寶福寺秋葉宮石垣及び玉垣 ― 3種の石積みで社の土台を築く

寶福寺秋葉宮石垣及び玉垣(ほうふくじあきばぐういしがきおよびたまがき)は、岡山県総社市井尻野の寶福寺境内で秋葉宮の南端を画する明治時代中期の石垣と石造の玉垣で、2009年(平成21年)4月28日に国の登録有形文化財に登録された。

秋葉宮は寺の山内北西の高台にある。その南の縁に石を積み上げて平らな境内地を造り出し、拝殿の南に長い石段を通して、石段の両側を石垣で固めた。石垣の総延長は37メートル、高さは3.0メートル。石垣の上には石製の玉垣がめぐり、その総延長は40メートルに及ぶ。石段は大きく3つに区切られ、途中に石門を構えている。

秋葉宮の拝殿や本殿を訪れる人は、必ずこの石段を上ることになる。寶福寺秋葉宮石垣及び玉垣は、秋葉宮の建物を載せる土台であると同時に、参拝の道筋そのものを形づくる構造物である。

登録の理由と価値 ― 見られる面ほど丁寧に積む

寶福寺秋葉宮石垣及び玉垣は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」として登録された。登録番号は33-0227である。

文化庁の解説によると、一続きの石垣のなかで積み方が3通りに使い分けられている。石段に面した側は形を整えた石を積む切石積、角の部分は長方形の石の長辺と短辺を交互に組む算木積、それ以外の面は自然石を不規則に積む野石の乱積である。参拝者の目に最も近い石段沿いに手間のかかる切石を用い、崩れやすい角を算木積で固め、目に触れにくい面は野石で済ませている。見栄えと強度と手間の配分が、石の積み方にそのまま表れている。

見どころ

寶福寺秋葉宮石垣及び玉垣は、石段の下から見上げたときがいちばん迫力がある。高さ3.0メートルの石垣が両側から迫り、その上端に石の玉垣が水平に走る。石段は3つに区切られ、途中に立つ石門が上りの前半と後半を分けている。

石段を上りながら、石垣の表情の違いを確かめたい。石段側の面は目地が通り、平らに整えられている。角に回ると、細長い石が交互に噛み合う算木積の縦の線が見える。さらに外側の面では、大小の野石が不揃いに積まれ、同じ石垣とは思えないほど印象が変わる。

上りきったら振り返って、玉垣越しに寺の方向を見下ろしてみたい。この玉垣が、高台の社と下の伽藍とを分ける境界線になっていることが実感できる。

見学の手引き

寶福寺秋葉宮石垣及び玉垣は屋外の石造物で、秋葉宮へ上る石段に沿って築かれているため、石段を上り下りしながら間近に見られる。石垣の上に立つ玉垣は高台の境内の縁を画すもので、寄りかかったり身を乗り出したりしないようにしたい。

石段は寺の中心部から北西の方角にある。上った先に秋葉宮の拝殿と手水舎が並び、本殿や五社明神宮はさらにその奥に位置する。石段は長いので、雨上がりや落ち葉の季節は足元に注意したい。

石垣は、石段の下から全体を収めるように撮ると、切石積・算木積・野石乱積の使い分けと上端の玉垣の関係がよくわかる。撮影を制限する掲示は案内類には見当たらない。

Q&A

Q寶福寺秋葉宮石垣及び玉垣とは何ですか。
A秋葉宮の境内の南端を画し、境内地を造成した石垣と、その上にめぐる石製の玉垣です。拝殿の南に通る長い石段と石門も付属します。
Q寶福寺秋葉宮石垣及び玉垣の規模は?
A石垣は総延長37メートル・高さ3.0メートル、玉垣は総延長40メートルです。
Q寶福寺秋葉宮石垣及び玉垣の石積みの特徴は?
A石段側を切石積、隅を算木積、その他の面を野石乱積とし、場所によって積み方を使い分けています。
Q寶福寺秋葉宮石垣及び玉垣はいつ造られ、いつ登録されましたか。
A明治時代中期の築造で、2009年(平成21年)4月28日に国の登録有形文化財に登録されました。
Q寶福寺秋葉宮石垣及び玉垣は近くで見られますか。
A見られます。秋葉宮へ上る石段の両側に築かれているため、石段を上りながら石積みを間近に観察できます。

基本情報

名称寶福寺秋葉宮石垣及び玉垣(ほうふくじあきばぐういしがきおよびたまがき)
所在地岡山県総社市井尻野2068-4
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年2009年(平成21年)登録
員数1基
寸法石垣 石造、総延長37メートル・高さ3.0メートル、玉垣 石造、総延長40メートル、石段及び石門付
所有者宗教法人寶福寺
公開状況屋外のため見学可

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)寶福寺秋葉宮石垣及び玉垣
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/101/00007688
文化遺産オンライン 寶福寺秋葉宮石垣及び玉垣
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/192410
総社市 国登録_宝福寺建造物群(方丈・庫裏・仏殿など全24件)
https://www.city.soja.okayama.jp/soshiki/26/2960.html

最終更新日: 2026.09.25