本堂に向き合って建つ吹放しの一棟

本願寺四日市別院茶所は、大分県宇佐市四日市にある浄土真宗本願寺派の別院の茶所で、大正時代の後期(1919年〜1926年)に建てられ、平成28年(2016年)に国の登録有形文化財となった。

山門の北側に、本堂と向かい合う向きで建つ。木造平屋建、建築面積は65平方メートル。屋根は入母屋造桟瓦葺で、妻を正面に向けた妻入とする。正面の一間通りは建具を入れず吹放しにしてあり、参道から直接足を踏み入れられる。

茶所は、参詣に来た人が腰を下ろし、茶の接待を受けて休む建物である。茶室とは役割が違う。本願寺四日市別院茶所の吹放しの造りは、この用途をそのまま形にしたものといえる。

小さな建物に本堂と同じ意匠を入れる

内部は間仕切りのない一室である。背面の中央に仏壇を据え、その両脇に物入を設ける。休息の場でありながら、正面には拝む対象が置かれている。

注目したいのは装飾の質である。各欄間には箔押しの彫刻欄間が嵌まり、天井は格天井とする。65平方メートルの建物に、本堂の内陣まわりと通じる手法が持ち込まれている。文化庁の解説は、本願寺四日市別院茶所を真宗寺院伽藍の構成を示す一棟と位置づけている。

登録の基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、境内10棟がこの基準による。

天井の紋を見上げる

格天井の各格間には桐と下がり藤の紋が描かれている。下がり藤は浄土真宗本願寺派が用いる紋で、この建物がどの宗派に属するかが天井を見上げるだけで分かる。吹放しの正面から入って首を後ろに倒せば、格子の連なりと紋の反復が視野いっぱいに広がる。

彫刻欄間の箔押しは、正面からの光では平らに見える。斜めに立って光を逃がすと、彫りの深さと箔の照りが分かれて見えてくる。

本願寺四日市別院茶所は正面が吹放しなので、外から内部の様子がある程度うかがえる。境内で最も気軽に中の造りを見られる建物である。

本願寺四日市別院茶所の見学

本願寺四日市別院茶所は正面一間が吹放しで、そこから内部の天井や欄間を見ることができる。ただし建物の奥へ立ち入れるかどうかは寺の使用状況による。法要の期間は使われていることがあるので、様子を見て判断してほしい。

撮影は外観と、吹放しから見える範囲であれば差し支えない。天井の紋を撮るなら、正面のできるだけ内側に寄って上を向くと格子の歪みが減る。

境内の拝観時間や行き方は、本願寺四日市別院の案内にまとめてある。

よくある質問

Q本願寺四日市別院茶所は何のための建物ですか。
A参詣に来た人が休み、茶の接待を受けるための建物です。茶室とは役割が異なり、正面の一間通りが吹放しになっています。
Q本願寺四日市別院茶所はいつ建てられましたか。
A大正時代の後期、西暦では1919年から1926年の間の建立とされています。
Q本願寺四日市別院茶所の天井には何が描かれていますか。
A格天井の格間に桐と下がり藤の紋が描かれています。下がり藤は浄土真宗本願寺派の紋です。
Q本願寺四日市別院茶所の中に入れますか。
A正面一間が吹放しなので、そこから内部の天井や欄間を見ることができます。奥へ立ち入れるかは寺の使用状況によります。
Q本願寺四日市別院茶所の大きさはどれくらいですか。
A木造平屋建で建築面積は65平方メートルです。内部は間仕切りのない一室で、背面中央に仏壇があります。

基本データ

名称本願寺四日市別院茶所
所在地大分県宇佐市四日市1410-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成28年(2016年)2月25日登録
員数1棟
寸法建築面積65平方メートル
所有者宗教法人本願寺四日市別院
公開状況正面一間が吹放しで、そこから内部を見学可。奥への立入は寺の使用状況による

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース 本願寺四日市別院茶所
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011022
宇佐市 指定等文化財一覧
https://www.city.usa.oita.jp/sougo/soshiki/18/shakaikyoiku/3/bunkazai/2149.html
宇佐市 東本願寺・西本願寺四日市別院
https://www.city.usa.oita.jp/tourist/touristspot/touristspot2/touristspot3/10183.html
大分県 国指定・選定等文化財一覧
https://www.pref.oita.jp/kyoiku/tmp/bunka/post-101/1.pdf

最終更新日: 2026.09.13