対面所の裏に控える門主の私室

本願寺四日市別院御成御殿は、大分県宇佐市四日市にある浄土真宗本願寺派の別院の建物で、昭和時代前期(1926年〜1945年)に建てられ、平成28年(2016年)に国の登録有形文化財となった。門主が滞在中に使う控所である。

対面所の背面に渡廊下でつながる。木造平屋建で建築面積は107平方メートル。屋根は入母屋造桟瓦葺で、周囲には鉄板葺の庇を廻らす。

境内11棟のなかで最も新しい。本堂の安政6年(1859年)から数えて、本願寺四日市別院御成御殿までおよそ80年の幅がある。伽藍がひととおり整ったあと、最後に人が休む場所が加えられたことになる。

公式の座敷と私室の落差

内部は8畳の部屋を2室並べ、渡廊下の北側に4畳半と3畳を置く。対面所が205平方メートルで格式を整えているのに対し、こちらは107平方メートル。数字だけでも性格の違いが出る。

意匠の方向も反転する。南側の8畳の床まわりには丸太の床柱を立て、床脇の仕切壁、天袋、地袋、明かり窓に数寄屋造風の自由なつくりを見せる。書院の規範に従うのではなく、崩して面白がる意匠である。表で対面を済ませた人物が、裏で肩の力を抜く場所として設えられている。

本願寺四日市別院御成御殿の登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、境内10棟がこれに当たる。

外から読み取れること

内部が非公開である以上、見られるのは外観に限られる。それでも分かることはある。まず庇である。屋根本体は瓦葺だが、周囲を廻る庇は鉄板葺で、素材が切り替わる線が壁の上に一本走る。昭和前期の建物らしい取り合わせといえる。

次に渡廊下である。対面所の背面から本願寺四日市別院御成御殿へ渡る廊下が架かっており、二棟が別棟でありながら一続きに使われていたことが外から見て取れる。北側へ回ると接続の様子が分かりやすい。

建物の規模が小さいので、対面所や庫裏の陰に入って見つけにくい。位置を意識して探したほうがよい。

本願寺四日市別院御成御殿の見学

本願寺四日市別院御成御殿の内部は非公開である。8畳2室も、丸太の床柱を立てた床まわりも、外からは見えない。

外観は境内から見学できるが、対面所の背面にあたるため正面からは望みにくい。北寄りに回り込める範囲で位置を変えると、屋根と庇の取り合いが見える。撮影は外観であれば制限はない。

境内全体の拝観時間や行き方は、本願寺四日市別院の案内にまとめてある。

よくある質問

Q本願寺四日市別院御成御殿は何のための建物ですか。
A門主が滞在中に使う控所です。対面所の背面に渡廊下でつながっています。
Q本願寺四日市別院御成御殿はいつ建てられましたか。
A昭和時代の前期、西暦では1926年から1945年の間の建立とされています。境内11棟のなかで最も新しい建物です。
Q本願寺四日市別院御成御殿の内部はどうなっていますか。
A8畳の部屋を2室並べ、渡廊下の北側に4畳半と3畳を置きます。南側の8畳の床まわりには丸太の床柱を立て、数寄屋風の意匠を見せます。
Q本願寺四日市別院御成御殿は見学できますか。
A内部は非公開です。外観は境内から見られますが、対面所の背面にあたるため正面からは望みにくい位置にあります。
Q本願寺四日市別院御成御殿と対面所はどう違いますか。
A対面所は門主が末寺や門徒と公式に面会する建物、御成御殿はその門主が休む私的な建物です。面積も205平方メートルと107平方メートルで異なります。

基本データ

名称本願寺四日市別院御成御殿
所在地大分県宇佐市四日市1410-1
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成28年(2016年)2月25日登録
員数1棟
寸法建築面積107平方メートル、8畳2室ほか
所有者宗教法人本願寺四日市別院
公開状況内部は非公開。外観は境内から見学可

参考文献

文化庁 国指定文化財等データベース 本願寺四日市別院御成御殿
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00011018
宇佐市 指定等文化財一覧
https://www.city.usa.oita.jp/sougo/soshiki/18/shakaikyoiku/3/bunkazai/2149.html
宇佐市 東本願寺・西本願寺四日市別院
https://www.city.usa.oita.jp/tourist/touristspot/touristspot2/touristspot3/10183.html
大分県 国指定・選定等文化財一覧
https://www.pref.oita.jp/kyoiku/tmp/bunka/post-101/1.pdf

最終更新日: 2026.09.13