奈良
Nara奈良時代(710 – 794)の日本の文化財を一覧で閲覧できます。都道府県・種類・キーワードで絞り込み、詳しい解説や地図、旅行のヒントもご紹介します。
東大寺法華堂で本尊・不空羂索観音の左右に立っていた奈良時代の塑像二体。日光・月光菩薩と伝わるが、装いや持物から梵天・帝釈天とする説もある。彩色の多くは剥落し、白い土肌があらわれる。現在は東大寺ミュージアムで常設展示。
奈良・東大寺が所蔵する国宝「銅造灌仏盤」は、直径約89.2センチにおよぶ天平期の大型青銅盤。花まつりで誕生釈迦仏像に甘茶を注ぐ器として作られ、天平勝宝4年(752年)の大仏開眼供養のため特別に造立された可能性も指摘される貴重な遺品です。
奈良・薬師寺に伝わる国宝の吉祥天像は、縦53センチほどの麻布に描かれた8世紀の彩色画。盛唐の影響を受けた天平美人の面影で知られ、宝珠を捧げる姿を繊細に表す。吉祥悔過会の本尊と推定され、正月の数日間などに限って公開される。
福井県美浜町の興道寺廃寺跡は、7世紀後半に若狭の有力氏族が建てた古代寺院の跡。継続発掘で金堂・塔・講堂・中門・南門の基壇が見つかり、創建から10世紀の廃絶までの伽藍の変遷が判明した。2018年に国史跡に指定。
長門国鋳銭遺物は、奈良時代に長門国の鋳銭所で銭貨の鋳造に使われた道具などの一括資料で、昭和39年(1964年)に重要文化財となった。和同開珎や銭笵、坩堝などを含み、辰馬考古資料館が所有し京都国立博物館に保管される。
白鶴美術館が所蔵する国宝「賢愚経残巻(大聖武)」は、通常の写経より大きな一行十一〜十三字を荼毘紙に書写した奈良時代の写経。聖武天皇宸筆と伝わり、国宝の大聖武四件のうち分量と保存状態で随一とされる名品である。
六甲山麓の白鶴美術館が所蔵する国宝。大般涅槃経の注釈を集めた巻子本七十一巻で、唐代写本五十四巻に日本の補写十七巻が加わり、欠けなく完存する。平安・鎌倉の訓点は国語学の貴重な資料で、奈良の西大寺に伝来した。
本来十巻の護国経典『金光明最勝王経』を、一行二十七〜三十字の細字で二巻に書写した奈良時代中期の写経。巻一の朱訓点、巻四・九の墨訓点はいずれも比叡山系で、国語史の資料として注目される。附は竹帙一枚。国宝。高野山霊宝館で随時公開。
和歌山県・高野山の竜光院に伝わる国宝。奈良時代に通常より大きな文字で書写された法華経で、もと八巻のうち七巻が現存する。平安後期に高野山再興を担った学僧・明算が自ら訓点を加えており、書跡としても国語史の資料としても貴重な一具である。
高野山大学を擁する高野山学園が蔵する、密教三部経の古写経三巻。大日経・金剛頂経・蘇悉地経からなり、奈良から平安にさかのぼる。行間には朱や白の珍しい訓点が加えられ、日本語の歴史を裏づける国語史資料としても貴重な重要文化財である。
高野山の学問寺・正智院に伝わる銅五鈷鈴。中国・唐時代の作で、昭和3年に重要文化財へ指定された舶載の密教法具である。修法で金剛杵と対に用いる鈴の古例として貴重な一口を、密教における役割とともに紹介する。
高野山三宝院に伝わる国宝。南インドの僧・菩提流志が漢訳した不空羂索観音の根本経典を、奈良時代の写経生が書き写した十八巻。二十勝利などの功徳を説き、東大寺法華堂の観音像の像容もこの経に基づく。霊宝館で随時公開。
天平十五年(七四三)、光明皇后の発願により書写された般若経の一巻。本文は三世紀に朱士行が西域于闐から請来した梵本に遡り、無羅叉らが漢訳した放光般若経の巻第九にあたる。高野山龍光院に伝わる、年紀の明らかな奈良写経の重要文化財。
高野山金剛峯寺に伝わる国宝、木造諸尊仏龕。高さ約23センチの白檀を三つに分けて蝶番でつなぎ、釈迦如来を中心に二十五体を刻んだ唐代中国の仏龕で、弘法大師空海の請来と伝わる枕本尊。閉じれば携帯でき、高野山霊宝館で公開される。
昭和六十二年、道成寺の秘仏の胎内から現れた奈良時代の木心乾漆千手観音。面部を欠きながら背面に八世紀の造形を残し、聖林寺の国宝にも通じる古仏の、思いがけない発見と、寺の創建にさかのぼりうる価値を紹介する。
三十三年に一度だけ開帳される道成寺の秘仏、北向観音。八世紀の古仏を胎内に納めるために南北朝時代に造られた鞘仏で、本堂と同じ時期の作とされる。その特異な構造と役割、そして次の開帳の見込みまでをひもとく。
国宝・王勃集巻第二十八は、唐代初期の文人王勃(649-676)の詩文集として、世界に現存する最古級の写本です。遣唐使によって日本にもたらされ、奈良・興福寺に伝来したこの一巻は、中国本土ではすでに失われた王勃の作品を今に伝える、東アジア書跡史における至宝です。