かめびし七号蔵
西敷地の北西隅に位置し、西敷地の北辺に沿って東西棟で建つのが七号蔵である。桁行16メートル、梁間10.2メートルの切妻造・鉄板葺の平屋建てで、通り沿いの北面上部には5つの窓を開ける。年代ものの諸味貯蔵庫として使われ、内部には丸桶16個と角桶3個を収容する。
かめびし屋は宝暦3年(1753年)、岡田家の伊右衛門が引田の地で醤油醸造を始めたことに起こる。以来18代、270年余にわたって家業を継ぎ、日本で唯一、むしろ麹製法で麹を仕込み続ける醸造元である。
桁行16メートル、梁間10.2メートルと奥行きのある大型の平屋で、屋根は鉄板葺とする。通りに面する北面の上部には5つの窓を並べて開ける。内部には木製の丸桶16個と角桶3個が据えられ、いずれも長い年月を経た諸味の貯蔵に使われている。
指定の理由と価値
内部に据えられた丸桶16個と角桶3個は、かめびしの醸造規模を具体的に示す。木桶には蔵に棲みついた酵母や微生物がともに息づき、諸味を長期に熟成させる場となる。八号蔵とともに、西敷地における醤油醸造施設の中核を担う大型の蔵である。
むしろ麹製法では、蒸した大豆と炒った小麦に麹菌をつけ、い草や稲わらで編んだ筵の上に広げて数日寝かせる。筵は余分な水分を逃がしながら麹の温度を均一に保つ。多くの蔵が早くに機械に委ねた工程である。
見どころ
この一角を特徴づけるのは、その色である。主屋や蔵はべんがら(赤茶色の顔料)に塗られ、重い灰色の瓦が壁の上を覆う。通りに沿って途切れなく続くべんがら色の壁が、引田の町並みを象徴する光景となっている。
通りに面する北面上部に並ぶ5つの窓を数えてみたい。内部には木製の丸桶16個と角桶3個が据えられ、諸味が2年から長いもので20年ほどかけて熟成される。桶に棲む酵母や微生物が、かめびしの醤油独特の風味を生む。西敷地の醸造の中心をなす一棟である。
敷地内の歴史的建物にある店舗では、かめびしの醤油やもろみ、醤油を使った菓子を販売し、醤油を用いたうどんやソフトクリームも供する。ここは現役の醸造所であり民間企業の私有地でもあるため、多くの建物は内部非公開である。営業日や公開状況は季節によって変わるので、訪れる前に確認したい。
Q&A
- かめびし七号蔵とはどのような建物ですか。
- 香川県東かがわ市引田のかめびし屋を構成する18棟のうちの一棟で、いずれも2003年に登録有形文化財となった。この建物は明治末期のもので、年代ものの諸味貯蔵庫。内部に丸桶16・角桶3として使われてきた。
- かめびしが守る「むしろ麹製法」とは何ですか。
- 麹菌をつけた蒸し大豆と炒り小麦を、い草や稲わらで編んだ筵の上に広げて数日寝かせる麹づくりの製法である。筵が水分を調節し温度を均一に保つ。この製法を続けるのは日本でかめびし屋だけである。
- この建物はどこにあり、他の蔵とどう関係しますか。
- 道路を隔てた西敷地(引田2132番地)に建つ。かめびしの敷地は道路で東西二つに分かれ、東敷地に仕込みや麹づくりが集まり、西敷地に諸味の貯蔵や圧搾の多くが置かれている。
- いつ、どのような理由で登録されましたか。
- 2003年(平成15年)9月19日に登録有形文化財となった。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。べんがら色の壁が引田の街路景観を形づくる、かめびし屋の歴史的な建物群の一部として評価されている。
基本データ
| 名称 | かめびし七号蔵 |
|---|---|
| 所在地 | 香川県東かがわ市引田2132 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物) 登録番号 37-0173 |
| 登録年月日 | 2003年(平成15年)9月19日 登録 |
| 登録基準 | 国土の歴史的景観に寄与しているもの |
| 年代 | 明治末期 |
| 構造及び形式等 | 木造平屋建、鉄板葺、建築面積162平方メートル |
| 員数 | 1棟 |
| 所有者 | 合資会社かめびし |
| 公開状況 | 現役の醸造所・私有地のため大半の建物は内部非公開。敷地内に店舗・茶屋あり(営業状況は季節により変動)。 |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁)
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00003616
- かめびし屋(東かがわ市観光情報サイト)
- https://higashikagawa.net/sightseeing/kamebishiya
- かめびし屋 公式サイト
- https://kamebishi.co.jp/
最終更新日: 2026.07.02