若桜鉄道雪覆とは

若桜鉄道雪覆(わかさてつどうゆきおおい)は、鳥取県八頭郡八頭町用呂字向山で線路の上に架けられた昭和23年(1948年)完成の鉄筋コンクリート造の覆いで、平成20年(2008年)7月8日に登録有形文化財(建造物)として登録された。

山の斜面から雪が滑り落ちて線路をふさぐのを防ぐための構造物で、若桜川橋梁から西北へ2キロ、丹比駅と若桜駅の間にある。延長は24メートル、面積は215平方メートル。

柱と梁を剛に接合したラーメン構造で、8スパンが一直線に並ぶ。屋根は約3寸勾配、つまり水平10に対して高さ3ほどの傾きをもつ片流れのコンクリートスラブで、山側から落ちてきた雪を谷側へ流す形になっている。

登録の理由と価値

登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」。若桜谷は雪の多い土地で、若桜線は開業時から雪と向き合ってきた。若桜鉄道雪覆は戦後まもなくの昭和23年(1948年)に設けられ、積雪地帯の鉄道が線路を守るためにどんな手を打ったかを示している。

文化庁のデータベースは、積雪地帯に特有の鉄道構造物と位置づける。駅舎や橋梁のように開業当初の施設ではないが、路線を使い続けるために後から加えられた設備として、若桜鉄道の23件の中で独自の役割を持つ。

見どころ ― 350メートル先の落石覆との対比

柱が細く、開口が大きく、屋根は薄い片流れのスラブ。若桜鉄道雪覆は、雪を受け流せば足りるという目的に沿った軽いつくりをしている。

その350メートル北には、昭和30年(1955年)の落石覆がある。こちらは側壁に14連の半円アーチを並べ、頂部に土を詰めた重厚な構造で、落石の衝撃を受け止めるためのものだ。雪と石という相手の違いが、そのまま構造の違いとして現れている。2つを続けて見ると、この区間の山の厳しさが分かる。

見学方法

若桜鉄道雪覆は線路上の構造物で、線路内には立ち入れない。列車では丹比駅と若桜駅の間でこの覆いの下を通り抜け、その前後で落石覆もくぐる。外観は周辺から眺めることになる。

撮影は線路から十分に離れ、私有地に入らないように行う。雪の季節は道路の状況が変わるため、車で近くまで行く計画は慎重に立てたい。沿線への行き方は若桜鉄道のページにまとめてある。

Q&A

Q若桜鉄道雪覆は何のための施設ですか?
A山からの落雪が線路へ転落するのを防ぐための鉄筋コンクリート造の覆いです。屋根を片流れにして、雪を谷側へ流します。
Q若桜鉄道雪覆はいつ造られましたか?
A昭和23年(1948年)の完成です。平成20年(2008年)に登録有形文化財となりました。
Q若桜鉄道雪覆の大きさは?
A延長24メートル、面積215平方メートルで、ラーメン構造の8スパンが一直線に並びます。
Q若桜鉄道雪覆と落石覆の違いは?
A雪覆は細い柱と薄い片流れ屋根の軽い構造、落石覆は14連の半円アーチと土を詰めた頂部をもつ重厚な構造です。両者は約350メートル離れています。
Q若桜鉄道雪覆はどこから見られますか?
A丹比駅と若桜駅の間を走る列車の車窓から、または周辺から外観を見ます。線路内は立入禁止です。

基本情報

名称若桜鉄道雪覆
所在地鳥取県八頭郡八頭町用呂字向山
指定区分登録有形文化財(建造物)
指定年平成20年(2008年)7月8日登録
員数1棟
寸法延長24メートル、面積215平方メートル(鉄筋コンクリート造、ラーメン構造8スパン、片流れスラブ屋根)
所有者八頭町
公開状況線路内は立入禁止。列車の車窓と周辺から外観を見学

参考文献

若桜鉄道雪覆(文化庁 国指定文化財等データベース)
https://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails/101/00007296
登録有形文化財ご紹介(若桜鉄道株式会社)
https://wakatetsu.co.jp/bunkazai
近代化遺産としての若桜鉄道(八頭町観光協会 やずナビ)
https://yazukanko.jp/feature/wakasarailroad/
若桜鉄道若桜駅本屋及びプラットホーム、転車台ほか計23件(文化庁 日本遺産ポータルサイト)
https://japan-heritage.bunka.go.jp/ja/culturalproperties/result/4487/

最終更新日: 2026.09.26