
所有者個人
公開状況非公開(東の妻壁は道路から見える)

参考文献

国指定文化財等データベース「溝手家住宅屏風蔵」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013640
文化遺産オンライン「溝手家住宅屏風蔵」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/595019
文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)について 令和2年7月17日(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/93206101_02.pdf

最終更新日: 2026.09.24