かめびし十四号蔵

三号蔵と十号蔵の間に位置し、敷地東辺に沿って南北棟で建つのが十四号蔵である。桁行9.8メートル、梁間5.2メートルの切妻造・本瓦葺の平屋建て。岡田家の記録に残る享和2年(1801年)4月上棟の「五間倉」に比定され、創業期の歴史を伝える醤油蔵の一つとされる。

江戸時代の最盛期、引田には10軒ほどの醤油屋や酒蔵があったと伝わるが、現存するのは宝暦3年(1753年)に岡田家が創業したかめびし屋のみである。18代目を数える現在も、筵の上で麹をつくる製法を守り続けている。

桁行9.8メートル、梁間5.2メートルの切妻造・本瓦葺の平屋で、規模も形式も十一号蔵とよく似る。岡田家の記録にある享和2年(1801年)4月上棟の「五間倉」がこの蔵にあたると考えられている。二棟がほぼ同じ姿で東辺に並ぶ様子は、創業期の蔵の造り方を伝えている。

指定の理由と価値

享和2年(1801年)の上棟と伝わり、かめびしの登録18棟のなかでも最も古い年代に属する。文化4年(1807年)の十一号蔵と並び、創業からほどない時期の蔵として、家の記録によって年代が裏づけられている点に価値がある。

筵の上での麹づくりは手間と時間がかかり、それゆえ大半の蔵が機械化した。かめびしは古い方法を守り、麹菌をつけた大豆と小麦を筵に広げておよそ3日間寝かせる。筵が水分と熱を釣り合わせ、麹は均一に育っていく。

見どころ

灰色の瓦の下に続くべんがら色の壁が、かめびしの敷地を特徴づける。道路の両側の建物に及ぶこの塗りが、敷地全体を一続きの街並みとしてまとめており、引田のなかでも他に例を見ない。

十一号蔵とよく似た姿の蔵で、三号蔵と十号蔵の間に挟まれて建つ。ほぼ同規模の二棟が並ぶことで、創業期のかめびしがどのような蔵を建てていたかがわかる。東辺を歩きながら、二棟の位置と大きさを見比べたい。

店舗と茶屋では、醤油・もろみ・菓子・うどんを楽しめるが、醸造所そのものは現役かつ私有の施設であり、大半の建物には立ち入れない。営業日や時間は年間を通じて、とくに仕込みの季節に変わるため、最新の情報を確かめて計画したい。

Q&A

Qかめびし十四号蔵とはどのような建物ですか。
A香川県東かがわ市引田のかめびし屋を構成する18棟のうちの一棟で、いずれも2003年に登録有形文化財となった。この建物は江戸後期(享和2年・1801年上棟と伝わる)のもので、かめびし創業期を伝える醤油蔵の一つとして使われてきた。
Qかめびしが守る「むしろ麹製法」とは何ですか。
A麹菌をつけた蒸し大豆と炒り小麦を、い草や稲わらで編んだ筵の上に広げて数日寝かせる麹づくりの製法である。筵が水分を調節し温度を均一に保つ。この製法を続けるのは日本でかめびし屋だけである。
Qこの建物の内部は見学できますか。
Aここは現役の醸造所であり民間企業の私有地であるため、この建物を含め大半の建物は内部非公開である。敷地内の別の建物にある店舗や茶屋では、醤油・もろみ・うどんを楽しめる。営業状況は季節で変わるため、訪問前に確認したい。
Qいつ、どのような理由で登録されましたか。
A2003年(平成15年)9月19日に登録有形文化財となった。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。べんがら色の壁が引田の街路景観を形づくる、かめびし屋の歴史的な建物群の一部として評価されている。

基本データ

名称かめびし十四号蔵
所在地香川県東かがわ市引田2174
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号 37-0167
登録年月日2003年(平成15年)9月19日 登録
登録基準国土の歴史的景観に寄与しているもの
年代江戸後期(享和2年・1801年上棟と伝わる)
構造及び形式等木造平屋建、瓦葺、建築面積50平方メートル
員数1棟
所有者合資会社かめびし
公開状況現役の醸造所・私有地のため大半の建物は内部非公開。敷地内に店舗・茶屋あり(営業状況は季節により変動)。

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003610
かめびし屋(東かがわ市観光情報サイト)
https://higashikagawa.net/sightseeing/kamebishiya
かめびし屋 公式サイト
https://kamebishi.co.jp/

最終更新日: 2026.07.02