ヤマサン醤油東麹蔵とは

ヤマサン醤油東麹蔵は、香川県小豆郡小豆島町馬木のヤマサン醤油の醸造場東側に建つ大正期の土蔵造平屋建の麹蔵で、平成14年(2002年)に登録有形文化財に登録された。

北醤油蔵の南、三階建醤油醸造工場の東に位置し、両者との間には作業広場が開けている。棟は南北に通り、桁行は15間。建築面積は241平方メートルで、瓦葺の屋根をかける。

ヤマサン醤油東麹蔵の西の前面、広場の南北には花崗岩の洗い場が2か所設けられている。原料を洗う場所と麹をつくる蔵が向かい合う配置で、広場を中心にした作業の動きが建物の並びから読み取れる。

麹室としての価値

醤油づくりでは、蒸した大豆と炒った小麦に麹菌を付けて麹をつくり、それを塩水と合わせてもろみを仕込む。麹の出来が味を左右するため、温度と湿度を細かく管理できる部屋が要る。ヤマサン醤油東麹蔵はそのための建物で、文化庁の解説も「醤油醸造に欠くことのできない施設」と記している。

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。三階建工場が高さで醸造場を印象づけるのに対し、この麹蔵は広場を縁どる長い土蔵の壁として景観をかたちづくっている。

ヤマサン醤油東麹蔵の見どころ

ヤマサン醤油東麹蔵の内部は5室の麹室に仕切られている。15間の長さを5つに分けることで、仕込みの時期をずらしながら部屋ごとに麹を育てることができたと考えられる。

西面には幅1間の下屋を差し掛け、そこを戸前としている。麹室は外気の出入りを嫌うため、入口の前に下屋の緩衝帯を設けて直接の風を避けたつくりである。広場側から見ると、この下屋が蔵の長い西面に水平の影を落とす。

北の妻面には温度調節のための小窓が2か所開けられている。厚い土壁にわずかな開口だけを穿った妻面は、熱と湿気を閉じ込めつつ逃がす、麹室の工夫がそのまま外に表れた部分である。

ヤマサン醤油東麹蔵の見学方法

ヤマサン醤油東麹蔵は醸造場の内側、作業広場の東に建っており、見学は予約制の蔵見学による。小豆島町の観光案内は見学先に「麹部屋」を挙げているが、それがヤマサン醤油東麹蔵を指すのか、道向かいの製麹長屋門の麹室を指すのかは記されていない。

麹室は衛生管理のために立ち入りが制限されることが多い。内部に入れるか、外から下屋と北妻の小窓を見る形になるかは、予約の際に確かめておきたい。撮影の可否も同じく案内の際に尋ねてほしい。

Q&A

Qヤマサン醤油東麹蔵はどのような建物ですか?
Aヤマサン醤油東麹蔵は、ヤマサン醤油の醸造場で麹をつくるために使われた大正期の土蔵造平屋建の蔵で、桁行15間、建築面積241平方メートルです。
Qヤマサン醤油東麹蔵の登録年はいつですか?
Aヤマサン醤油東麹蔵は平成14年(2002年)6月25日に登録有形文化財に登録されました。
Qヤマサン醤油東麹蔵の内部はどうなっていますか?
Aヤマサン醤油東麹蔵の内部は5室の麹室に分かれています。西面の下屋が戸前となり、北の妻面には温度調節用の小窓が2か所あります。
Qヤマサン醤油東麹蔵の前にある石の設備は何ですか?
Aヤマサン醤油東麹蔵の西前面にある花崗岩の井戸と石敷は、同じく登録有形文化財のヤマサン醤油洗い場で、醤油の原料を洗う場所でした。
Qヤマサン醤油東麹蔵の中に入ることはできますか?
Aヤマサン醤油東麹蔵の見学は予約制の蔵見学によります。麹室への立ち入りの可否は案内によるため、予約時に確認してください。

基本情報

名称ヤマサン醤油東麹蔵
所在地香川県小豆郡小豆島町馬木字石井甲140-2
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成14年(2002年)登録
員数1棟
寸法建築面積241㎡(土蔵造平屋建)
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況敷地内は予約制の蔵見学で案内

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)ヤマサン醤油東麹蔵
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002833
小豆島町「ヤマサン醤油株式会社」
https://www.town.shodoshima.lg.jp/kanko/miru/sangyo/yamasan.html

最終更新日: 2026.09.24