街路に妻を向ける北西隅の土蔵
石上酒造文庫蔵は、千葉県銚子市田中町の石上酒造の敷地に建つ明治35年(1902年)頃の土蔵造2階建の蔵で、平成30年(2018年)3月27日に国の登録有形文化財に登録された。登録番号は12-252。読みは文化庁のデータベースでは「いしがみしゅぞうぶんこくら」、銚子市の説明では「ぶんこぐら」となっている。
石上酒造文庫蔵は敷地の北西の隅に、南北に棟を通して建つ。文化庁の値では桁行7.7メートル、梁間5.9メートル、建築面積40平方メートルで、扉口は東面に開く。銚子市教育委員会は、仕込蔵・米蔵と同じ時期の建築とみている。観光向けの冊子「銚子時間」によれば、いまは倉庫として使われている。
石上酒造文庫蔵の北妻面:2階の左右に開く窓
石上酒造文庫蔵の顔は、街路に面した北の妻面である。2階の左右に窓を一つずつ開き、文化庁はこれを外観のアクセントと評している。切妻造・桟瓦葺の三角形の妻に二つの窓が並ぶ姿は、敷地の外からも目にとまる。
足元はコンクリートの基礎に基礎石を置き、その上に漆喰の壁を立ち上げる。銚子市の説明では、1階は床張りで真壁漆喰仕上げ、2階も板張りの真壁漆喰仕上げだった。蔵の中には、木の枠の内側を漆喰で仕上げた板戸が残っている。
石上酒造文庫蔵の震災後の改修と登録の理由
平成23年(2011年)の東日本大震災で、石上酒造文庫蔵は瓦が壊れた。銚子市によれば、その補修とあわせて漆喰の壁をガルバリウム鋼板で覆っている。文化庁のデータベースも平成23年の改修を記録している。このため、いま外から見える壁の多くは白い漆喰ではなく金属板で、文化庁の解説にある漆喰壁は鋼板の下にある。
登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」である。石上酒造の建物群のうち、街路に直接面して町並みに姿を見せているのが石上酒造文庫蔵で、文化庁の解説も北妻面の窓の配置に触れている。
石上酒造文庫蔵の見学
石上酒造文庫蔵の内部は公開されていない。北の妻面は街路に面しているので、2階の二つの窓は敷地に入らずに眺められる位置にある。私有の酒蔵なので、道からの見学は通行の妨げにならないよう配慮したい。敷地の中に入る見学は石上酒造への事前予約制で、撮影の可否も予約の際に確かめておきたい。
Q&A
- 石上酒造文庫蔵の読み方は?
- 文化庁のデータベースのふりがなは「いしがみしゅぞうぶんこくら」、銚子市の説明では「ぶんこぐら」です。
- 石上酒造文庫蔵はいつ建てられましたか?
- 文化庁のデータベースは明治35年(1902年)頃としています。銚子市教育委員会は仕込蔵・米蔵と同時期の建築とみています。
- 石上酒造文庫蔵の外観の見どころは?
- 街路に面した北の妻面の2階に、左右一つずつ開いた窓です。文化庁はこれを外観のアクセントと評しています。
- 石上酒造文庫蔵の壁が金属板なのはなぜですか?
- 平成23年(2011年)の東日本大震災で壊れた瓦を補修した際、漆喰壁をガルバリウム鋼板で覆ったためです。
- 石上酒造文庫蔵は外から見られますか?
- 北の妻面が街路に面しているので、2階の窓は敷地の外から見える位置にあります。内部は非公開で、敷地内の見学は事前予約制です。
基本情報
| 名称 | 石上酒造文庫蔵(いしがみしゅぞうぶんこくら) |
|---|---|
| 所在地 | 千葉県銚子市田中町7-1 |
| 指定区分 | 登録有形文化財(建造物)、登録番号12-252 |
| 指定年 | 平成30年(2018年)3月27日登録 |
| 員数 | 1棟 |
| 寸法 | 土蔵造2階建、瓦葺、桁行7.7メートル・梁間5.9メートル、建築面積40平方メートル |
| 所有者 | 個人 |
| 公開状況 | 内部は非公開。北妻面は街路から見える。敷地内の見学は石上酒造への事前予約制 |
参考文献
- 国指定文化財等データベース(文化庁):石上酒造文庫蔵
- https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00012107
- 千葉県:石上酒造米蔵ほか
- https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/bunkazai/bunkazai/q111-102.html
- 銚子市:石上酒造米蔵・麹室・仕込蔵(醪蔵)・貯蔵蔵・文庫蔵
- https://www.city.choshi.chiba.jp/edu/sg-guide/page210178.html
- 銚子時間:石上酒造(国登録有形文化財)
- https://choshi-jikan.jp/area-walk/araoi/spot02.html
最終更新日: 2026.09.30