ヤマサン醤油北醤油蔵とは

ヤマサン醤油北醤油蔵は、香川県小豆郡小豆島町馬木のヤマサン醤油の醸造場北部に建つ明治後期の土蔵造平屋建の醤油蔵で、平成14年(2002年)に登録有形文化財に登録された。

棟を東西に通した切妻造、瓦葺の蔵で、桁行30間、梁間5間。建築面積は546平方メートルあり、ヤマサン醤油の登録文化財11件のうちで最も大きい。年代も11件の中でただひとつ明治にさかのぼり、醸造場の建物群の中では最初期の一棟に当たる。

ヤマサン醤油北醤油蔵の南には槽場が並び、西の妻には桶場が接している。醸造場の北の縁を長い壁で区切る位置にあり、敷地の輪郭そのものをこの蔵がつくっている。

登録の理由と醸造の中核としての役割

文化庁の解説はヤマサン醤油北醤油蔵を「醤油醸造の中核的施設」と位置づける。かつて蔵の中には醸造用の木桶がおよそ100基据えられていたと伝わり、仕込んだもろみを長い時間をかけて熟成させる場がここだった。

登録時の解説では、蔵はその後倉庫として使われているとされる。醸造の方式が変わっても建物は取り壊されず、用途を替えながら残ってきたことになる。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」で、30間の土蔵の壁と屋根が一続きに延びる姿が評価の中心にある。

ヤマサン醤油北醤油蔵の見どころ

ヤマサン醤油北醤油蔵の内部は、梁間の中央に1列の柱を立てて屋根を支えている。梁間5間、約9メートルの幅を1本の梁で渡さず、中央の柱列で受ける構成で、長さ30間の空間を柱の列が奥までまっすぐ貫く。木桶が並んでいた頃の様子は、この柱列を手がかりに思い描くとよい。

外観では屋根の長さに注目したい。30間はおよそ55メートルに当たり、同じ瓦屋根の棟がそれだけ続く蔵は、醤油蔵の多い馬木でも目を引く。土蔵造の厚い壁は、温度の変化をやわらげる役目も担っていた。

西の妻に取り付く桶場は平面が菱形にゆがんでおり、北醤油蔵の端との納まりを見比べると、敷地の形に合わせて建物が継がれていった様子がわかる。

ヤマサン醤油北醤油蔵の見学方法

ヤマサン醤油北醤油蔵は醸造場の奥にあり、外の道から全体を見通すことはできない。小豆島町の観光案内は予約制の蔵見学の見学先に「もろみ蔵」や「土蔵」を挙げているが、それがヤマサン醤油北醤油蔵を指すかどうかは明記していない。

見学を予約する際に、この蔵が案内に含まれるか、内部の柱列まで見られるかを確かめておくとよい。撮影の可否も案内の際に尋ねてほしい。

Q&A

Qヤマサン醤油北醤油蔵はどんな建物ですか?
Aヤマサン醤油北醤油蔵は、ヤマサン醤油の醸造場北部に東西に延びる明治後期の土蔵造平屋建の醤油蔵で、桁行30間、建築面積546平方メートルです。
Qヤマサン醤油北醤油蔵はいつ登録有形文化財になりましたか?
Aヤマサン醤油北醤油蔵は平成14年(2002年)6月25日に登録有形文化財に登録されました。
Qヤマサン醤油北醤油蔵ではかつて何が行われていましたか?
Aヤマサン醤油北醤油蔵には醸造用の木桶がおよそ100基据えられていたと伝わり、もろみを熟成させる醸造の中核施設でした。登録時の解説では倉庫として使われているとされます。
Qヤマサン醤油北醤油蔵の内部にはどのような特徴がありますか?
Aヤマサン醤油北醤油蔵は梁間の中央に1列の柱を立てて屋根を支えており、長さ約55メートルの内部を柱列がまっすぐ貫いています。
Qヤマサン醤油北醤油蔵は見学できますか?
Aヤマサン醤油北醤油蔵は醸造場の内部にあるため、見学は予約制の蔵見学によります。この蔵が案内に含まれるかは予約時に確認してください。

基本情報

名称ヤマサン醤油北醤油蔵
所在地香川県小豆郡小豆島町馬木字石井甲140-2
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成14年(2002年)登録
員数1棟
寸法建築面積546㎡(土蔵造平屋建)
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況敷地内は予約制の蔵見学で案内

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)ヤマサン醤油北醤油蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002832
小豆島町「ヤマサン醤油株式会社」
https://www.town.shodoshima.lg.jp/kanko/miru/sangyo/yamasan.html

最終更新日: 2026.09.24