石垣の上に白く立つ二重の楼

本願寺四日市別院太鼓楼は、大分県宇佐市四日市にある浄土真宗本願寺派の別院の太鼓楼で、弘化4年(1847年)に建てられ、平成28年(2016年)に国の登録有形文化財となった。

境内正面の北端に建つ。土蔵造の2階建で、建築面積は16平方メートル。石垣を積んだ基壇の上に載り、下層は方二間、上層は方一間と、上へ行くほど平面が小さくなる。屋根は上層が入母屋造、下層はそこから葺き下ろす形とする。

境内11棟のうち、建立年が一年単位で分かっているのは本堂と本願寺四日市別院太鼓楼だけである。弘化4年は本堂の安政6年(1859年)より12年早い。

蔵の構法で楼を建てる

この建物の特色は、太鼓を納める楼に土蔵の構法を用いた点にある。外壁も軒裏も漆喰で塗り込め、木部を外に出さない。火に強く、湿気にも耐える。太鼓という楽器を長く保つには理にかなった選択である。

ただし塗り込めきってはいない。柱、長押、桁、腕木の形が漆喰の下から浮き上がるように造形されており、白い壁面に木組みの輪郭が薄い凹凸として残る。実際の木を見せずに、木造建築に見える表情をつくっている。本願寺四日市別院太鼓楼を近くで見ると、この操作がよく分かる。

上層の各面には花頭窓が開き、内部に太鼓を吊る。窓の輪郭が白壁を切り抜くので、遠目にも上層の位置が読める。

白い面をどう見るか

本願寺四日市別院太鼓楼は白一色に近い建物なので、光の当たり方で表情が大きく変わる。正午前後の強い光では壁が飛んで、浮き彫りにした柱や長押の陰影が消える。朝夕の斜めの光なら、それが立ち上がる。

石垣の基壇も見ておきたい。建物が小さいぶん、基壇の高さが立ち姿を決めている。真横から見ると、石積みから漆喰の壁へ、そして瓦へと、質感が三段に切り替わるのが分かる。

南端の鐘楼と一対で正面をつくるので、二棟を同じ画面に入れて比べるとよい。

本願寺四日市別院太鼓楼の見学

本願寺四日市別院太鼓楼は屋外の建物で、外観は境内から自由に見られる。上層への立ち入りはできず、内部は非公開である。吊られた太鼓を間近に見ることはできない。

撮影は外観であれば制限はない。北端に建つため、午前中は東からの光が正面に回り、午後は逆光になりやすい。白壁の質感を撮るなら午前が向く。

境内の拝観条件と交通は、本願寺四日市別院の案内を参照してほしい。

よくある質問

Q本願寺四日市別院太鼓楼はいつ建てられましたか。
A弘化4年(1847年)の建立です。境内で建立年が一年単位で分かっている二棟のうちの一つです。
Q本願寺四日市別院太鼓楼はなぜ白いのですか。
A土蔵造だからです。外壁も軒裏も漆喰で塗り込めており、防火と防湿を兼ねています。太鼓を長く保つのに適した構法です。
Q本願寺四日市別院太鼓楼の内部は見学できますか。
Aできません。上層への立ち入りはできず、内部は非公開です。吊られた太鼓を間近に見ることはできません。
Q本願寺四日市別院太鼓楼の見どころはどこですか。
A漆喰の下に柱や長押、桁、腕木の形を浮き上がらせた壁面です。上層各面の花頭窓と、石垣を積んだ基壇も見どころです。
Q本願寺四日市別院太鼓楼はどのくらいの大きさですか。
A建築面積16平方メートルの2階建です。下層は方二間、上層は方一間で、上へ行くほど小さくなります。

基本データ

名称本願寺四日市別院太鼓楼
所在地大分県宇佐市四日市1410-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成28年(2016年)2月25日登録
員数1棟
寸法建築面積16平方メートル、下層は方二間、上層は方一間
所有者宗教法人本願寺四日市別院
公開状況境内から外観の見学可。上層と内部は非公開

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース 本願寺四日市別院太鼓楼
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011023
宇佐市 指定等文化財一覧
https://www.city.usa.oita.jp/sougo/soshiki/18/shakaikyoiku/3/bunkazai/2149.html
宇佐市 東本願寺・西本願寺四日市別院
https://www.city.usa.oita.jp/tourist/touristspot/touristspot2/touristspot3/10183.html
大分県 国指定・選定等文化財一覧
https://www.pref.oita.jp/kyoiku/tmp/bunka/post-101/1.pdf

最終更新日: 2026.09.13