飯田家住宅質蔵はどんな建物か

飯田家住宅質蔵は、長野県安曇野市豊科高家にある明治前期の土蔵造2階建の蔵で、平成17年(2005年)に国の登録有形文化財に登録された。質蔵とは、質草として預かった品を納めておく蔵をいう。

主屋から東へ張り出す座敷棟の北東、文庫蔵・隠居屋の北西にあたる位置に、西を正面にして建つ。桁行5間、梁間3間、建築面積は66平方メートルで、登録番号は20-0238である。

名称からは、飯田家が酒造のかたわら質の業務も手がけていたことがうかがえる。ただし文化庁の解説は、使われ方の詳細には触れていない。

登録の理由

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。飯田家住宅質蔵は座敷棟と文庫蔵・隠居屋の間を埋める位置にあり、主屋の東側に蔵が寄り集まる屋敷の景観の一部をなす。

置屋根、腰の海鼠壁、黒漆喰の土戸と、土蔵造の蔵に求められる仕様を一通りそろえている。預かり物を火や盗難から守るという役目に、厚い壁と重い扉がそのまま応えている点が、飯田家住宅質蔵の見どころの土台になっている。

見どころ

正面にあたる西面では、中央の戸口に吊り込まれた両開きの土戸に目が行く。扉は黒漆喰で仕上げられ、白い壁のなかでそこだけ色が反転する。土戸は壁と同じように土を塗り重ねた扉で、閉じれば壁と一体の防火区画になる。

西面の全幅には瓦葺の庇が差しかけられ、戸口の前を雨から守っている。黒い扉は、この庇の影のなかに収まる。

腰の海鼠壁は、隣に建つ文庫蔵・隠居屋と見比べる材料になる。あちらは亀甲形と記されているのに対し、質蔵の解説は模様の形に触れていない。屋根は切妻造桟瓦葺で、本体から浮かせて載せる置屋根とする。

飯田家住宅質蔵の見学方法

飯田家住宅質蔵は個人の住宅の敷地内にあり、内部は公開されていない。

座敷棟の奥に建ち、正面の西面は敷地の内側を向いている。そのため、特徴である黒い土戸を道路から見るのは難しい。撮影も道路から写せる範囲に限られる。

屋敷への行き方と見学の注意点は、飯田家住宅のページで案内している。

Q&A

Q飯田家住宅質蔵とは何のための蔵ですか?
A質蔵は、質草として預かった品を納める蔵を指します。名称から、飯田家が酒造とともに質の業務も営んでいたことがうかがえます。
Q飯田家住宅質蔵はいつ建てられましたか?
A文化庁の登録原簿では明治前期の建築とされています。
Q飯田家住宅質蔵の扉にはどんな特徴がありますか?
A西面中央の戸口に、黒漆喰で仕上げた両開きの土戸が吊り込まれています。白漆喰の壁との対比がはっきりしています。
Q飯田家住宅質蔵は屋敷のどこにありますか?
A主屋の座敷棟の北東、文庫蔵・隠居屋の北西にあり、西を正面にして建っています。
Q飯田家住宅質蔵は見学できますか?
A個人の住宅の敷地内にあるため公開されていません。正面が敷地の内側を向いているため、道路から扉を見るのも難しい建物です。

基本データ

名称飯田家住宅質蔵
所在地長野県安曇野市豊科高家604-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成17年(2005年)登録
員数1棟
寸法土蔵造2階建、瓦葺、建築面積66平方メートル
所有者個人
公開状況個人の住宅の敷地内にあり非公開。外観は道路から

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)飯田家住宅質蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00005170
八十二文化財団 信州の文化財 飯田家住宅質蔵
https://www.82bunka.or.jp/bunkazai/detail.php?no=5841
安曇野市 文化財一覧
https://www.city.azumino.nagano.jp/site/kyoiku/10156.html

最終更新日: 2026.09.22