京都府の国 宝
National Treasures of 京都府京都府に所在する国宝。
京都・知恩院の国宝「早来迎」は、阿弥陀如来と二十五菩薩が飛雲に乗り、画面左上から右下の往生者へと山を急降下する鎌倉時代の来迎図。金色の諸尊や衣の切金文様、最上位の上品上生を示す図像が見どころで、現在は京都国立博物館に寄託されている。
京都・醍醐寺が所蔵する国宝「絹本著色閻魔天像」は、鎌倉時代に描かれた密教絵画の傑作です。恐ろしい地獄の大王ではなく、菩薩のように優美な姿で白い水牛に坐す閻魔天は、安産祈願の修法本尊として制作されたと考えられています。精緻な截金文様や力強い描線など、中世日本の仏画芸術の粋を今に伝える至宝です。
京都・醍醐寺が所蔵する国宝「絹本著色訶梨帝母像」。かつて子を食らう鬼女だった訶梨帝母が、ザクロを手に幼子を抱く貴婦人の姿で描かれる。安産を祈る訶梨帝母法の本尊で、霊宝館の特別展などで時折公開される大幅の仏画です。
京都・仁和寺に伝わる国宝「孔雀明王像」は、海を渡ってきた宋時代の中国仏画です。日本に多い一面四臂と異なり、三面六臂で白い孔雀に坐す姿が特徴。写実的な孔雀の描写も見どころで、霊宝館の名宝展で期間限定公開されます。
京都・東寺が所蔵する国宝、絹本著色五大尊像。空海が始めた後七日御修法の本尊画として平安後期に描かれた五幅で、鎌倉以前の五幅揃いは三例のみ。不動を中心に四明王を配し、宝物館の春秋の特別公開で随時公開される。
醍醐寺に伝わる国宝、絹本著色五大尊像。鎌倉時代の五幅一具で、中央の不動明王に降三世・軍荼利・大威徳・金剛夜叉の四明王を配し、鎮護国家を祈る五壇法の本尊として懸用された。霊宝館の特別展などで随時公開される。
深い水銀朱の衣で「赤釈迦」と呼ばれる、平安時代後期12世紀の絹本著色仏画。縦159.4センチ。レースのような截金文様で全身を飾り、神護寺の法華会の本尊画とされる。現在は京都国立博物館に寄託されている。
京都・南禅寺塔頭の金地院に伝わる国宝。中国・南宋時代の二幅で、足利義満の鑑蔵印を備えた東山御物。徽宗筆と伝わるが現在は南宋・12世紀後半の作とされ、夏景図は久遠寺に伝わり、四季のうち春景図は失われている。
東寺に伝わる国宝・絹本著色十二天像は、十二の守護神を六曲屏風一双に各扇一尊ずつ描く。建久2年(1191)の作で、宋画様式を取り入れた絵仏師・宅間勝賀の筆と伝わり、密教の灌頂で道場を囲うために用いられた仏画である。
絹本著色眞言七祖像は、京都の東寺が所有する唐時代と平安時代の祖師像7幅で、昭和27年に国宝に指定された。5幅は空海が唐から持ち帰ったもの、2幅は空海が補ったもので、後の真言八祖像の源流となった。
京都・高雄の神護寺が蔵する国宝の六曲屏風。真言宗の灌頂の秘儀に用いられた調度で、風景も建物も人物もすべて大和絵で描かれている。平安以来の伝統を継ぐ、現存最古のやまと絵屏風として尊ばれてきた一隻である。
大徳寺の開祖・宗峰妙超(大燈国師)を描いた国宝の頂相。建武元年(1334年)の自賛をもち、後世の諸本のよりどころとなった根本像。常設公開はなく、毎年10月の曝凉や2026年の東京国立博物館特別展で公開される。
神護寺が所有する国宝「伝平重盛像」。束帯姿を一枚絹にほぼ等身大で描いた鎌倉前期の肖像で、像主が平重盛か足利尊氏かをめぐる論争が続く。現在は京都国立博物館に寄託され、例年五月初旬の曝涼で里帰り公開される。
京都・神護寺が所蔵する神護寺三像の一幅。通説では平安末の公卿藤原光能の肖像とされるが、近年は室町2代将軍の足利義詮像とする新説が有力で、像主も制作年代もなお論争が続く国宝肖像画である。東京国立博物館に寄託。
絹本著色不動明王二童子像は、京都市東山区の青蓮院門跡が所有する平安時代の仏画で、昭和27年に国宝に指定された。「青不動」と呼ばれ、日本三大不動の一つとされる秘仏である。
絹本著色伝源頼朝像は、京都市右京区の神護寺が所有する鎌倉時代の肖像画で、昭和26年に国宝に指定された。源頼朝の肖像と伝え、藤原隆信の筆とされる束帯姿の坐像で、例年5月に特別公開される。
醍醐寺報恩院旧蔵の国宝「絹本著色文殊渡海図」は、五髻の童子形文殊菩薩が獅子に乗り、優填王・仏陀波利・善財童子・最勝老人の四眷属とともに雲海を渡る姿を描いた鎌倉時代の名品です。
京都・禅林寺(永観堂)が所有する国宝の仏画。山の彼方から巨大な阿弥陀如来が上半身を現し、手に結んだ五色の糸の先を臨終の人に握らせて極楽へ導いたとされる。鎌倉仏画の高みを示し、来迎信仰の実態を今に残す貴重な一幅である。
京都・東寺が所蔵する国宝の両界曼荼羅図。大日如来を中心に据えた絹本著色の二幅で、彩色作例としては日本最古とされる。古い箱には899年の銘が残り、制作年代には諸説ある。常時非公開で特別展などでまれに公開される。
絹本墨画山水図は、京都の大徳寺塔頭高桐院が所有する南宋時代の山水図2幅で、昭和27年に国宝に指定された。李唐の筆とされ、南宋初期の山水画の名作である。高桐院は2026年は拝観休止中である。