かめびし赤門

敷地北辺のほぼ中央、十三号蔵の西妻面に接して建つのが赤門である。間口4.5メートル、奥行5.7メートルの入母屋造・本瓦葺の門で、西北端には北塀が取り付く。東面は十三号蔵によって切られた形になっており、もとは天保14年(1843年)に築かれた長屋門を改造したものとみられる。

かめびし屋は宝暦3年(1753年)、岡田家の伊右衛門が引田の地で醤油醸造を始めたことに起こる。以来18代、270年余にわたって家業を継ぎ、日本で唯一、むしろ麹製法で麹を仕込み続ける醸造元である。

入母屋造・本瓦葺の門で、間口4.5メートル、奥行5.7メートル。西北端に北塀が続く。東面は隣接する十三号蔵によって断ち切られた形をとり、門と蔵が接して一体の景観をつくる。もとは天保14年(1843年)築の長屋門で、後にこの門に改造されたと考えられている。

指定の理由と価値

天保14年(1843年)という古い年代の長屋門を前身とし、その後の改造を経て現在の門となった。べんがら色に塗られたその姿から「赤門」と呼ばれ、十三号蔵とともに敷地北辺の景観を締めくくる。門という小さな工作物ながら、かめびしの通り景観のなかで印象的な位置を占める。

むしろ麹製法では、蒸した大豆と炒った小麦に麹菌をつけ、い草や稲わらで編んだ筵の上に広げて数日寝かせる。筵は余分な水分を逃がしながら麹の温度を均一に保つ。多くの蔵が早くに機械に委ねた工程である。

見どころ

この一角を特徴づけるのは、その色である。主屋や蔵はべんがら(赤茶色の顔料)に塗られ、重い灰色の瓦が壁の上を覆う。通りに沿って途切れなく続くべんがら色の壁が、引田の町並みを象徴する光景となっている。

べんがら色に塗られた門の姿が、その名の由来である。東面が十三号蔵によって切られ、門と蔵が接している様子を外から確かめたい。前身が天保14年(1843年)の長屋門だったことを思うと、この一角に重ねられた時間の層が見えてくる。なお、文化庁データベースの構造化情報には間口1.8メートルとの記載もあるが、解説文の間口4.5メートル・入母屋造の記述を採った。

敷地内の歴史的建物にある店舗では、かめびしの醤油やもろみ、醤油を使った菓子を販売し、醤油を用いたうどんやソフトクリームも供する。ここは現役の醸造所であり民間企業の私有地でもあるため、多くの建物は内部非公開である。営業日や公開状況は季節によって変わるので、訪れる前に確認したい。

Q&A

Qかめびし赤門とはどのような建物ですか。
A香川県東かがわ市引田のかめびし屋を構成する18棟のうちの一棟で、いずれも2003年に登録有形文化財となった。この建物は江戸末期/昭和初期改造のもので、敷地北辺の門。もと天保14年(1843年)築の長屋門を改造として使われてきた。
Qかめびしが守る「むしろ麹製法」とは何ですか。
A麹菌をつけた蒸し大豆と炒り小麦を、い草や稲わらで編んだ筵の上に広げて数日寝かせる麹づくりの製法である。筵が水分を調節し温度を均一に保つ。この製法を続けるのは日本でかめびし屋だけである。
Qこの建物の内部は見学できますか。
Aここは現役の醸造所であり民間企業の私有地であるため、この建物を含め大半の建物は内部非公開である。敷地内の別の建物にある店舗や茶屋では、醤油・もろみ・うどんを楽しめる。営業状況は季節で変わるため、訪問前に確認したい。
Qいつ、どのような理由で登録されましたか。
A2003年(平成15年)9月19日に登録有形文化財となった。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。べんがら色の壁が引田の街路景観を形づくる、かめびし屋の歴史的な建物群の一部として評価されている。

基本データ

名称かめびし赤門
所在地香川県東かがわ市引田2174
指定区分登録有形文化財(建造物) 登録番号 37-0169
登録年月日2003年(平成15年)9月19日 登録
登録基準国土の歴史的景観に寄与しているもの
年代江戸末期/昭和初期改造
構造及び形式等間口4.5メートル、奥行5.7メートル、入母屋造・本瓦葺、北塀付属
員数1棟
所有者合資会社かめびし
公開状況現役の醸造所・私有地のため大半の建物は内部非公開。敷地内に店舗・茶屋あり(営業状況は季節により変動)。

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003612
かめびし屋(東かがわ市観光情報サイト)
https://higashikagawa.net/sightseeing/kamebishiya
かめびし屋 公式サイト
https://kamebishi.co.jp/

最終更新日: 2026.07.02