萱島家住宅離れとは

萱島家住宅離れは、大分県国東市国東町綱井の萱島酒造の敷地にある明治30年(1897年)建築の木造平屋建の離れ座敷で、平成10年(1998年)1月16日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「かやしまけじゅうたくはなれ」。入母屋造、瓦葺で、建築面積は88平方メートルある。

萱島家住宅離れは、萱島家住宅主屋の東南に近接して建つ。昭和8年(1933年)の主屋より36年早く、萱島酒造の登録建造物のなかでは明治27年(1894年)の旧ムロマエ・冷蔵蔵に次ぐ古さである。

14件のなかで唯一「造形の規範」

萱島酒造の14件は同じ日に登録されたが、登録の基準は1件だけ異なる。13件が「国土の歴史的景観に寄与しているもの」であるのに対し、萱島家住宅離れは「造形の規範となっているもの」として登録された。景観の一部としてではなく、建物そのものの造形が手本になると評価されたことになる。

文化庁の解説は、その理由を、内部の造作が丁寧で全体として保存がよく、明治期の離れ座敷の好例であることに置いている。酒蔵の家が客をもてなし、家族がくつろぐための座敷として、明治30年に手をかけて建てた建物が、ほとんど損なわれずに残っている点が重く見られた。

漆喰の軒と妻壁、二面の広縁

萱島家住宅離れの外観は、軒廻りと妻壁を漆喰で仕上げている点に特徴がある。入母屋造の屋根の妻の三角形の部分と、軒の裏側を白く塗り込めることで、瓦屋根の下に白い線と面がくっきりと浮かぶ。

南面と西面には庇を付け足し、その下に広い縁側、広縁をとっている。文化庁の解説は、この離れが南側の庭園と一体に構成されていると記す。座敷から広縁越しに南の庭を眺める配置で、建物と庭をあわせて一つの空間として計画したことがうかがえる。

萱島家住宅離れの見学

萱島家住宅離れは萱島家の住まいの一部で、一般には公開されていない。庭園とともに住宅の側にあり、内部や庭に立ち入ることはできない。

萱島酒造を訪れる場合は、敷地内の直売所SAKE GALLERY東西を利用し、住まいの側には近づかないようにしたい。撮影や見学を希望するときは、事前に蔵元(0978-72-1181)に相談してほしい。

Q&A

Q萱島家住宅離れはいつ建てられましたか?
A明治30年(1897年)です。昭和8年(1933年)の主屋より36年古い建物です。
Q萱島家住宅離れの登録基準はほかの萱島酒造の建物と違うのですか?
Aはい。14件のうち萱島家住宅離れだけが「造形の規範となっているもの」として登録され、ほかの13件は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」です。
Q萱島家住宅離れの見どころは何ですか?
A漆喰仕上げの軒廻りと妻壁、南面と西面の庇の下の広縁、そして南側の庭園と一体となった構成です。
Q萱島家住宅離れが登録有形文化財になったのはいつですか?
A平成10年(1998年)1月16日に、萱島酒造の蔵などとともに登録されました。
Q萱島家住宅離れや庭園は見学できますか?
A住宅の一部のため一般公開はしていません。見学や撮影を希望する場合は蔵元(0978-72-1181)に相談してください。

基本情報

名称萱島家住宅離れ(かやしまけじゅうたくはなれ)
所在地大分県国東市国東町綱井392-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成10年(1998年)登録
員数1棟
寸法建築面積88㎡(木造平屋建、入母屋造、瓦葺)
所有者非公表(文化庁データベースの所有者欄は空欄)
公開状況非公開(住宅)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):萱島家住宅離れ
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000507
国指定文化財等データベース(文化庁):萱島家住宅主屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00000506
文化遺産オンライン:萱島家住宅離れ
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/113587
国東市:国登録有形文化財
https://www.city.kunisaki.oita.jp/site/kyouikukage/bunkazaikunitouroku.html

最終更新日: 2026.09.29