前庭に建つ客用の離れ

溝手家住宅新座敷(みぞてけじゅうたくしんざしき)は、岡山県都窪郡早島町の豪農溝手家の屋敷にある大正10年(1921年)建築の客用離れ座敷で、令和3年(2021年)に登録有形文化財に登録された。

長屋門をくぐった内側、主屋の前庭の南に建つ木造平屋建で、建築面積は69平方メートル。家族の住まいである主屋とは別に、来客をもてなすために設けた建物である。「新座敷」の名は、古い主屋の座敷に対して新しく加えた座敷という意味である。

登録の理由

溝手家住宅新座敷は、登録番号33-0338として「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録された。文化庁の解説は、良質な数寄屋普請が前庭の点景になっている点を挙げる。

文化審議会の答申も、溝手家住宅新座敷を良質な数寄屋風の普請と評した。茅葺の主屋と瓦葺の土蔵が並ぶ屋敷のなかで、大正期の繊細な客座敷が前庭に一棟加わることで、江戸から近代へ続いた屋敷の厚みが見えてくる。

見どころ:茶室と欅の縁

北面に玄関があり、その南が四畳半台目の茶室である。台目とは通常の畳の四分の三ほどの長さの畳で、茶の湯の点前座に用いる。

茶室の東には八畳の座敷が続き、床・棚・書院をそろえる。座敷の西から南へは、欅の大板を張った縁がめぐる。幅の広い一枚板の縁は、溝手家住宅新座敷の普請の質がもっともよく表れる部分だろう。

東側には風呂と便所が付属し、その外壁をヒシャギ竹張とする。ヒシャギ竹は竹を割って平たく押し広げた材で、溝手家住宅新座敷では水まわりの外壁にまで数寄屋の意匠を通している。

見学方法

溝手家住宅新座敷は長屋門の内側、前庭の南にあり、敷地の外からは見えない。個人の住宅の一部で、内部も公開されていない。

茶室や欅の縁は外から確かめる手段がないので、溝手家住宅新座敷については文化庁の解説と答申の記述が主な手がかりになる。

Q&A

Q溝手家住宅新座敷は見学できますか?
A見学できません。個人の住宅の一部で内部は非公開です。溝手家住宅新座敷は長屋門の内側にあり、道路からも見えません。
Q溝手家住宅新座敷はいつ建てられたのですか?
A大正10年(1921年)の建築です。令和3年(2021年)に登録有形文化財に登録されました。
Q溝手家住宅新座敷にはどのような部屋がありますか?
A北面の玄関の南に四畳半台目の茶室、その東に床・棚・書院を備えた八畳座敷があり、西から南へ欅の大板を張った縁がめぐります。
Q溝手家住宅新座敷はなぜ登録有形文化財に登録されたのですか?
A登録番号33-0338として「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。文化庁は良質な数寄屋普請が前庭の点景になっている点を評価しています。
Q溝手家住宅新座敷は屋敷のどこに建っていますか?
A長屋門の内側、主屋の前庭の南に客用の離れとして建っています。東側に風呂と便所が付属しています。

基本情報

名称溝手家住宅新座敷
所在地岡山県都窪郡早島町早島字頓行1489
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和3年(2021年)2月4日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積69平方メートル
所有者個人
公開状況非公開(敷地外からは見えない)

参考文献

国指定文化財等データベース「溝手家住宅新座敷」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013635
文化遺産オンライン「溝手家住宅新座敷」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/516894
文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)について 令和2年7月17日(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/93206101_02.pdf

最終更新日: 2026.09.24