切込接ぎの石積みに建つ家財蔵

溝手家住宅一号蔵(みぞてけじゅうたくいちごうぐら)は、岡山県都窪郡早島町の豪農溝手家の屋敷にある弘化2年(1845年)建築の土蔵で、令和3年(2021年)に登録有形文化財に登録された。

主屋の北方に東西棟で建つ土蔵造二階建の瓦葺で、建築面積は59平方メートル。家財を納める蔵として使われてきた。屋敷の北側では、溝手家住宅一号蔵がビリヤード場の奥に位置する。

登録の理由

溝手家住宅一号蔵は、登録番号33-0340として「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録された。文化庁の解説は、敷地北側の景観を形づくる要素として重要だと評価している。

文化審議会の答申は、溝手家の土蔵群に共通する腰と四隅の海鼠壁を岡山県南部特有の意匠と位置づけたうえで、なかでも溝手家住宅一号蔵を、切込接ぎの石積みの上に建つ丁寧な仕事として特に取り上げた。

見どころ:裾広がりの石積みと水切瓦

まず目を向けたいのは足元である。溝手家住宅一号蔵は、裾に向かって広がる高い石積みの上に載っている。切込接ぎは石の合わせ目を加工して隙間なく組む積み方で、手間のかかる技法を蔵の基礎に使っている。

外壁は白漆喰塗で、隅角と腰を海鼠壁とする。壁の中ほど(胴)には水切瓦が付き、雨水が壁を伝い落ちるのを途中で切る。白壁・瓦・海鼠壁が上下に重なる立面は、溝手家の蔵のなかでもよく整っている。

内部は東西の二室に分かれ、それぞれ南面に戸口を開く。小屋組は、棟の下に通した太い地棟木に登梁を掛ける組み方である。

見学方法

溝手家住宅一号蔵は個人の住宅の蔵で、内部は公開されていない。主屋の北方、敷地の内側に建っている。

文化庁の解説が敷地北側の景観要素と位置づけていることから、屋敷の北側では溝手家住宅一号蔵の姿が外からの眺めに加わると考えられる。敷地には入らず、見えるかどうかは道路から確かめるにとどめたい。

Q&A

Q溝手家住宅一号蔵は見学できますか?
A個人の住宅の蔵のため内部は非公開で、敷地にも入れません。溝手家住宅一号蔵は主屋の北方、敷地の内側に建っています。
Q溝手家住宅一号蔵はいつ建てられたのですか?
A弘化2年(1845年)の建築です。令和3年(2021年)に登録有形文化財に登録されました。
Q溝手家住宅一号蔵の石積みにはどのような特徴がありますか?
A裾広がりの高い石積みを切込接ぎで組んでいます。文化審議会の答申は、この石積みの上に建つ点を丁寧な仕事と評価しました。
Q溝手家住宅一号蔵はなぜ登録有形文化財に登録されたのですか?
A登録番号33-0340として「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。文化庁は敷地北側の景観要素として重要だと評価しています。
Q溝手家住宅一号蔵の外壁にはどのような特徴がありますか?
A白漆喰塗の壁の隅角と腰を海鼠壁とし、壁の中ほどに水切瓦を付けています。答申はこの海鼠壁を岡山県南部特有の意匠としています。

基本情報

名称溝手家住宅一号蔵
所在地岡山県都窪郡早島町早島字頓行1489
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和3年(2021年)2月4日登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積59平方メートル
所有者個人
公開状況非公開(敷地の内側に建つ)

参考文献

国指定文化財等データベース「溝手家住宅一号蔵」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013637
文化遺産オンライン「溝手家住宅一号蔵」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/580236
文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)について 令和2年7月17日(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/93206101_02.pdf

最終更新日: 2026.09.24