若桜鉄道落石覆とは

若桜鉄道落石覆(わかさてつどうらくせきおおい)は、鳥取県八頭郡八頭町用呂字向山で山沿いの線路を覆う昭和30年(1955年)完成の鉄筋コンクリート造構造物で、平成20年(2008年)7月8日に登録有形文化財(建造物)として登録された。

山の斜面から落ちてくる石から列車と線路を守る施設で、雪覆から北へ350メートル、丹比駅と若桜駅の間にある。延長は35メートル、面積は413平方メートル。北側の坑口には、落石を食い止める擁壁が付いている。

側壁には半円アーチの開口が14連並ぶ。高さ2メートルを超える頂部には土が詰められ、石が落ちてきたときのクッションの役目を果たす。

登録の理由と価値

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。若桜線の丹比駅と若桜駅の間は山が川岸まで迫る区間で、線路は斜面の裾を縫うように走る。若桜鉄道落石覆は、昭和30年(1955年)にそこへ加えられた防護施設で、山間の鉄道が落石とどう向き合ったかを目に見える形で残している。

屋根に土を載せて衝撃を和らげる考え方は、上から落ちてくるものを受け止めるという目的に直結している。文化庁のデータベースは、近くの雪覆と対照的な重厚なつくりと評している。

見どころ ― 14連の半円アーチ

若桜鉄道落石覆の外観を決めているのは、側壁に一定の間隔で開いた14の半円アーチである。トンネルのように閉じてしまわず、アーチの開口から光と風を入れている。列車の中からは、アーチの向こうに谷の景色が一つずつ切り取られて流れていく。

350メートル南の雪覆は細い柱と片流れ屋根の軽い構造だった。雪なら流せば済むが、石は受け止めなければならない。目的の違いが厚みの違いになって現れている点を、2つを続けて見て確かめたい。

見学方法

若桜鉄道落石覆は線路上の構造物で、線路内には立ち入れない。列車では丹比駅と若桜駅の間でこの覆いを通り抜ける。外観は周辺から眺めることになるが、落石の危険がある斜面の直下に近づくのは避けたい。

撮影は線路から十分に離れ、私有地に入らないように行う。沿線への行き方は若桜鉄道のページにまとめてある。

Q&A

Q若桜鉄道落石覆は何のための施設ですか?
A山の斜面から落ちてくる石から線路と列車を守るための鉄筋コンクリート造の覆いです。頂部に詰めた土が落石のクッションになります。
Q若桜鉄道落石覆はいつ造られましたか?
A昭和30年(1955年)の完成です。平成20年(2008年)に登録有形文化財となりました。
Q若桜鉄道落石覆の特徴は?
A側壁に14連の半円アーチが並び、北側の坑口には落石止めの擁壁が付きます。延長は35メートル、面積は413平方メートルです。
Q若桜鉄道落石覆と雪覆はどれくらい離れていますか?
A落石覆は雪覆の北約350メートルにあり、列車では続けて通過します。軽い雪覆と重厚な落石覆の対比が見どころです。
Q若桜鉄道落石覆は近くで見られますか?
A線路内には入れません。丹比駅と若桜駅の間を走る列車の車窓か、周辺から外観を見ます。落石の危険がある斜面には近づかないでください。

基本情報

名称若桜鉄道落石覆
所在地鳥取県八頭郡八頭町用呂字向山
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成20年(2008年)7月8日登録
員数1棟
寸法延長35メートル、面積413平方メートル(鉄筋コンクリート造、側壁半円アーチ14連、北側落石止擁壁付)
所有者八頭町
公開状況線路内は立入禁止。列車の車窓と周辺から外観を見学

参考文献

若桜鉄道落石覆(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007297
若桜鉄道落石覆(文化遺産オンライン)
https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/198289
登録有形文化財ご紹介(若桜鉄道株式会社)
https://wakatetsu.co.jp/bunkazai
近代化遺産としての若桜鉄道(八頭町観光協会 やずナビ)
https://yazukanko.jp/feature/wakasarailroad/

最終更新日: 2026.09.26