酒造米を納め、精米した土蔵

石上酒造米蔵は、千葉県銚子市田中町の石上酒造の敷地に建つ明治中期(1883〜1897年)の土蔵造の蔵で、平成30年(2018年)3月27日に国の登録有形文化財に登録された。読みは「いしがみしゅぞうこめぐら」。登録番号は12-248で、石上酒造の5棟のなかで最も若い番号をもつ。

石上酒造米蔵は、酒造りに使う米を保管し、精米するための蔵である。銚子市教育委員会は、資料から明治35年(1902年)までに建てられたと考えられるとしている。敷地では南北に棟を通し、建物群の南東の端を画す位置に建つ。建築面積は29平方メートルで、5棟のうち最も小さい。

石上酒造米蔵の外壁:三段に塗り分けた壁

石上酒造米蔵で見ておきたいのは外壁の構成である。腰を海鼠壁とし、その上を白い漆喰で軒まで塗り込めている。文化庁の解説によれば、中ほどの層には鋼板が張られ、銚子市の説明ではガルバリウム鋼板とされる。2階にあたる上段は妻面まで漆喰仕上げで、下から海鼠壁・鋼板・漆喰の三段に分かれて見える。

屋根は切妻造の桟瓦葺。文化庁の解説では室内は1階・2階とも1室で、1階は土間を叩き締めた床になっている。精米や米の出し入れをする作業場としては無駄のない造りである。文化庁のデータベースは、石上酒造米蔵に平成23年(2011年)の改修を記録している。

石上酒造米蔵の登録の理由と、記録の食い違い

石上酒造米蔵の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。文化庁は、銚子の市街の中心に位置する石上酒造の建物群のうち、その南東の端を区切る土蔵として評価している。石造の麹室・仕込蔵・貯蔵蔵に対し、石上酒造米蔵は土と漆喰で造る伝統的な土蔵で、敷地の景観に違う質感を加えている。

記録には食い違いが一つある。文化庁のデータベースの構造欄は「土蔵造平屋建」だが、同じデータベースの解説文は「土蔵造二階建」と書き、銚子市も2階部分の漆喰に触れている。建築年代も、文化庁が明治中期、銚子市が明治35年(1902年)までとしていて幅がある。この記事では構造欄の表記を基本情報に載せ、解説文の記述を本文で紹介した。

石上酒造米蔵の見学

石上酒造米蔵の内部は公開されていない。石上酒造は操業中の酒蔵で、見学は蔵元への事前予約が必要になる。見学の際には、石上酒造米蔵の三段の外壁と、土蔵としての切妻の輪郭を、大谷石の蔵と見比べたい。撮影の可否は予約の際に確かめておきたい。

Q&A

Q石上酒造米蔵は何に使われた建物ですか?
A酒造りに使う米を保管し、精米するための蔵です。銚子市教育委員会がそのように説明しています。
Q石上酒造米蔵はいつ建てられましたか?
A文化庁のデータベースは明治中期(1883〜1897年)とし、銚子市教育委員会は明治35年(1902年)までに建てられたと考えられるとしています。
Q石上酒造米蔵の外壁にはどんな特徴がありますか?
A腰を海鼠壁とし、上部を漆喰で軒まで塗り込め、中ほどの層に鋼板を張っています。下から三段に塗り分けたように見えます。
Q石上酒造米蔵は平屋ですか、2階建ですか?
A文化庁のデータベースの構造欄は平屋建ですが、同じデータベースの解説文と銚子市の説明は2階建としています。記録が一致していません。
Q石上酒造米蔵の中は見学できますか?
A内部は公開されていません。石上酒造の見学は事前予約制で、申し込みは蔵元に直接行います。

基本情報

名称石上酒造米蔵(いしがみしゅぞうこめぐら)
所在地千葉県銚子市田中町7-1
指定区分登録有形文化財(建造物)、登録番号12-248
指定年平成30年(2018年)3月27日登録
員数1棟
寸法土蔵造平屋建(文化庁データベースの構造欄。解説文は2階建)、瓦葺、建築面積29平方メートル
所有者個人
公開状況内部は非公開。見学は石上酒造への事前予約制

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁):石上酒造米蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012103
千葉県:石上酒造米蔵ほか
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/bunkazai/bunkazai/q111-102.html
銚子市:石上酒造米蔵・麹室・仕込蔵(醪蔵)・貯蔵蔵・文庫蔵
https://www.city.choshi.chiba.jp/edu/sg-guide/page210178.html
銚子市観光協会:石上酒造(株)
https://www.choshikanko.com/kankoDB/0003/

最終更新日: 2026.09.30