飯田家住宅醸造蔵二はどんな建物か

飯田家住宅醸造蔵二は、長野県安曇野市豊科高家にある明治前期の木造平屋建の醸造蔵で、平成17年(2005年)に国の登録有形文化財に登録された。煙突を併設しており、登録上の構造形式にも「煙突付」と記されている。

醸造蔵一の南に並ぶ東西棟で、桁行16間(約29メートル)、梁間6間の長大な建物である。建築面積は317平方メートルあり、主屋、醸造蔵一に次ぐ規模をもつ。登録番号は20-0244である。

醸造蔵は、酛をもとに米と麹と水を加えて本格的に仕込み、醪を発酵させる建物をいう。飯田家住宅には醸造蔵が2棟あり、この建物はそのうち年代の古いほうにあたる。

登録の理由と東側の景観

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁の解説は、飯田家住宅醸造蔵二が東から見た屋敷の景観をつくると記す。東西に長い棟の東の妻と、脇に立つ煙突が、屋敷の東側の目印になっている。

明治前期という年代は、隣り合う酒造蔵と比べると意味がはっきりする。醸造蔵一は明治後期、酛蔵は大正3年(1914年)の建築で、いずれも小屋組に洋風トラスを用いる。これに対し醸造蔵二は伝統的な和小屋で組まれている。同じ屋敷の酒造蔵に、架構の新旧が並んでいる。

見どころ

屋根はゆるい勾配の切妻造で、鉄板で葺かれている。梁間6間の幅に対して屋根が低く抑えられ、長い棟が地面に沿うように延びる。

屋根裏の骨組みは、太い梁の上に束を立てて棟木や母屋を受ける和小屋である。内部は公開されていないが、洋風トラスを使う隣の酒造蔵との骨組みの違いは、両者の年代の差をそのまま映している。

外壁は柱を塗り込めた大壁造の白漆喰塗で、腰を下見板張とし、竪格子の入った小窓を開ける。そして飯田家住宅醸造蔵二のいちばんの特徴が煙突である。酒造場の煙突は一般に、米を蒸す釜などの燃焼設備に伴って建てられるもので、低く長い蔵の脇で縦の線を描いている。

飯田家住宅醸造蔵二の見学方法

飯田家住宅醸造蔵二は個人の住宅の敷地内にあり、内部は公開されていない。

文化庁が東からの景観をつくると書く建物なので、外から見るなら屋敷の東側がよい。煙突は離れた位置からでも目につきやすい。撮影は道路からの外観に限る。

屋敷へのアクセスと見学の注意は、飯田家住宅のページで紹介している。

Q&A

Q飯田家住宅醸造蔵二はいつ建てられましたか?
A文化庁の登録原簿では明治前期の建築です。飯田家住宅にある2棟の醸造蔵のうち、古いほうにあたります。
Q飯田家住宅醸造蔵二はどのくらいの大きさですか?
A桁行16間、梁間6間の東西棟で、建築面積は317平方メートルです。
Q飯田家住宅醸造蔵二の煙突は何のためのものですか?
A登録上の構造形式に「煙突付」とある付属設備です。酒造場の煙突は、一般に米を蒸す釜などの燃焼設備に伴って設けられます。
Q飯田家住宅醸造蔵二の屋根の構造は?
Aゆるい勾配の切妻屋根を鉄板で葺き、屋根裏は伝統的な和小屋で組んでいます。隣の醸造蔵一や酛蔵の洋風トラスとは異なります。
Q飯田家住宅醸造蔵二は見学できますか?
A個人の住宅の敷地内にあるため公開されていません。外観は屋敷の東側の道路から見える範囲に限られます。

基本データ

名称飯田家住宅醸造蔵二
所在地長野県安曇野市豊科高家604-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成17年(2005年)登録
員数1棟
寸法木造平屋建、鉄板葺、建築面積317平方メートル、煙突付
所有者個人
公開状況個人の住宅の敷地内にあり非公開。外観は道路から

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)飯田家住宅醸造蔵二
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005176
国指定文化財等データベース(文化庁)飯田家住宅醸造蔵一
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005175
八十二文化財団 信州の文化財 飯田家住宅醸造蔵二
https://www.82bunka.or.jp/bunkazai/detail.php?no=5845
安曇野市 文化財一覧
https://www.city.azumino.nagano.jp/site/kyoiku/10156.html

最終更新日: 2026.09.22