河井寬次郎記念館(旧河井寬次郎邸)主屋とは

河井寬次郎記念館(旧河井寬次郎邸)主屋は、京都市東山区鐘鋳町の河井寬次郎記念館で路地に面して建つ昭和12年(1937年)の木造2階建の住宅で、平成12年(2000年)に登録有形文化財に登録された。

陶工河井寬次郎が住まいと仕事場を兼ねて建てた家で、設計は寬次郎自身と伝わる。屋根は瓦葺の寄棟造で、棟と直角の面を通りに向ける妻入とし、正面は軒を張り出した出桁造にする。建築面積は148㎡。京都市の紹介では、施工は郷里島根県安来の大工である兄・河井善左衛門が担った。

河井寬次郎記念館の主屋が登録された理由

河井寬次郎記念館の主屋は「造形の規範となっているもの」として登録された。文化庁の解説は、千本格子や矢来といった京都の町家の意匠を取り込みつつ、囲炉裏を切った板敷の広間、古色に仕上げた材、漆塗りの建具に、寬次郎独自の住宅観と美意識が表れていると評する。

京都市によれば、寄棟の屋根は、郷里安来に多い妻入・入母屋造の大きな町家の形を、京都の町並みになじむように置き換えたものという。出桁造は、柳宗悦や濱田庄司とともに民藝運動に深く関わった寬次郎が、民家の美として取り入れたと考えられている。安来の大工の家に育った陶工が、京都の通りに自分の生まれた土地の家の形を持ち込んだことになる。

河井寬次郎記念館の主屋の見どころ

まず路地から正面を見たい。1階と2階はともに平格子で、1階の南寄りは仕舞屋の格子に近い細かな割り付け、1階の北寄りと2階は縦桟の間隔を広く取っていて、同じ面の中で表情が変わる。外壁は京壁である。

中に入ると、平面の中央に板張りの広間が吹抜になって開け、そのまわりに居室が並ぶ。2階へ上がる階段はこの広間から伸びている。通り庭に沿って部屋が奥へ連なる京町家の間取りとは違い、広間を家の中心に据えた構成は京都の町家として珍しいと京都市は記す。

広間の床が一段で終わらないことにも気づくだろう。文化庁の解説は、室内の床を二段に構成する手法が、先に建った陶房と主屋の広間に共通すると述べている。陶房では、椅子に腰かけて使う低い床と、座って使う高い床を分けていた。

河井寬次郎記念館の主屋を見学する

河井寬次郎記念館の主屋は記念館の入口を兼ね、開館日には内部を見学できる。寬次郎の家具や作品が当時の暮らしに近い形で置かれ、観光案内では2階の書斎や居間も見て回れると紹介されている。

格子と出桁の正面は路地からいつでも見えるが、道幅が狭く車も通るので、立ち止まるときは端に寄りたい。開館時間や入館料、行き方は河井寬次郎記念館のページにまとめてある。

Q&A

Q河井寬次郎記念館の主屋はいつ建てられましたか?
A昭和12年(1937年)です。平成12年(2000年)4月28日に登録有形文化財に登録されました。
Q河井寬次郎記念館の主屋は誰が設計しましたか?
A陶工河井寬次郎自身の設計と伝わります。京都市によれば、施工は郷里安来の大工である兄・河井善左衛門です。
Q河井寬次郎記念館の主屋はどんな建物ですか?
A木造2階建、瓦葺の寄棟造で、通りに妻を向けた妻入、正面は出桁造です。建築面積は148㎡あります。
Q河井寬次郎記念館の主屋の内部で注目すべき点は?
A中央の吹き抜けの広間です。囲炉裏を切った板敷の空間で、ここから階段が2階へ上がり、床は二段に分かれています。
Q河井寬次郎記念館の主屋の中に入れますか?
Aはい。主屋は記念館の入口を兼ねており、開館日には入館料を払って内部を見学できます。

基本情報

名称河井寬次郎記念館(旧河井寬次郎邸)主屋
所在地京都府京都市東山区馬町通大和大路東入鐘鋳町569他
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成12年(2000年)4月28日登録
員数1棟
寸法木造2階建、建築面積148㎡
所有者不明(文化庁データベースに記載なし)
公開状況公開(河井寬次郎記念館として開館)

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)河井寬次郎記念館(旧河井寬次郎邸)主屋
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00001715
文化遺産オンライン 河井寬次郎記念館(旧河井寬次郎邸)主屋
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/148325
京都市 京都市の歴史的建造物 河井寬次郎記念館(PDF)
https://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/cmsfiles/contents/0000305/305675/b03kanjiro.pdf
アートプラットフォームジャパン(文化庁)日本アーティスト事典 河井寬次郎
https://artplatform.go.jp/ja/artists/A1263

最終更新日: 2026.10.15