ヤマサン醤油洗い場とは

ヤマサン醤油洗い場は、香川県小豆郡小豆島町馬木のヤマサン醤油の醸造場にある昭和初期の石造の洗い場で、平成14年(2002年)に登録有形文化財に登録された。

屋根や壁をもつ建物ではなく、花崗岩で組んだ井戸、花崗岩を敷き詰めた洗い場、排水溝からなる屋外の作業施設である。東麹蔵の西の前面に開けた作業広場の北と南に、対になって2か所設けられている。

北側の洗い場は6.5メートル×4.3メートル、南側は3.6メートル×2.8メートルで、面積はそれぞれ28平方メートルと10平方メートル。登録上は2か所をまとめてヤマサン醤油洗い場1件として扱う。

登録の理由と価値

ヤマサン醤油洗い場は醤油の原料を洗うための場所だった。大豆や小麦を仕込みに回す前に水で洗い、汚れを落とす工程は、どの醸造場にも欠かせない。文化庁の解説は、この洗い場が醤油醸造場に特有の作業空間をつくり上げていると評価している。

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。建物の登録が多い中で、井戸と石敷という地面の造作が登録されている点に、この醸造場の記録の細かさが表れている。蔵や工場だけでなく、そのあいだで人が水を汲み、原料を洗った場所まで含めて、醸造場の姿が残されている。

ヤマサン醤油洗い場の見どころ

ヤマサン醤油洗い場の見どころは、石の使い方にある。井戸の側も、足もとの敷石も、水を流す溝も花崗岩で、小豆島が江戸時代から石材の産地として知られてきたことを思い出させる。濡れても滑りにくく、重い桶を置いても割れにくい石が選ばれている。

北と南で大きさが違うことにも目を向けたい。北側は南側のおよそ3倍の広さがある。作業広場のどちら側で、どの程度の量を洗っていたのか。2つを見比べると、広場の使い分けを想像する手がかりになる。

排水溝の向きをたどると、洗った水をどこへ逃がしていたかがわかる。周りの東麹蔵や操作場、米蔵の足もとと合わせて見ると、広場全体が水を扱う前提で組み立てられていることに気づく。

ヤマサン醤油洗い場の見学方法

ヤマサン醤油洗い場は醸造場内の作業広場にあり、外の道からは見えない。見学は予約制の蔵見学による。広場は東麹蔵や三階建工場に囲まれた場所なので、蔵見学の順路で広場を通るかどうかを予約の際に尋ねるとよい。

石敷や井戸は屋外にあり、雨の日は濡れて足もとが悪くなる。井戸の縁に腰掛けたり物を置いたりしないよう注意したい。撮影してよい範囲は案内の際に確認してほしい。

Q&A

Qヤマサン醤油洗い場とはどんな文化財ですか?
Aヤマサン醤油洗い場は、花崗岩の井戸、花崗岩敷の洗い場、排水溝からなる昭和初期の屋外の作業施設で、醤油の原料を洗うために使われました。
Qヤマサン醤油洗い場はいつ登録されましたか?
Aヤマサン醤油洗い場は平成14年(2002年)6月25日に登録有形文化財に登録されました。
Qヤマサン醤油洗い場の大きさはどのくらいですか?
Aヤマサン醤油洗い場は2か所あり、北側が6.5メートル×4.3メートル、南側が3.6メートル×2.8メートルです。面積はそれぞれ28平方メートルと10平方メートルです。
Qヤマサン醤油洗い場はどこにありますか?
Aヤマサン醤油洗い場は、ヤマサン醤油の醸造場で東麹蔵の西前面に開けた作業広場の北と南にあります。
Qヤマサン醤油洗い場は見学できますか?
Aヤマサン醤油洗い場は醸造場の内部にあり、見学は予約制の蔵見学によります。順路に含まれるかは予約時に確認してください。

基本情報

名称ヤマサン醤油洗い場
所在地香川県小豆郡小豆島町馬木字石井甲140-2
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成14年(2002年)登録
員数1棟(2か所)
寸法面積28㎡及び10㎡(石造、井戸付)
所有者文化庁データベースに記載なし
公開状況敷地内は予約制の蔵見学で案内

参考文献

国指定文化財等データベース(文化庁)ヤマサン醤油洗い場
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00002834
文化遺産オンライン ヤマサン醤油洗い場
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/115714
小豆島町「ヤマサン醤油株式会社」
https://www.town.shodoshima.lg.jp/kanko/miru/sangyo/yamasan.html

最終更新日: 2026.09.24