屋敷の正面を構える長屋門

溝手家住宅長屋門(みぞてけじゅうたくながやもん)は、岡山県都窪郡早島町の豪農溝手家の屋敷にある江戸時代中期の門で、令和3年(2021年)に登録有形文化財に登録された。

敷地の東側、道路に向かって開く木造平屋建の長屋門で、建築面積は55平方メートルある。門の両脇に部屋を連ねた長屋門は、村役を務める家や豪農の屋敷によく見られる形式で、溝手家住宅長屋門も屋敷の格を外へ示す役目を負ってきた。

登録の理由

溝手家住宅長屋門は、登録番号33-0346として「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録された。文化庁の解説は、この門が敷地の正面を重厚に飾っている点を評価している。

屋敷の10棟のうち、江戸時代中期とされるのは主屋・三号蔵・倉庫とこの溝手家住宅長屋門の4棟である。門・前庭・主屋が奥へ重なる構成は屋敷の骨格そのもので、答申も長屋門とあわせて屋敷構えが一体に残ることを評価した。

見どころ:出桁の軒と曲がった登梁

屋根は入母屋造の本瓦葺。軒が高く、柱から突き出した腕木で桁を受ける出桁造とし、軒先を深く出している。

壁は柱を見せる真壁造の漆喰塗で、外向きとなる東面だけは腰を海鼠壁とする。道路から見て最初に目に入る面にもっとも手間のかかる仕上げを置いた配分である。

溝手家住宅長屋門の小屋組は、場所によって組み方を変えている。梁行の壁の位置では梁の上に束を立てて棟木と母屋を受け、その中間では牛梁に曲がりの大きな登梁を架ける。内部は公開されていないが、曲がった材をそのまま生かした架構が、屋根の大きさを支えている。

見学方法

溝手家住宅長屋門は東側の道路に面しており、屋敷の10棟のうち道路からもっともよく見える建物である。海鼠壁の腰、出桁の軒、本瓦の入母屋屋根は、門の正面から一度に確かめられる。

門は個人の住宅の出入口なので、くぐって中へ入ることはできない。道路に立ち止まるときは通行の邪魔にならないようにし、門の内側を撮影するのは控えたい。

Q&A

Q溝手家住宅長屋門は道路から見られますか?
A見られます。東側の道路に面して開く門で、海鼠壁の腰や出桁の軒を道路から確認できます。ただし敷地内には入れません。
Q溝手家住宅長屋門はいつ頃の建物ですか?
A文化庁の資料では江戸時代中期の建築とされています。令和3年(2021年)に登録有形文化財に登録されました。
Q溝手家住宅長屋門の屋根と壁はどのような仕上げですか?
A屋根は入母屋造の本瓦葺で、壁は真壁造の漆喰塗です。道路に向いた東面は腰を海鼠壁としています。
Q溝手家住宅長屋門はなぜ登録有形文化財に登録されたのですか?
A登録番号33-0346として「国土の歴史的景観に寄与しているもの」の基準で登録されました。文化庁は敷地の正面を重厚に飾る門として評価しています。
Q溝手家住宅長屋門を写真に撮ってもよいですか?
A撮影を制限する掲示は確認できていません。道路から外観を撮るのにとどめ、門の内側や住まいの方にはレンズを向けないようにしてください。

基本情報

名称溝手家住宅長屋門
所在地岡山県都窪郡早島町早島字頓行1489
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年令和3年(2021年)2月4日登録
員数1棟
寸法木造平屋建、瓦葺、建築面積55平方メートル
所有者個人
公開状況非公開(外観は東側の道路から見える)

参考文献

国指定文化財等データベース「溝手家住宅長屋門」(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00013643
文化遺産オンライン「溝手家住宅長屋門」
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/569332
文化審議会の答申(登録有形文化財(建造物)の登録)について 令和2年7月17日(文化庁)
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/yukei_kenzobutsu/pdf/93206101_02.pdf

最終更新日: 2026.09.24